映画レビュー0435 『LIFE!』

最近の週末はウダウダ過ごすことが多く、気付けば更新せずに週を終えてます。ソーリー。

さて、今日は予告編を観た時から絶対観ようと思っていたこの作品。

今回一つびっくりしたのが、例のNO MORE映画泥棒のCMのあと、太鼓の達人のCM的な間違い探しが流れたこと。NO MORE映画泥棒は本編のフィルムの一番最初に入れられているという話を聞いたことがあるんですが、その間に挟み込んだんでしょうか。(もっとも今はデジタルだろうしあんまり関係ないんでしょうが)なかなかの傍若無人ぶりですね。バンダイナムコも。

LIFE!

The Secret Life of Walter Mitty
監督
脚本
原作
『ウォルター・ミティの秘密の生活』
ジェームズ・サーバー
音楽
公開
2013年12月25日 アメリカ
上映時間
115分
製作国
アメリカ

LIFE!

フォトグラフ雑誌「LIFE」のネガフィルム管理部門で働くウォルター。真面目だが平凡で地味な生活を送る彼は、気になる同僚に声をかけることもままならないが、時折空想の世界へ出かけては、アグレッシブな自分を想像して夢を見る夢想家の一面があった。ある日、LIFE誌廃刊を通達された彼は、ずっと雑誌を支えてきたカメラマンのショーンに「俺の最高傑作である、25番目のフィルムを最後の表紙に」と依頼されるが、送られてきたフィルムは25番目だけが抜けていた。困ったウォルターは、フィルムの在処を聞き出すため、世界中を飛び回っていてどこにいるかもわからないショーンを探す、本当の冒険に向かうのだった。

背中を押してくれる映画。

8.5

鑑賞後に知ったんですが、元は1947年公開の「虹を掴む男」という映画のリメイクらしいです。

地味で平凡、でも真面目な会社人間ウォルター。日本人としては結構自己投影しやすいタイプの人物。そんな生活を変えたいと思っているんでしょう、時折妄想しては「理想の自分」を脳内で描き、「またボーっとしてるのか」と言われるような男です。

当然、妄想は妄想でしか無く、相変わらずの日常をモヤモヤと過ごすわけですが、雑誌の廃刊とその最終号に使うネガが見つからないという2つの理由から「自分の中のスイッチ」を否応なしに押される形で、冒険家であり著名な写真家でもあるショーンを探しに旅に出ます。

少ない手がかりを元に、世界のどこにいるかもわからないショーンに会うため、妄想から現実の冒険に踏み出したウォルターは、果たしてショーンに会えるのか、そしてLIFE誌最終号の表紙の写真は…というお話。

古い映画のリメイクではあるんですが、主人公のウォルターは出会い系を利用していて、当然ながら現在にマッチした内容になっています。

彼が出会い系を利用する理由は気になる同僚が登録しているのを知ったからなんですが、その同僚との恋愛含みのストーリーがありつつ、ロードムービーテイストもありつつ、さらにその出会い系もちょっとしたスパイスになりつつ、今の時代らしい1ジャンルに収まらないストーリーを最後はしっかり回収してくれる、期待通りの良い映画でした。

おそらくあまり「この映画嫌い」っていう人が少ないタイプの映画でしょう。

ある種定番の展開でもあり、劇的に意外な内容もないんですが、だからこその安心感もあるし、「正直者は救われる」的な良さがあります。その出会い系しかり、同僚の息子しかり、要素の活かし方も上手いし、「こりゃ良い映画だろうなぁ」という期待感にしっかり応えてくれる、実力のある映画だと思います。

序盤のちょくちょく妄想が差し込まれる展開はむしろちょっと集中力を削ぐように感じられて、正直なところスタートから半分ぐらいまではやや退屈ではありました。

これはおそらく、後半の「本当の冒険」を意識させるためにあえて妄想をしっかり描いたんだろうと思いますが、その甲斐あってか「妄想が減る=ウォルターが成長した」みたいな、成長物語としての描写にもつながっているのはなかなかうまいな、と。

40過ぎても人間は変われるんだ、という強烈なメッセージは、「所詮フィクションでしょ」と思いつつも、やっぱり日常に不満のある我々一般人には受け取るものがあるわけで、これまた自分自身の価値観に影響を与えてくれた一作だったと思います。

特に秀逸だったのが、ウォルターが「背中を押される」、一歩を踏み出すシーン。何度かそういうシーンが出てきますが、それぞれ彼の背中を押す存在があって、周りのありがたさや「変わりたいならここで動かないと!」と決意する勇気をしっかり伝えてくれるので、自分もその勇気を受け取れた気がして、自分の中では、ただの「良い映画」じゃないレベルになったように思います。「(500)日のサマー」と似たメッセージを受け取ったような感覚。

「前向きになれます」って感想だけ聞いてもイマイチピンと来ないんですが、「こういう時に一歩を踏み出す、その環境に気付くんだぞ!」という、自分の心の中だけではない“お膳立て”込みで環境を変える物語になっているので、だからこそ「これが前向きになるってことか」とわかりやすかったというか。

超ネガティブ人間としては「前向きって難しいぞ」と思うんですが、ただ「できるぞ、変われるぞ」ではない、「変わらざるをえないところで前向きになれる」場面がある、という経験を教えてもらったような気がして、いろいろ振り返ると勉強になったというか、やっぱり価値観に影響を与えてくれる映画だったような気がします。

ゴタゴタと説明臭くなってしまいましたが。

序盤はちょっとついて行きにくい面もありますが、全体的には難しさもないし、綺麗な風景を眺めつつ、一緒に冒険して自分自身を励ましてもらう感じの勇気をもらえる映画だと思います。

劇場だから遠慮気味にではありますが、ラストは当然、ひっそり泣きました。オススメ。

このシーンがイイ!

名シーンもいろいろあって、オープニングの文字の入れ方とかすごく好きなんですが、一番はお母さんの励ましのシーンでしょうか。ひっそりとではありますが、母の偉大さも感じられるストーリーがまた良くて。

ココが○

上に書いたものを除けば、これまた定番ではありますが、劇伴の使い方がイイ。音楽の使い方が上手い映画はやっぱりいいですよねぇ。

ココが×

特にコレと言っては無い気がします。

強いて言うなら、妄想シーンの“痛さ”ですが、これは後半のウォルター成長に対する前フリだと思うので、そこはあんまり気にしなくていいのかな、と。

MVA

キャスティングが本当に素晴らしくてですね…。どの人も「この人しかいない!」って感じで。

最初はあんまり冴えなかったベン・スティラーが、後半みるみるかっこよくなるのも見どころ。

ショーン・ペンもシャーリー・マクレーンもすごく良かったし…ちょっとだけ出てくるパットン・オズワルトも良かったし…ひじょーに悩みましたが、ちょっと意外(?)にこの人にしようかなと。

アダム・スコット(テッド・ヘンドリックス役)

リストラ担当のヒゲ男。

ほんと嫌なやつなんですが、憎めない感じが絶妙。コメディ出身らしく軽い演技も良かったし、悪い人がいない中での悪役担当として幅を広げてくれてた気がします。

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