映画レビュー0873 『月の瞳』

今回もネトフリ終了間際シリーズです。

ヘンリー・ツェニーが出てきた瞬間に「あ! ミッション・インポッシブル1のキトリッジだ!」と気付くと同時に「やっぱり杉本清に似てる!」と思いましたがよくよく見ると似てるのは髪型と顔の輪郭ぐらいな気がしたよ、というどうでもいい情報です。

月の瞳

When Night Is Falling
監督

パトリシア・ロゼマ

脚本

パトリシア・ロゼマ

出演

パスカル・ビュシエール
レイチェル・クロフォード
ヘンリー・ツェニー
ドン・マッケラー
トレイシー・ライト
デイヴィッド・フォックス

音楽
公開

1995年5月5日 カナダ

上映時間

94分

製作国

カナダ

視聴環境

Netflix(PS3・TV)

月の瞳

背徳感と未知の世界で揺れる女性のエロス。

7.0
神話学の教授が同性愛に目覚める
  • 愛する婚約者もいて幸せな女性教授が、知らない世界を教えてくれる同性に惹かれていくお話
  • 恋愛の筋としては割とありがちなものの、対象が同性かつ宗教的な背景から背徳感漂う雰囲気が良い
  • 綺麗な映像でややもすると文学的になりがちな雰囲気ながら比較的観やすいのも◎
  • 内容的にも女性が好きそう

あらすじ

やっぱりさして文章力も理解力もない人間なだけに、レビューしやすい映画、しにくい映画って言うのはどうしても出てきちゃうんですが、この映画はすごく「レビューしにくい」映画だなぁと思います。

なんて言うんですかねー。ネタバレどうこう関係なく、細かな心情を拾っていかないといけない映画なだけに、その辺逐一書くのもなんか違うし…大まかに説明していくとさっぱりしすぎちゃう映画って言うんでしょうか。

主人公の女性・カミール(パスカル・ビュシエール)は大学で神話学を教えている教授(?)です。この大学は、詳細はわかりませんがいわゆるカトリック系っぽい雰囲気の、かなり宗教色の強い大学のようで、学長的存在が牧師さんのようです。

この辺全然詳しくないのでサッパリわからないんですが、「まあそういうところなのね」と呑み込んでいきましょうよ。とりあえず「宗教に厳格な職場」って感じのふんわりとした理解で良いと思います。ええ。

で、彼女はもうすでにイチャラブしてる同僚・マーティン(ヘンリー・ツェニー)と共に牧師に呼び出され、「結婚前の二人がセックスばっかしてんじゃねぇ」と釘を差されつつ、「自分の後任として二人に牧師をやってほしい。ただしそのためには結婚するべき」と…まあ早い話が結婚を条件に昇進の話を振られるわけです。

二人は愛し合ってるし特に障害もない、じゃあ結婚するか…というところで運命のいたずらなのか、カミールはコインランドリーで一人の女性・ペトラ(レイチェル・クロフォード)と出会います。

この時カミールは最愛のペットを亡くしていて落ち込んでいる状態、励ましてくれたペトラと洗濯物を取り違えたことで後日交換しに行くんですが、レズビアンのペトラは一目見たときからカミールのことが引っかかっていて、結構な直球エロワードで誘うも撃沈、カミールは怒って帰っておしまいと思いきや…? というお話です。

綺麗でエロい大人の恋愛映画

まず端的に言うととてもエロいです。この映画。エロく見せるぞというゲスい感じではなく、綺麗に描きつつも欲情を感じさせるベッドシーンでエロいぜ、みたいな。書いててよくわかりませんけども。

要は登場人物(というかカミール)の心情がよくわかる状況でエロエロするシーンが始まるので、どこか入り込んじゃうような不思議な魅力があったような気がします。

カミールは上記の通り宗教に厳格な職場で働き、自身も神話学を教えている、いわばとても保守的な(立ち位置を求められる)人物なんですね。

教義として同性愛を否定している場所に身を置き、同時に愛する婚約者もいる状況で同性のペトラに引きずられて行く背徳感というのは…こりゃなかなかですよ。なかなかのエロス。

恋愛映画としてはよくあるパターンではあるものの…

ぶっちゃけ恋愛映画としてはよくある「箱入り娘的な“現環境の外を知らない”女性が外に連れて行ってくれる人間に惹かれる」パターンでしかないんですが、その“外に連れて行ってくれる人間”が同性、というのがなかなか珍しいケースなんでしょう。

