映画レビュー0176 『約束の旅路』

みなさんこんばんは。

結構本数が増えてきたにもかかわらず、検索してもなかなかヒットしない映画レビュー界の秘境、なんプロです。ついにめでたく2000ヒットを達成したわけですが、超スローすぎて最近カウンターを外そうか悩んでます。

なまじ見えるのがよくないのです。よくないのです! ワー

約束の旅路

Va, Vis et Deviens
監督
脚本
ラデュ・ミヘイレアニュ
出演
ヤエル・アベカシス
ロシュディ・ゼム
モシェ・アガザイ
モシェ・アベベ
シラク・M・サバハ
イツァーグ・エドガー
ロニ・ハダー
音楽
公開
2005年3月30日 フランス
上映時間
149分
製作国
フランス
視聴環境
BSプレミアム録画(TV)

約束の旅路

難民キャンプで母と生き別れたシュロモが、やがて養父母と出会い、成長し、母をさがす人生の旅。

詰め込みすぎで雑な印象。

5.0

世の中的には結構評判がいいみたいなんで、そこそこ期待して観てはみたものの…という結果。

話の内容としては、幼年期から少年期、そして青年期に至る主人公の人生を追っていき、彼の過酷な人生と人間の愛を描ききる感動巨編! みたいなところですが、まず話の根っこに、

  • ユダヤ人ではないのにユダヤ人だと嘘をつき、生き延びなさいと教えてくれた、母親&連れ出してくれた第二の母親の存在
  • そのユダヤ人のバックボーンにある宗教事情

があるわけですが、この辺の知識がないとイマイチ主人公の心に寄り添えない感じが強く、特に観客の物語への浸透度を左右する序盤においてシンドイ気がしました。僕もユダヤ関係についてはあくまで人並みの知識しかないので、「一般的な日本人」的には理解しにくい物語なんじゃないかなぁ、と。

その辺をどーたらこーたら考えていたときに、似たような背景の映画として「マイネーム・イズ・ハーン」が浮かびましたが、あっちは良くも悪くもステレオタイプなイスラム像がバックボーンで、そのステレオタイプから外れた(でもそのステレオタイプ自体間違ってるんだぞ、というメッセージを込めた)主人公を軸に置いていたので、グッと深く入り込める良さがありました。

こっちはユダヤ人的な背景を持ちつつ、さらに「ユダヤ人じゃないけどユダヤ人のフリをしないと生きていけない」という設定が話を複雑にしていて、予備知識がないと拾える情報が少なく、その分映画の作りや演出に頼らざるを得ない面があります。

と、いうところでその「映画自体の作り」が重要になってくるわけですが、これがいかにも詰め込みすぎな印象。

個人的な印象ですが、こういう、物語上である程度長い年月を描く必要のある映画は、エピソードって絞る必要があると思うんですよね。単純に長くなるから。この映画はそのユダヤ的バックボーンをいろいろ描きたかったというのもあるんでしょうが、割とエピソードが盛りだくさんな上に、変にサラッと次へ流れる性質があって、もっと知りたいと思ったところで次へ行ったり、良かったねぇと思ってたらいきなり暗い場面だったり、という流れが多かった気がします。成長も唐突。印象的なシーンもなく、急に大きくなってたりしてビックリ。

なんというか…散漫なんですよね。

申し訳ないけど、この監督は演出がすごく下手だと思う。つなぎの演出が。狙いはわかるんだけど、外してる。

あとは脚本も良くない。2時間半近く詰め込んでこれだけの「入り込めない感」たるや…。正直な作りだとは思いますが、これだけ詰め込んでやるぜ、という脚本なのであれば、もっとフリを利かせたり、ベタに盛り上げるやり方も入れ込まないと、本当に「ユダヤを理解できる人たち」にしか伝わらない映画になっちゃう気がします。そのつもりで作ったなら別に文句は無いんですけどね…。

ラストももっと感動があっていい場面なのに、唐突に始まって「ここで終わらせます」っていう雰囲気を出し過ぎた上にすごく下手。もうちょっと語っていいと思うよ、ここは…。

でも割と世の中的に評判がイイというのが謎。確かに話の大枠は良いというか、「これで感動しなきゃひどいやつだ」みたいな面はあると思います。

子供の頃に母親と生き別れになり、第二の母親も早めに亡くなり、母親に会いたい思いが募っていく…という筋は良いと思いますが、でも迎え入れてくれた家族は(それなりにトラブルはありつつも)すごく良い家庭だから幸せそうな感じもあるし、恋愛模様も絡んでくる。

母親を追い求めるなら追い求める方を主軸にするとか、普通の生活を追うなるならそっちを詰めていくとか、「感動」に寄せるならもっと違う方法があったと思いますが、両方追いかけるからそれも含めて詰め込みすぎ。上映時間が長い上に詰め込みすぎだから、飽きはしないんですが感情の高まりは期待できません。

結局、「泣ける映画」に滅法弱い自分が一度も泣きませんでした。その事実から推して知るべし、と言ったところでしょうか。もっと泣ける良い映画、たくさんあるよ…。

もっと言えば、あの(レビューも詰め込みすぎなので強制終了)

このシーンがイイ!

お爺ちゃんが働いている主人公の元へ遊びに来て、帰りに神について語るシーン。変な話、すごくオシャレな言い回しでお爺ちゃんいいなぁ、と思いましたね。日本人の「神様論」に近い感じが余計によかったのかもしれません。

あとは病室での養母の一言、かな。良いお母さんです。

ココが○

散漫ではあるんですが、道中飽きる感じがないのは○かな、と。

ココが×

いつものごとく、上に書きまくったので…。ここのコーナー書く意味あるのか!

MVA

役者さんは皆さん良かったと思います。で、一人選ぶなら…うーん、我ながらこのタイプには弱い。

ロニ・ハダー(サラ役)

重くなりがちなテーマの中で、軽い明るさを持った存在感が良かったです。ところどころで動きのある演技もよかった。

役柄的にも、ツンデレっぷりもなかなかだし、「なんだかんだ言って待ってる女性像」みたいなのはベタだけどイイ。

サラいい子だよ…。

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