映画レビュー0533 『ツイスター』

もう絶対今観てもさして面白く無いだろうと思ってはいたんですが、フィリップ・シーモア・ホフマンが出ているっていうのを見ちゃったもんで、じゃあ観ないとな、と録画しておきました。

懐かしいですねー。この時代、この手の映画が流行っていた記憶があります。

ツイスター

Twister
監督
ヤン・デ・ボン
脚本
アン・マリー・マーティン
音楽
主題歌
『Humans Being』
ヴァン・ヘイレン
公開
1996年5月10日 アメリカ
上映時間
113分
製作国
アメリカ

ツイスター

幼少期、竜巻で父を失い、それ以来「ストームチェイサー」として竜巻のデータ収集に命をかけるジョーの元に、離婚届を出したい別居中の夫・ビルがフィアンセを連れて訪れる。ジョーはかつてビルが発案した竜巻観測用の機械「ドロシー」が完成したことを告げ、観測のために慌ただしく出て行くが、離婚届をもらいたいビルはそれについて行き…。

映像の迫力は今でもなかなか。ただし中身は今観るといろいろしんどい。

4.5

懐かしいですねヤン・デ・ボン監督。今何をしているんでしょうか。

いわゆるディザスター・ムービー、別名パニック映画の一種ですが、ただ「竜巻に追われてパニクる人々」という内容ではなく、竜巻観測に命をかける人たちが、ライバル業者との争いも含みつつ、いかに極限まで近づいてデータを集めることができるか、言ってみれば「竜巻と研究者の戦い」を描いた映画になります。

ただ自分で書いといてなんですが、「竜巻と研究者の戦い」という字面から感じられるような硬派な感じは薄く、彼らのノリからしても割合軽め。技術的なアレコレは当然あまり触れられないので、やっぱり「ディザスター・ムービーの衣をまとった娯楽映画」と言って差し支えないと思います。

1990年代の映画ですが、CGを駆使した竜巻やその被害の映像はなかなかの迫力で、今観ても特に違和感なく楽しめます。まーこんな自然災害が多発するアメリカは大変だよな、としみじみ思いましたが、ただ最近は日本でも竜巻被害の話がチラホラ出ているし、今年なんて台風が超当たり年だしで、なかなか他人事ではない怖さもあります。

さすがにこの映画に出てくる、歴史に残るレベルの規模のものはあまり無いとは言え、いつ来てもおかしくないのが災害の怖いところなだけに、「まあ映画だしね」と軽く済ませられない、身近な恐怖という意味ではディザスター・ムービーらしい緊張感もあったと思います。

ただ、いかんせんストーリーがかなり貧弱。

年代的な問題もあるとは思いますが、「離婚しようとやって来た旦那と妻が久しぶりに一緒に竜巻を追う」って筋書きがもう陳腐すぎてね…。

竜巻を追う研究者(ストームチェイサー)が主人公、っていうのは面白い設定だと思うだけに、ベッタベタな恋愛風味を混ぜ込んでくる安易さは反吐が出ますね。実際。

ネタバレになりますが…まあ誰だって思うことなんで書いちゃいますけど、もう「離婚間近」っていう設定がオープニングに出てきた時点で、「あー、最後にはフィアンセが離れて復縁するのね」ってバレバレじゃないですか。別にそんなのこの映画の内容からすれば副菜みたいなもの…でもあるんですが、だったらもうこういう話は入れないでいいと思うんですよ。

さして推進力になっているわけでもなし、おまけにフィアンセはかわいくない=脇役感が半端ない。

思い出せば、1990年代の娯楽映画ってホントこういうパターンが多かった気がします。気がするだけで具体例は出せないというテキトーな発言ですが、でももうこの手の「ちょっと心温まる展開にしましたよ」みたいなのホント観てられない。くだらなすぎて。

頑張ったけど巻き込まれて死にました、みたいな劇的な展開にしてくれた方がまだいい。主人公補正で「これ普通に何度も死んでるだろ」という場面をサラリと駆け抜け、最後に結ばれブチュー、とかもう予定調和すぎて脳内でデューン↓って音が聞こえるぐらいにテンションが下がりましたね。

今だったらきっと、もっとプロジェクトX的なドキュメンタリータッチにサスペンスフルな映画としてストームチェイサーを描く方が全然ウケもいいだろうし、面白かったでしょう。この頃はそういう時代だから、と言ってしまえばそれまでだし、20年前の映画に今の時代の価値観で文句を言うのも筋違いなのはわかってるんですが、でもやっぱりこの内容では今あえて観るほどのものではないかな、と思います。

まあ、結局予想通りにイマイチだったな、という感想。

このシーンがイイ!

これは反則だと思うんですが、「シャイニング」のシーンが丸々出てくるんですよね。象徴的なシーンが。あれはさすがに惹きつけられました。しかも使い方もうまかったし、完全に「シャイニング」の功績ですがあの一連のシーンは好きです。

ココが○

竜巻の迫力。牛が飛んでるシーンとか覚えがあったので「ああ、このシーン!」とちょっと嬉しかったり。

ココが×

上に書いた以外では主人公の仲間たち、フィリップ・シーモア・ホフマンも含まれますが、彼らのノリがちょっと軽すぎて好きになれませんでした。あの勢いが安っぽくさせてる気がするんだよなぁ…。

あと劇伴もやっぱりこの時代らしいというか、今聞くと古臭い煽り方が少し気になりました。

MVA

あまり演技とか人物に目が行く映画ではないので消去法で、予定調和の映画には予定調和の選出ということで。

フィリップ・シーモア・ホフマン(ダスティ・デイビス役)

仲間の一人。

彼にしては珍しく軽めの人物でした。今となってはどの役者さんよりも上に位置する名優だと思いますが、しかし誰よりも早く亡くなってしまったという悲しさ。つくづくもったいない…。

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