映画レビュー0394 『推理作家ポー 最期の5日間』
これも劇場で予告編を観た時に少し気になってたんですが、ちょっと地味そうだな、と思い劇場鑑賞をやめた映画です。
ちなみにワタクシ、エドガー・アラン・ポーの作品はおろか、江戸川乱歩の作品も一切読んだことがありません。
推理作家ポー 最期の5日間
雰囲気○。悪くはないけど…ツメが甘い。
役者陣は主演のジョン・キューザック含め結構地味なメンバーで、それ故映画自体も地味そうだな、って思った一因でもあったわけですが、ただその分というか…地味キャストな分、実力派の映画を狙ってます感というか、猟奇殺人が流れにあるためにあまり気分のいい映像ではないものの、きちんと観客を惹きつけようとする雰囲気作りと展開に注力している感じがして、なかなか全体的には好感の持てる映画ではありました。印象としては、完成度の面でだいぶ差はあるものの昔の時代を舞台にした「セブン」を目指したのかな、という感じ。
実際エドガー・アラン・ポーは死の直前が未だに謎めいているらしく、話として残っている内容を膨らませてこの映画を作り上げた、というもののようです。犯人はなぜポーの小説の真似をしているのか、そしてポーに対する要求の意味は…という内容が中心のサスペンスになっています。さらにタイトルにある「最期の」の意味とは…! みたいな。
その犯人からポーに対する要求が結構無理矢理というか、まあ最後まで見れば意味はわかるけど話として唐突すぎるんじゃないの、という感は否めず、いわゆる結論ありきなシナリオっぽかったのが残念。
まあ、そこに限らずシナリオに関しては一流とは言えない内容なので、やっぱりこの映画は雰囲気を楽しむ「雰囲気頑張ってます映画」なのかなと思います。
ただ、当然ながら「エドガー・アラン・ポーの小説に沿った事件が起こる」ことから、この人の小説に愛着のある人ならもっと評価できる映画であってもおかしくないと思います。僕だってゴルゴのスナイプをなぞった映画とかあったらたまらないはずですからね。そういう楽しみ方が出来る人は観てみるといいかもしれません。少なくとも損をするレベルではないと思うし、真面目に作っている映画だと思うので、興味があったら観てみるといいんじゃない、という感じ。
強烈にオススメはしませんが、かといって「ディナーラッシュ」を観るならこっちを100回観た方がまだいいわ、と。くどいですがそんな感じ。まあ、「ディナーラッシュ」は観ちゃった自分が悪いんですが、このブログを書き続ける限りは永遠にボロクソ言い続けるでしょうね。
話が逸れましたが。
実は個人的には「思ったより良かった」です。もっと中途半端なB級映画かと思ってたんですが、意外とがんばったB級映画で。
上映時間もそんなに長くないので、観るものが無いぜ的なときにはいいかもしれません。
このシーンがイイ!
閉じ込められた穴から見える犯人の表情はなかなか…気味が悪いものの良いシーンかなと。
ココが○
やっぱり雰囲気でしょうね。時代を感じる色気が出てたと思います。
内容が内容なので暗くて気味が悪い部分もありますが、世界観としては悪くなかったと思います。
ココが×
なんせ「謎の最期を描く」前提なので、当然ストーリーはそこに引っ張られていくわけですが、「いや、そのチョイスはおかしいだろ」っていうシーンが終盤出てきます。やっぱりどうしても結論ありきのシナリオってそういうアラが目についちゃうので、そこはご多分に漏れずよろしくない。
気にならない人は気にならない…のかなぁ。僕は結構強引な気がしました。
MVA
一つ残念だったのが、ヒロインがかわいくないっていう…。これもよく書いてますが、やっぱり男としてここは重要なので外せません。ただ肌は綺麗だったし、胸もなかなかだったので隣にいたら触ってるでしょうね。ええ。
今回ビシっと「この人しかいない!」っていう人がいなかったんですが、消去法的にこの人にしようかな、と思います。
ジョン・キューザック(エドガー・アラン・ポー役)
失礼ながらジョン・キューザックは元々顔からしてあんまり好きじゃなくて、僕のイメージにあるのは「コン・エアー」。少し暑苦しいような。そういうイメージ。
でもさすがに歳をとったからか暑苦しさはあまりなく、また役作りのために痩せたのか、結構渋い感じになっていてよかったですね。
元々それなりに評価はされている人だと思うので、まあ可もなく不可もなくではありますが無難にこなしてくれた印象。