今でこそLGBTの映画は珍しくないですが、この頃はおそらく今ほど市民権を得ている話でも無いだろうし、おまけに普通の人以上にバックグラウンドが縛られている女性なだけに、なかなか挑戦的な話だったんじゃないかなと思います。

またペトラの仕事がサーカス団員、っていうのも良いですね。劇中で語られているように収入は安定してないし、どう考えたってマーティンを選んだ方が間違いない状況なんですよ。冷静に考えれば100人中100人が「マーティンを選べ」って言うぐらいにその後の生活的にも比較しようがない単純な選択なんですが、しかし新しい刺激に惹かれていく彼女は揺れるわけです。これもわかるわー。

世間体、将来、お金、そして愛といくつかのファクターの中で揺れ動きながら、果たしてカミールはどっちを選ぶのか…悩ましいお話ですね。

男性よりは女性に観て欲しい

20年以上前の映画なだけに、映像の質としてはやはり古い印象は否めないんですが、ただ被写体の美しさはとても印象的で、非常に絵になるシーンが多かったのもポイント。

ややエロティックな雰囲気もあるだけに、総じて印象的で背徳感が漂いつつどこか儚い雰囲気、なんとなく女性は好きになる人が多そうな映画だなと思います。女性の良さが光る映画というか。

僕としてはそれなりに良かったんですが、やっぱり仕組みとしては「男を女に変えただけ」とも言えるし、もう一歩ひねりが欲しかったかなと言う印象。間違いなく男性より女性向きの映画だと思います。

ネタバレの瞳

これもうただただマーティンが気の毒な話じゃないですかね?

別に浮気してたわけでもなし、ただ出張して帰ってきたら女性のところに行っていた、って…。いや普通にあり得る無理がない話ではあるんですが、それにしてもかわいそうで。今まで通りでいたのにいきなり謎の女性に持っていかれちゃうんだもんなぁ…。結婚もご破産で昇進の話も無しになっちゃうんだろうし、ちょっとやりきれない。

一応ラストはサーカス団と袂を分かったっぽい女性とお近付きになるのかなエンドではありましたが、でもカミールの方が全然かわいいじゃん。(主観)

これほど「男性側が気の毒」な映画ってあんまり無い気がするので、そういう意味でもちょっと珍しい映画かもしれません。

一方カミールは「世間体もお金も捨てて愛を選んだ」形なんだと思いますが、前途を考えるとなかなかハッピーとも言い難く、これまたちょっと考えさせられるものがありました。

貧乏サーカス団でやっていけるのかどうか…。でもきっとこれは、劇中ペトラが言っていた「世界一優しい人たち」と一緒にいたい、っていうのもあったんでしょうね。

どこか抑圧されて自分を抑えるように生きることを求められていた大学から離れて、「もっと自分らしく生きたい」と解放されたかったのも大きかったんでしょう。

このシーンがイイ!

細かい言い回しは忘れましたが、ペトラが「足を踏み出さないと何も変わらない」みたいなことを言うんですよね。あのセリフはすごくグッと来ました。自分がそういうタイプなだけに。

あと鉄塔がぐるぐる回るシーンはやけに記憶に残ってるなぁ…なんてこと無いシーンなんですけどね。揺れ動く心情を表していたのか…。(それっぽい解説)

ココが○

展開的にあり得なさそうな気はする(最初のペトラのエロ口説きとか)んですが、でも観ていると全然無理がないのはやっぱり脚本がしっかりしているのかな、と。

ベタだなんだ言いつつ「代わり映えしない日常を変えてくれそうな存在」に惹かれちゃうのは自明なんでしょうね…。

ココが×

際立って欠点がある映画ではないと思います。僕はなんとなくハマらなかっただけで、すごく好きになっちゃう人がいるのも頷ける。

特にカミールに自分を投影できるような人であれば、もしかしたらその後の人生が変わっちゃうぐらいには影響を受けそうな映画かもしれません。

MVA

今回は順当に。

パスカル・ビュシエール(カミール役)

主人公の女性教授。

アラサーぐらいですかね。かわいさと大人っぽさが同居した一番いい感じの時期に綺麗なおっぱい、と。

真面目だけど保守過ぎないバランスの良さと聡明な雰囲気、ちょっと悪戯な表情もあって素敵でした。

ちっぱいのように見せかけて形の良いおっぱいも見逃せません。(最近おっぱい論多め)

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