映画レビュー0007 『ウォッチメン』
劇場で観たよシリーズ第一弾です。そんなシリーズしらねーよ! ってか! ワッハッハッハッハッ。
今回改めてDVDで鑑賞。
ウォッチメン
SFというよりサスペンス。
やー今回のジャケットは傑作ですね。
うるさいよっ!
っとそれは置いといて。
これはもう観終わったときにすぐ感じましたが、絶対賛否両論ある映画でしょうね。僕は「賛」です。
いろいろ「コスチュームがださすぎる」とか細かいところをつっこむとキリがない映画なので、そういう情報は他の方々にお任せして、違う視点でうにゃうにゃ語ろうかと。
まず、ところどころにエログロ(特にグロ)が顔を出すので、そういうのが苦手な人は観ない方が無難です。
最初に感じたのは、いわゆる勧善懲悪なアメリカンヒーローものじゃあないな、ということ。これもまた「ヒーローもの」だと聞いてそのつもりで観ようとすると裏切られます。
ジャンル的にもSFなのは間違いないんですが、全体的なテイストは結構サスペンスなんじゃないかな、と。こんなことを言ったら失礼だとは思いますが、「アメリカ人の作ったヒーローもの」とは思えないほど、深くて難しいお話だということ。
はっきり言って難しい映画です。
価値観に当てはまらない人は全然おもしろくないと思いますが、僕はこの結末、この映画の「答え」は、かなり考えさせられました。そして実際に(形は変われど)あり得ない話でもないかな、と。
人の「価値観」というものについて考えさせられる、問題提起のような映画ではないかと思います。観た人が結果「つまらなかった」と言っても、結末について何らかの考えを張り巡らせるようであれば、この映画の意味はあるんじゃないかと。
そんな映画です。(どんな)
原作読んでみたいなー。
ココが○
オープニング。
一番この監督の「匂い」が感じられるところだと思いますが、時折スローを混ぜながら、優雅な音楽と綺麗な夜の世界に展開される暗殺劇。これはなかなか印象深いシーンでしたねー。よくできてました。
あと音楽。
冷戦時の話だからか、古い洋楽が結構効果的に使われていて、その辺りのチョイスとか使い方がうまかった。これも印象深かったですね。
そしてなんと言ってもエンディング。
この映画の終わり方、かなり好きです。こういうエンドロールへの入り方がうまい映画ってすごく好きなんですよねぇ。「うう~む」と唸ってエンドロールを眺める、みたいな。唸りながら映画の感想を頭の中で張り巡らせつつ、エンドロールを観る、あの時間が好きです。
ダメな映画はエンドロールなんて観てられないですけどね。映画版ファイナルファンタジーとかね。ソッコー映画館から出てきましたよ。ええ。
超トラウマ。
ココが×
俳優陣がイマイチ。
予算の都合で、らしいんですが、メジャーどころは出ていません。別にメジャーどころが出ていなくてもいいんですが、パッと見で二流っぽいと見えちゃう辺りがカナシイ。
特にヒロイン。これが全然かわいくない。(この手の話もしょっちゅう書いてますね…)
特に昔のコスチュームに身を包んで「登場!」となる場面なんて、メイクのせいか輪をかけてかわいくない。
いわゆる「元カノ」の方が全然綺麗。元カノも重要な役割なので彼女が綺麗なのはいいんですが、ヒロインがこのレベルだとちょっと辛い。若干でもヌードがあるからなのか!? とか勘ぐっちゃいました。
あとは全体的に暗すぎる。
これは僕個人は別に悪いと思わないんですが、ここまで暗いとちょっと一般受けは難しいんじゃないかな、と。ほぼ全体通して明るいシーンがまったくと言っていいほどありません。
ラストの数分ぐらいじゃなかったかな…。まあテーマがテーマなのでしょうがないのかもしれませんが…。
MVA
この映画はロールシャッハの映画だと思うんですよ。主人公的な意味では。
最後の叫びのシーンもものすごくよかったし彼にあげてもいいんですが、でも裏主人公と言っていいこの人に。
ジェフリー・ディーン・モーガン(エドガー・ブレイク/コメディアン役)
最初に殺されるから端役なのかと思いきや、実はストーリーのベースにいる人物で、かなり重要な役どころだけに難しい部分があると思うんですが、ものすごくハマってます。悪そうで、偉そうで。
でも歳を取ってからちょっとナイーブになってる部分だとか、すごくよかった。
主要メンバーで二流の匂いがしなかったのは、この人とロールシャッハ役のジャッキー・アール・ヘイリーの二人だけでしょうね。
あと元カノね。綺麗でした。