映画レビュー0671 『星の旅人たち』

私事ですがちょっと嫌な出来事があり、久々に家で酒を煽って「癒やされたい! 癒される映画が観たい!!」と思って選んだのがこちらの映画になります。

星の旅人たち

The Way
監督
エミリオ・エステベス
脚本
エミリオ・エステベス
原案
エミリオ・エステベス
ジャック・ヒット
出演
ジェームズ・ネスビット
エミリオ・エステベス
音楽
公開
2010年11月19日 スペイン
上映時間
129分
製作国
アメリカ・スペイン

星の旅人たち

カリフォルニアの眼科医・トムは、自分探しの旅に出た息子・ダニエルが聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅の途中、嵐で命を落としたという連絡を受ける。フランスへ飛び、現地で息子本人であることを確認したトムは、息子が辿るはずだった巡礼の旅に出ることにした。

景色と出会いと別れ、これぞロードムービー。

9.0

そういうわけでややメンタルがやられていたこともあり、若干上げ底の評価になっていることは否めません。が、とてもよかった。

もういちいち景色が良いんですよ。染みるの。雄大で。まさに観たかった映画だな、癒し系だなとずっとうるうるしながら観ていました。

自分探しの旅に出た40歳の息子・ダニエルが事故死したために、そのあとを継ぐようにして父・トムが代わりに何百キロにも及ぶ徒歩での巡礼の旅に出るお話。

当然ながら同じ目的の巡礼者もたくさんいるルートなので、歩きながらの出会いもあるし、泊まる宿での出会いもあります。詳細は出てきませんが、おそらくは何ヶ月かに及ぶ旅になっているんでしょう、結構ハードな旅のご様子。日本で言うと、規模的な違いはわかりませんが「四国お遍路の旅」的なイメージでしょうか。

何せ巡礼なのでやや宗教色のある行為ではあるんですが、むしろ今はそういった信仰心から旅をする人は少ないそうで、一種のレクリエーションでもあり、自己鍛錬でもあり、その他モロモロでもあり。こういう旅してみたいなぁ…としみじみ思う反面、自分には完遂できなさそうな気もするぐらいには大変そう。

鑑賞後に調べたところ、この「聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路」というのは世界遺産にも登録されているようで、なるほど確かにどこもかしこも風光明媚でとても素晴らしい景色が堪能できます。

ちなみに以前観た「サン・ジャックへの道」もこの巡礼路が舞台の映画のようですが、内容ほとんど覚えていませんごめんね。今観たらまた違う感想を抱くに違いない。そうに違いない。

トムは亡くなった息子・ダニエルの遺灰をところどころに撒きながら、彼と“ともに”巡礼の旅を続けます。そこでやはり何人か、何度か顔を見合わせるような人が出てきて、やがて仲間となって一緒に旅をする…んですが、トムはやや気難しい人なので、素っ気なく群れようとしないしトラブルに巻き込まれたりもしていろいろ大変。それでもやはり大変な巡礼の旅、徐々に助け助けられを繰り返しながら、目的の地を目指して歩き続ける面々。ただそれを見守るだけの映画です。

メンバーには一応女性もいるものの、彼女ももうそこそこ年齢を重ねた人だし、ある意味では誰もが人生のルートが見えてしまっているような人たち。そこで少し非日常に自分の身を置いて、改めて自分とその人生を見つめ直すという旅なわけですが、もはや若くもないだけに希望に満ちているわけではない、フツーの人たちの出会いと別れっていうのは…やっぱり自分の身にも重なるわけで、いろいろと観ていて感じるものはありました。

特にこの映画に価値観がどうとか半生を振り返ってどうとかそういうメッセージ性はないんですが、ただなんとなく、今このままの状態で自分もこの場所に身を置いたら…と考えながら観ていると、なんとなーく少しずつ自分の考えがまた変わっていくような感覚がありました。この押し付けがましくもなく、優しく見守りながらも自分を振り返る時間をくれる感じ、とても好きです。観たタイミングが最適だったというのもあるんでしょうが、すごくじわじわと身体に染みてくる感覚があって、やっぱり映画はいいよなぁとしみじみ思いました。

主演はマーティン・シーン、監督及び息子役がエミリオ・エステベス。この二人似てるなーと思ったら実際に親子だそうで。エミリオ・エステベスの名前は知っていたけど、まさかマーティン・シーンの息子だったとは…。チンコ野郎故に大変なことになったもう一人の息子、チャーリー・シーンには作れない映画でしょうね。なかなか素晴らしいお仕事をしたと思います。エミリオ・エステベス。

疲れちゃった時にぜひ観てみてください。

このシーンがイイ!

これはねー、歌がかかる場面はどれも珠玉でしたね。とても素晴らしかったです。序盤の猫がチラッと映るワンシーンとか。

ホテルでの一夜もとても良かった。

ココが○

その歌の場面も含まれますが、とにかくとにかく劇伴がとても良い。すごくシーンにマッチした、郷愁を誘うしんみり感マックスな劇伴の数々がもう…。音楽による底上げがハンパないと思います。この映画。

ココが×

こういう映画はもうターゲットからして中高年なので仕方ないところですが、若い人にはどこまで良さがわかるのか…ちょっと不安な気はします。ある程度人生を「振り返れる時間の蓄積」が無いと、行間を読むような部分が難しいかもしれないなと。

MVA

んー、まあみんな良かったけど…順当にこの人かなぁ。

マーティン・シーン(トム・エイヴリー役)

主人公のオッサン…というかもう爺さんの域なのか…。

最初に出てきた時に「おお! マーティン・シーンか!?」と喜んだんですが、やっぱりこの人は「地獄の黙示録」のイメージなので、その彼も歳を取ってこういうお話に合う人になったのか…と思うとまたいろいろと感じるところがあるわけです。

昔から知っている役者さんが「歳を取りましたよ」って役をやってると、もうそれだけでちょっとグッと来ちゃいますね…。

多分病気ですね。

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