映画レビュー0697 『ときめきサイエンス』

BS録画より。80年代B級コメディとして最高っぽい雰囲気を感じて録画してみましたが…。

ときめきサイエンス

Weird Science
監督
脚本
ジョン・ヒューズ
出演
イラン・ミッチェル=スミス
ケリー・ルブロック
音楽
ジミー・アイオヴィン
公開
1985年8月2日 アメリカ
上映時間
94分
製作国
アメリカ

ときめきサイエンス

モテとは無縁の冴えない高校生コンビ・ゲイリーとワイアットは、ある日「パソコンを使って理想の女性を作ろう!」と思い立つ。実際にやってみたところまさかの大成功で理想的なセクシー美女が誕生、おまけに彼女は望むものを何でも作り出せる能力を持っていて…。

つまらないけど無下にできない。

6.0

先に感想を言ってしまえば、「つまらないけど嫌いじゃない」系の映画という感じ。

もう想像以上にB級な内容の映画だったんですが、それが不思議とある種のかわいさみたいなものを醸し出していて、やっぱりこれはなんとも80年代らしい映画だな、と80年代映画大好き人間としては嬉しくなる感じでもありました。つまらなかったけど。

主人公の二人組、ゲイリーとワイアットはいわゆる「イケてないDT二人組」ってやつですね。この手のお話ではよくいるタイプ。それぞれに意中の女子はいるもののまったく相手にされておらず、むしろいじめられるタイプなので声をかけることすらままならない感じ。

ある日ワイアットの家の両親が出かけたので二人で泊まりで遊ぼうと集まり、仲良く映画「フランケンシュタイン」を観ていたら触発されるわけです。「よし俺たちもイイ女作っちゃおうぜ!」と。もう頭の中エロいことだらけなんでしょうね。まあこの頃の男子なら想像に難くないところ。僕の歳でも頭の中はエロいことだらけですからね。男なんてそんなもんです。

で、買ってもらったという今からするとエラい年代物のドデカイパソコンを使い、なぜか頭にブラジャーを被って念じるように作業を進め、そしてまたエラい年代物な画面を見せつけられながらもなぜか大成功ということで、年頃の男子なら近くにいるだけでボッキモンという理想の女性・リサが爆誕。

彼女は思うがままに好きなものを生み出せるという…大人のドラえもん的な感じでしょうか。表現からしていやらしいですね。そんな人なので、いきなり高級車を作り出し、二人を連れてバーまでドライブ。未成年でおまけにいじめられっ子の二人は酒の場に尻込みしつつも、リサと酒の力で徐々に調子に乗っていくんですが、ワイアットの家に戻ると二人の天敵・ワイアット兄がいて…というようなお話になっております。

ジャンルとしては…SFコメディ青春ファンタジー映画という感じでしょうか。根本は間違いなくコメディなんですが、この時代の映画らしい良くも悪くもごった煮で味も気にせず世に出しました感がスゴイ。

もう細かいところを突っ込みだしたらキリがないお話なので、いかにもB級な青春映画として時代を懐かしむ感じで観るのが良さそう。これリアルタイムで観てたらとんでもないダメ映画だったような気がします。実は若き日のロバート・ダウニー・Jrが「ロバート・ダウニー」名義でいじめっ子役として出演しているんですが、今観ていると彼にとっての黒歴史感がすごい。この映画の話したら怒るんじゃねーの的な。どうなんでしょうか。真相は不明です。

一応は青春映画の側面があるだけに、メインのお話としては主人公のDT高校生二人組の成長物語になってはいますが、ただどうにも全体的に荒唐無稽なのであんまりその辺で心を動かされるようなこともなくてですね。ぶっちゃけしょうもない話を延々と観ているだけ、という映画ではありました。

だからつまんないんですよ。くどいようですが。スカッとすることもなければウルっとくることもないし、かと言ってコメディとしても特段笑えるわけでもないし。

でも彼らは(最もそれが頭にあるはずなのに)安易にセックスに走らないし、ドラッグの類も出てこない、終始“愛すべきDT少年”でい続けてくれるので、そこがなんとも愛らしいというか。つまらないけど愛したくなる映画とでも言いましょうか。同じように冴えない少年だった元少年としては、ただ「つまらない映画だなー」で終わらせるにはもったいない、あまりにも愛おしい二人のバカさ加減がたまらない映画ではありましたね。

多分こんなことを感じたのは僕だけだと思うんですが、目の前に「理想の女性」が出てきたにも関わらずエロに走らない、っていうのはどこか「電影少女」っぽい気もして、そこがまたちょっと無下に出来ない感じがあって。コメディ版電影少女みたいな。話は全然違うんですが。

ちなみに「電影少女」は僕が当時唯一買っていたマンガ雑誌である週刊少年ジャンプにおいて、史上最も興奮したマンガでですね。当然おかず事情にも恵まれていなかった頃なので、それはもう何度もお世話になったもんですよ。ああお世話になったさ。大人になって懐かしさから思わず愛蔵版を買って読んだら興奮するどころか思いの外いい話で号泣した、という思い出のマンガです。

話が逸れました。

まあ他に特に語ることもない、今となってはロバート・ダウニーJrの若かりし頃ぐらいしか見所のない映画だとは思いますが、昔の自分をちょっと覗き見るようなむず痒い感じもあって、悪い映画じゃないなぁという気がします。

つまらなかったんですけどね。

このシーンがイイ!

悪い奴らが撤収するところがですね。なんというか…今時では絶対見られないぐらいに潔いアッサリ展開で、そこが今観ると新鮮で良かったですね。お前らプライドないんかい、っていう。この辺も時代を感じて楽しい部分でしょう。素直な感じが新鮮っていう。

あとはお爺ちゃんとお婆ちゃんのシーンがもう完全にホラーで、違う意味で印象的でした。婆ちゃんの笑顔が怖すぎる。

ココが○

もうとんでもなくバカバカしい話でしか無いんですが、主人公二人は終始いい奴らのままで真面目なんですよね。そこが良かったと思います。

ココが×

結論としては面白くはないのでそこが最大の欠点でしょう。腐せない魅力があるとは言え、今あえて観るべき理由はないです。

MVA

本来であれば“理想の女性”リサ役のケリー・ルブロックなんだと思います。若干時代は感じるものの、いわゆるセックスシンボル的な雰囲気はお見事でした。ただ、物語上最も活きていた人となるとこの人かなと思います。

ビル・パクストン(チェット・ダネリー役)

いわば一番悪役っぽい、主人公ワイアットの兄。

なーんか観たことあるなーと思ってたらビル・パクストンだったとは…。今年亡くなっちゃったんですよね…残念です。

いわゆるものすごいマッチョ思考の軍人で、おまけに弟からカツアゲするという最低の兄貴なんですが、そのムカつく雰囲気がとても良かったんじゃないかなと思います。この人がいなかったらもっと冴えない映画になっていたような気がする。終盤の謎展開も良かったです。

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