映画レビュー0174 『父、帰る』
かなり時間がかかったんですが、今日、「L.A.コンフィデンシャル」の原作を読み終えました。
映画よりも複雑で重い話でしたが、原作を読むと改めて映画のデキの良さを感じましたね。原作は原作で良いんですが、映画はかなり話の内容も変わっていて、主要人物をうまく活かしながら短い時間で深みのある話に仕立て上げてるのがスゴイ。「ロロ・トマシ」は映画オリジナル、というのも驚き。
脚本&脚色がすばらしいですねぇ…改めて名画と認識しました。また観るかなー。
父、帰る

「静かで淡々」=名画とは限らない。
ロシア映画って初めてですね。監督の名前がゴイスー。ズビャギンツェフですよ。普通の人は一生発声しないわこの単語。
劇中ほぼ音楽もなく、無口で無骨な父と、その父の真意を図りかねず、次第に反発していく兄弟の短い旅を描いた映画。非常に淡々と、“名画臭”漂う作りで、実際ヴェネツィア映画祭でも最高の栄誉である金獅子賞と新人監督賞を受賞したらしいんですが、正直に言って僕にはまったく面白さが感じられませんでした。
これを観ていて気付いたというか、思ったのが「静かで淡々と、真面目に進む映画は名作だ」的な、“空気感”みたいなものに騙されちゃいけないぜ! ということ。
なんというか…大して良い素材使ってないくせに「こちらは塩でご賞味ください」ってツウぶっちゃう居酒屋みたいな。うるせえよ! 醤油とかケチャップとかでごまかせよ! みたいな。よくわかりません。
内容のお話。父の姿はある種ありがち、こういう“父像”はわかりやすいので理解できます。兄弟の感情の動きもまた、どっちもよくわかる。道中起こる出来事も特に違和感はない…んだけど、結局最終的に何が言いたかったのか、。
「こういう映画を作りました。多くは語らないので考えて受けとめてください」という芸術家肌っぽい映画というんでしょうか。そういう映画でも良い映画はたくさんありますが、この映画は(個人的には)そういう域に達していないと思う。
もっと父親の真意だとかが断片的にでも伺える要素があればよかったんですが、そういう部分もほとんどなく、垂れ流しの「嫌な親父」。
途中のとある事件で、観賞者にもう一歩考えさせたかったんでしょうが、感情的にそこに踏み込もうと思わせるほど登場人物全般に魅力がない。そう、そこがしんどかったのです。
何と言っても(多分)主人公である弟・イワン。彼がまずもってかわいさゼロ。しかも超生意気フェイス。途中から段々イライラしてきました。反発する気持ちはわかるんだけど、それにしてもこいつ子供らしいかわいさゼロじゃねーかよ! と。
結局観てる側としては、親父にムカムカ、弟にイライラで全然楽しめない。
それでも話に深みがあればググッと来たんですが、「放り投げておしまい」という作りだけに、そんな楽しみも得られず。
結局、父があの無人島に行った理由であろう伏線も実は伏線じゃなくて 結局わからず終いでなんだったんだよ、っていう。
ちょっと僕としては救いようのない映画でしたね。いかにもヴェネツィアが好きそうな気はするんですが。ヴェネツィア映画祭、全然詳しくないんだけど! なんとなくイメージでね!
結論。観なくてよし。
このシーンがイイ!
当然、なし。全体的に地味だし、刺さるシーンも無かったです。
ココが○
当然、なし。
ココが×
いつも通り、上にたくさん書いたので。一番の×はイワンですけどね!
MVA
登場人物はほぼ3人なので、その中から選びなさいよ、という話なんですが、まあ渋々この人かな…。
コンスタンチン・ラヴロネンコ(父役)
ほとんど笑顔を見せない無骨な親父なんですが、かなり渋い存在感があって、あの佇まいは結構良かったですね。


