映画レビュー0546 『バツイチは恋のはじまり』

えー、そろそろ年末進行というか、書いてあったレビューを載せていかないと年越しちゃいそうなので、ちょっとずつ平日にも更新していく予定ですが、例のごとくジャケ絵を描いてなかったりして滞りそうです。いやー、ほんとめんどくさい。

止めろよ、って話なんですがまあいいじゃない。言わせておくれよ。

さて、そんなわけで今日の一本。

やっぱりレンタルを始めちゃうと「ああこれ観たかったんだ」「これも観たい」の繰り返しでエンドレスになるということで、少し前のことですが4本ほどレンタルしてきました。その中からまずはコチラ。

バツイチは恋のはじまり

Un plan parfait
監督
パスカル・ショメイユ
脚本
ローラン・ゼトゥンヌ
ヨアン・グロム
原案
フィリップ・ムシュラン
出演
アリス・ポル
ロベール・プラニョル
ジョナタン・コエン
音楽
公開
2012年10月31日 フランス
上映時間
104分
製作国
フランス
視聴環境
TSUTAYAレンタル(DVD・TV)

バツイチは恋のはじまり

「初婚は必ず失敗する」家系に育ったイザベルは、長年同棲してラブラブの彼・ピエールとの結婚を成功させるため、まずはどうでもいい男と一回目の結婚をし、さっさと離婚しようと目論む。ピエールとの結婚式を間近に控えたある日、彼女はたまたま飛行機で隣に乗り合わせた“めんどくさそうな男”ジャン=イヴに狙いを定め、無事結婚までこぎつけるが…。

ん~、ちょっと素直には受け入れられず。

7.0

フランス産のラブコメディ。少し前に借りたDVDに結構な頻度で予告編が入っていて、「おっ、これは良さそうだな」とチョイス。

まあ予告編からもわかる通り、当然この手の映画は「さっさと縁を切るつもりが惹かれはじめて…」みたいなお話になるわけで、展開的にはあまり驚きもありません。それ故、ストーリー展開以外の部分が魅力的でないといけないわけですが、この映画は比較的、コメディの部分に力点を置かれている感じで、ジャン=イヴ役のダニー・ブーンがコメディアン出身ということもあり、なかなかこれが笑わせてくれました。

ただ、笑いとしては割と力技も多く、フランス映画としては意外(?)にストレートな笑いで攻めてくる感じで、この辺は好みも分かれそうな気がします。

またコメディなだけに、主役のイザベルのキャラが結構ひどくて、かわいげのある嫌がらせならまだしも完全に犯罪だろこれ、というような嫌がらせもあり、なかなか共感しにくいのが残念なところ。(でもシーンとしては笑えます)

自分だったらいくら美人でもここまでされたらキレるだろうな…ということも受け入れようとするジャン=イヴ。…と書くとすごくいいやつっぽく見えるし、実際いいやつなんですが、ただ性格的にはかなり鬱陶しい感じで、「主役二人が愛せない」というなかなか珍しい映画になっているのが面白いところ。

ただ、それは中盤まで。徐々に二人の素直な感情が見え始めるにつれ、応援したくなってくるのが不思議。やや極端で“あり得ない話”ではあるものの、コメディという味付けだからこそ許せるというジャンルをうまく利用した恋愛モノとして、なかなか面白い映画になっているとは思います。

でも正直なところ、「フランス映画」に期待するようなちょっとした知的さと、ハリウッド的なわかりやすさからは離れた少しマニア心をくすぐる内容を期待しちゃったので、ある意味で素直な、万人向けの内容になっちゃってたのが気に入らない感じではありました。

とは言え、ラブコメとしては十分損しないレベルの映画になっていると思います。もう一歩、主役二人を愛せる内容だったらなぁ…というのが個人的な感想。とか言いながら最後は少しホロッと来ちゃったんですけどね。

んー、でもやっぱり、イザベルの性格の悪さが気になったかなぁ。「バツイチ計画に付き合わされる方」の気持ちをまったく考えない行動が。ま、そんな細かいこと言ってちゃいけないんですけどね。フィクションのラブコメだし。

このシーンがイイ!

“リシャール”が登場するシーンは良かったですねぇ…。悲しくて。

ココが○

意外とあちこちに飛び回ってロケをしているので、映像的な楽しみはありました。あとはベタですがエンドロールのNG集はやっぱりなんか観ちゃいますね。

ココが×

離婚するためとは言えちょっとやりすぎ。ちょっと「ミート・ザ・ペアレンツ」を観た時に似た、やりすぎ感から醒めてくる感覚を覚えました。

あとはもう言わなくてもわかっているでしょうが、邦題がクソすぎます。クソ・オブ・ザ・クソ。なんでこんな安っぽいタイトル付けるかね…。この邦題のせいで、響くであろう人たちに届かないのがもったいなさすぎる。

ただ、毎回クソ邦題には「考えたやつはやめちまえ」と言っていますが、念のため書いておくとクソ邦題って言うのは実際に考えた人よりも、これでゴーしちゃう上層部が真性のクソですから。お前がやめちまえよ、と本当に思います。そういう連中がいるから映画が売れなくなるんじゃボケ、と。

どうも配給会社は直訳とか原題のカタカナ表記とかを嫌う傾向にあるらしいですが、この映画なんて直訳の「完璧な計画」の方が数千倍良いタイトルです。文字面だけではサスペンスとかでも通用しちゃいそうな懸念はありますが、そんなのはフォントとかロゴタイプのデザインでいくらでも変えられるわけで、いくらなんでもこの邦題は無いだろ、と思いますね。制作陣に失礼すぎる。恨みでもあるのかな、って。逆に。

MVA

ダイアン・クルーガーのフランス語は初めて観ましたが、すごいですね。うまいか下手かなんてわかりませんが、英語もフランス語も(もちろん母国のドイツ語も)完璧、って。これだけ美人でマルチリンガル、って恐ろしすぎます。40目前のくせに相変わらず美人で、しかもかわいさもある。ダンスもかっこよかったしこの人でも良いんですが、NG集最後の女優っぽい態度が気に入らなかったので除外。(小並感)

相手役のダニー・ブーンはどっかで観たよな~と思ったら「ぼくの大切なともだち」に出てたんですねー。そう言えば。この人のコメディ演技はさすがでしたが、今回はどうしても気になったこの人にしたいと思います。

アリス・ポル(コリンヌ役)

イザベルの妹役。

なんかね、この子表情豊かでよかったんですよ。美人ではないものの、なんかかわいいし。愛嬌があるというか。妹夫婦はどっちも存在感があってよかったですね。

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