映画レビュー0998 『12モンキーズ』
今回もネトフリ配信終了シリーズ。この映画はいつか観たいと思っていた一つですが、ギリアムの映画とは知りませんでした。
12モンキーズ
デヴィッド・ピープルズ
ジャネット・ピープルズ
ブルース・ウィリス
マデリーン・ストウ
ブラッド・ピット
クリストファー・プラマー
デヴィッド・モース
ジョン・セダ
ポール・バックマスター
1995年12月27日 アメリカ
130分
アメリカ
Netflix(PS4・TV)

進みが遅くスッキリしない。
- 人類の99%が死滅した近未来から過去へ送られる囚人
- 原因となる菌を入手するべく活動する…もしょっちゅう中断して進まない
- 主人公が結構なボンクラでスッキリしない
- 黒幕も残念感強め
あらすじ
配信終了が来たからたまたま観た…んですが、この映画は設定で「ウイルスによって人類の99%が死滅した近未来」がスタートになっているという…なかなか今この状況下で観るには生々しい感すらあるタイムリーな設定ですね。
ただまあそこについては「コンテイジョン」(最近再鑑賞しました)ほど現在と似たものがあるわけでもないので、あくまで設定的に観たタイミングがアレだなって感じですね。(アレ)
ということで舞台は近未来、2035年。この映画公開当時からすれば40年後ですが、今からすれば15年後なので…意外と近いですね。
まあただギリアムの映画らしく、ゴリゴリの未来感が出てくるわけではないのでその辺の違和感は特にありません。むしろディストピア感が強い未来なのでいつ観ても気にならなそう。
ただその中で唯一15年後にも叶いそうもない“未来”、それがタイムマシン。
なんでもこの映画の舞台では、上記の通り「人類の99%がウイルスによって死滅した」世界になっていて、地上は動物たちが跋扈、残った僅かな人類は地下で暮らすことを余儀なくされている、という設定。
そのウイルスのワクチンを作るためには元となる(当時の)ウイルスが必要とのことで、現代で収監されている犯罪者たちに特赦を条件にタイムマシンを使って過去へ戻ってウイルスを取ってこいという指令を幾度となく出している模様。
今回物語冒頭でその任務に選ばれたのがブルース・ウィリス演じるジェームズ・コール。ウィリスがウイルスを取りに行くわけです。
「現在」の研究者たちの間では、1996年に「12モンキーズ」と呼ばれる集団がウイルスを散布したというのが定説となっているようで、彼も1996年に飛んで12モンキーズの足跡を辿る…予定がマシンの故障によって1990年に飛ばされてしまい、おまけに彼の言動が妄想だとみなされ精神病院に収容されてしまいます。
早くも任務遂行が難しくなってしまったジェームズ、果たして無事ウイルスを発見し、持ち帰ることができるんでしょうか。
進みが遅く、結末も納得できず
さすがに「治療のために原初のウイルスが必要」って今より医学が劣化してない? と思うんですが、まあ人類の99%が死滅した以上それもやむなしということなんでしょう。でもタイムマシンはできたのねっていう。
先に書いちゃうとジェームズは何度かタイムスリップします。1990年へ行く一度ではないです。なので「人類(ほぼ)滅亡の元凶探し」的なサスペンスっぽさとタイムスリップ系SFの組み合わせになっていて、となるとめっちゃ自分好みやん…と思いきやこれがイマイチでした。悲しい。
その理由はいくつか思いつくんですが、一つは主人公が少々残念な人なんですよね。犯罪者なのでリアルっちゃーリアルなんですが。
どんな犯罪で収監されていたのかはわからないんですが、ただ過去に戻った彼は「もうちょっと丁寧に説明しろよ」って場面でも暴れまわるから信じてもらえないし、そのうち「自分が本当に未来から来たのか」が信じられなくなるぐらい自分を見失いがちだし、ちょっと主人公的な任務遂行能力に欠ける感が強い。「空気うめぇ」で足止め喰らうし。わかるけど。わかるけどイライラする。
結局彼は最初に出会った精神科医のキャサリン(要はヒロイン)と二人三脚で事態の収拾に向かう形になるんですが、これもなんとも進みが遅く…。
おまけに(ネタバレなので詳細は避けますが)最終的な結末も「タイムリープモノとしては良いけど物語の主目的からすれば納得がいかない」ものになっていて、そこがすごく不満でした。
「納得がいかない」のはあくまで僕個人の感覚で、実際はそうでもない人も多いんでしょうが…ただサスペンス的な視点でかなり残念さを感じる展開だったので、じゃああの人いらねーじゃんみたいな不満が噴出。結果的にイマイチだなチクショウと涙を飲みました。
ギリアム感が薄いのもがっかり
それとギリアムの映画を観るのは久しぶり(多分「ゼロの未来」以来)だったんですが、やっぱりちょっとクセのある監督なだけにどんな映像を見せてくれるのかな…と期待半分不安半分で観ていたものの、結局「あんまりギリアムっぽくないな」と内容云々以外の部分でちょっとがっかりしてしまった部分もあって、どうせならもっととんがって欲しかったなぁという贅沢な思いもありました。
最も“ギリアム感”を感じたのは「現代」における面接シーンだったと思うんですが、あの辺の雰囲気とかガジェットとかは(劇中の大半を占める)過去に戻るとまったく出てこなくて残念。しょうがないんだけど。
ただ僕は特段ギリアムに詳しいわけでもないので、ギリアムマニアからすれば「これほどギリアムっぽい映画もないだろ!」と怒られてしまう可能性もあります。僕が言っているのはあくまで表層的な部分、見た目の問題で、中身についてはわかりません。ギリアムファンからしたらどうなんだろ。
評価は高いようなので観てみた方が良いのかも
ネットの評価はかなり高く、特にIMDbでは驚異の8.0を記録しているだけに、きっと観る人が観ればすごくよくできた映画なんだと思うんですよ。
ただ僕としては主人公の残念さでイライラする面が強かったし、結末も納得できないしで「期待していた分」残念感が強い映画でした。
描かれるタイムリープの内容自体は割と好きなものだっただけに余計に残念。多分主人公を好きになれてたらもっと感情が入ってよかったのかもしれないですね。この頃のブルース・ウィリスはあんまり好きじゃないので余計に感情移入しにくかったのかもしれません。
ふと思ったんだけど最近のブルース・ウィリスはニコラス・ケイジと同じようなネタキャラポジションに行ってしまったんでしょうか…その方が好きだけど。
このシーンがイイ!
絵画の前で目覚めるシーンは良いですね。気持ち悪くて。ほんとあの現代の科学者連中だけはギリアムっぽい奇妙さがあってよかったな。
ココが○
話の筋自体は良く出来てるんだと思うんですよ。未来と過去のつながりも良かったし。
ココが×
やっぱり結局は「最後スッキリしない」のが大きかったのかな…。
序盤から丁寧に繰り返しネタフリもしてくれてるので主人公絡みのいろいろも意外性が薄かったし、もうちょっとフリ少なめでガツンと来るような見せ方にしてほしかったかも。
MVA
正直どの人もあまりピンとこず…。ブラピの精神病演技もちょっとわざとらしいかなぁという気がしました。
なので消去法的に男のチョイス。
マデリーン・ストウ(キャサリン・ライリー博士)
ヒロインの精神科医。美人という理由だけで選びました。
ただ当然ですが演技も良かったです。


