映画レビュー0452 『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』

何かで「もっと評価されるべき映画」的な話を聞き、借りてきた作品です。

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命

The Place Beyond the Pines
監督
デレク・シアンフランス
脚本
デレク・シアンフランス
ベン・コッチオ
ダリウス・マーダー
音楽
マイク・パットン
公開
2013年3月29日 アメリカ
上映時間
140分
製作国
アメリカ

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命

かつて一夜を共にした女性が自分の子供を出産したことを知ったルークは、仕事を辞め、家族と共に暮らそうと決意をするが、彼女にはすでに新しい彼氏ができていて、またルーク自身も新たな仕事で養うお金もなかった。彼に相談を受けたルークの雇い主・ロビンは、かつて自分がやっていたという銀行強盗にルークを誘うのだが…。

前半が良かっただけに、後半が惜しい。

7.0

ジャケットやらなんやらの印象では、ライアン・ゴズリング扮する犯罪者・ルーク vs ブラッドリー・クーパー扮する警察官・エイヴリーの善悪の対決っぽい雰囲気ですが、彼らが交差するのはただひとつの事件のみで、共演時間は非常に短いです。なので、この二人のガチンコ対決を期待すると肩透かしを食らう映画ではあります。

こういう「前半と後半で主人公が変わる」映画というのは他にもあると思いますが、個人的にはあまり観ないタイプなので結構新鮮でした。

どうしても詳しく書いてしまうと「ネタバレ回避」のポリシーに反するのであまり突っ込んだことが書けないのが口惜しいところですが、簡単に概要を書くと「息子のために生きる」と決意した前半の主人公・ルークが、ある日の銀行強盗で新米警察官・エイヴリーに追われることとなり、その事件を境に主人公がエイヴリーに移行します。そのエイヴリーにも息子がいて、彼らが成長した後にお互いのつながりを知らずに関わりを持つことになり…というようなお話です。

割とそこそこ書いちゃってるような気がしますが、まあきっとこの映画のキモはそこじゃない、ということで。

この映画、借りる時点で自分でもそうだったんですが、やっぱりライアン・ゴズリングによるアウトローのイメージがものすごく大きいし、それを利用して良い映画にしよう、というような意図があると思うんですよね。言ってみれば一昔前の「アル・パチーノのマフィア」的な、今かなりホットなキャラクターだと思うんですよ。ライアン・ゴズリングのアウトローって。

二枚目だけど綺麗すぎないし、汚い役もすごく似合うし、感情を排したような冷たい表情も特有のものがあるし、優しさも感じさせるし。おそらくは「ドライヴ」で花開いたと勝手に思っているこの“ライアン・ゴズリングアウトロー”ですが、それを存分に利用してやろう…というストーリーの割に、前半で舞台から去ってしまうので、そこがやっぱりすごく物足りないしもったいない。

ブラッドリー・クーパーも好きな役者さんなんですが、やはり「ハングオーバー!」シリーズのイメージもあるし、どちらかと言うとコメディ寄りの映画で生きる人だというこれまた“イメージ”が強いので、頑張ってるしまったく不満のない演技ではありましたが、どうしてもライアン・ゴズリングの強烈さには負けてしまう気がします。

そんなわけで、前半は「どうなるんだろう」という期待感も含めてなかなか見せてくれた印象があったんですが、それと比べると後半は大人しめでちょっとテンションがダウンしてしまった気がしました。

それぞれの人生とその子供の人生が交錯するストーリーはなかなか重厚で、警察の腐敗といったお決まりながら面白そうな題材が出てきたりもするんですが、それもあまり深堀りすることなく、あくまで展開の一要素に終わってしまったのが残念。

でもやっぱりエンディングかな…。わかるんですが、物足りなかった。

“ライアン・ゴズリングのアウトロー”路線を踏まえるのであれば、もっと強烈にやっちゃう感じの方がいいような気がしたんですが、まあご本人は早々に姿を消してしまうので、それを期待するのも酷なんでしょう。

決してつまらなくはないし、なかなか見応えのある映画だったんですが、もう一歩、スカッとするかグサッと刺さるかする何かが欲しかったですね。

このシーンがイイ!

バイク vs 車の追走シーンは(ストーリー上の緊迫感含め)なかなかの迫力で○。

ココが○

浮ついた部分のない、ハードボイルドで重厚な映画なので、そういうのが好き、そういうのが観たいぞという時には良いと思います。

ココが×

主人公が移動する作りである以上、どうしても一人ひとりの内容は薄めになりがち。時間の割に深く響くものがなかったのはそのせいかなとも思います。

MVA

順当に行くならライアン・ゴズリングなんですが、やっぱり前半までしかいないのは、言ってみれば「前フリ」でしかないので、ちょっと選びにくい印象。

対するブラッドリー・クーパーも良かったし、短髪にした若々しさと15年後の落ち着きっぷりのギャップもそこそこ説得力があったようには思いましたが、いかんせん、やっぱりまだこの手の重厚な映画には(見た目が)甘すぎるかなと言う気が。

ということで今回はコチラの方に。

ベン・メンデルソーン(ロビン役)

ルークの雇い主かつ銀行強盗の相棒。

序盤はゆーのーゆーのー言ってたので、すわロッキーの再来かと身構えましたが、終わってみればその心配はあまりなく。

あまり登場シーンは多くないんですが、すごく印象的でした。病んでる感じと人の良さそうな感じと。こういう脇役って本当に大事だと思います。

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