映画レビュー0412 『天国の口、終りの楽園。』

突然ですがワタクシ、ロードムービーが大好きです。

と言ってもロードムービーというジャンルが好きというよりは、結果的に「ロードムービーって良い映画多いよね」という印象で。

軽く思い出すだけでも、「ファンダンゴ」「ミッドナイト・ラン」「ペーパー・ムーン」「ストレイト・ストーリー」と名作が目白押し。観ようによっては「スタンド・バイ・ミー」「ブルース・ブラザーズ」「あの頃ペニー・レインと」なんかも入れちゃっていいかもしれないという充実ぶり。

なのでこの三連休、街へ繰り出せばリア充どもがウジャウジャと目について鬱陶しいことこの上ないので、「外に出られない悲しみをロードムービーで紛らわせよう大作戦」を決行することに致しました。(レビューアップはずれ込みます)

ちょうどこの前、ロードムービーのまとめを見たこともあり。今回はとりあえず4本をピックアップ。適当にアップしていく予定です。ついでにカテゴリーにロードムービーも追加、と。

んで、一発目を飾るのはこちら。多分当ブログ初のメキシコ映画です。(ちなみにキュアロンが続いたのはたまたまです)

天国の口、終りの楽園。

Y tu mamá también
監督
脚本
カルロス・キュアロン
アルフォンソ・キュアロン
音楽
ナタリー・インブルーリア
フランク・ザッパ
羽鳥美保
公開
2001年6月8日 メキシコ
上映時間
105分
製作国
メキシコ

天国の口、終りの楽園。

有力政治家の息子・テノッチとその親友・フリオは、お互いの彼女がヨーロッパへ遊びに行ったことで暇を持て余し、ある結婚式で知り合ったテノッチの従兄弟の奥さんを海へ行こうと誘う。最初はそのつもりがなかった彼女だが、夫からの不倫を告白する電話を受け、彼らに着いて行くことに…。

セックス、ドラッグ、青春。

6.0

最初に断っておきますが、この映画はおそらく観る人の経験と価値観でだいぶ評価が左右される気がします。結論から言ってしまえば、僕としてはイマイチでした。ただ、その評価に若干やっかみが入っているような気がしないでもないです。

簡単に概要のおさらい。

主人公の親友コンビは、簡単に言えばまあ本当にただのバカな子供という感じで、頭の中はセックスだけ、という感じ。ま、男の思春期なんて程度の差こそあれ、そんなもんです。

それぞれの彼女がしばらく遠くに行ってしまった二人は、要は「あの奥さんいい女だからあわよくば抱きてーな」程度の発想で、ありもしないビーチに「最高なんだぜ」と誘います。たまたまそのタイミングで旦那の不倫を聞かされた彼女は、思うところあって彼らに着いて行くことにします。

道中、セックスありドラッグあり喧嘩あり、いろいろしながらそれぞれの関係性の変化、成長を観ていくロードムービーお決まりの流れの映画と言っていいでしょう。

まずストーリーに関して、それなりにラストに仕込みはあれど、まあ正直読める内容ではあります。基本線は「大親友の二人に一人加わることで、徐々に変化していく関係性」と言ったところですが、その辺りの描写やエピソードはリアリティもあって、いかにも青春な納得できる内容ではありました。

ただ、やっぱりどうにもセックス、セックス、セックス過ぎる。基本線がセックス話ばっかり、間に差し込まれるのはドラッグ…っていうのはどうも好きになれない。

人妻がもっとミステリアスなら良かったかも? とも思うんですが、彼女も彼女であまり賢い感じもないし、一緒にドラッグ吸ってるしで、全体的に軽いんですよね。話が軽いわけではなくて、生き様が軽いのが気に入らなかったというか。

もちろん、高校卒業したての少年二人と、実は何か抱えてそうな人妻という組み合わせ、「軽い」で片付けるのも浅はかだとは思うんですが、やっぱり何よりこの3人、誰も好きになれなかったのが個人的な評価の面で大きかったように思います。

ああ、アレ。今思い出した。「父、帰る」に似てるかも。登場人物、誰も好きになれない感じ。

やっぱり「この人いいな」って思えないと、ロードムービーってイマイチ感情移入できないな、と改めて思いました。エンディングの感じなんかは結構好きだし、そういう友情、そういう青春ってすごくわかるな、とも思うんですが、やっぱり登場人物が好きじゃない、っていうのが大きかったな、と。

んで、なんか「いかにも予想外の展開に」みたいな奥さんの扱いも気に入らなかった。「あー、やっぱこの手使うかー」っていう感じでガッカリ。

おそらくこういう若い人たちに感情移入できる、同じように若い子たちの方がいいのかもしれません。映画慣れしていなければ、その展開もグッと来るだろうし。

そんなわけで、見終わった時の余韻は結構好きでしたが、全体通してはあまり好きになれず。

カタイこと言うんじゃねーよ、っていう話かもしれませんが、やっぱりセックスとドラッグだけで引っ張っていくのはちょっと観てて気分が良くないんですよね。僕は。価値観的にということもあるし、引っ張るネタとして安易な気もするし。そんなわけで、この評価。

このシーンがイイ!

やっぱりラスト近くの電話ボックスのシーンでしょうか。泣く人妻と騒ぐ男二人の対比。狙いがミエミエとは言え、良いシーンかなと。

ココが○

メキシコの日常が見える雰囲気、これは抜群に良かったですね。安そうな食堂だったり、道路を横断する牛だったり、その土地の雰囲気が伝わるのは映画として素晴らしいポイントではないかと。

ココが×

セックスとドラッグって基本飛び道具だと思うんですが、飛び道具主体で最後に刀登場、みたいな作りはもったいないなーと思います。

もう少し飛び道具抑え目に、もう少し登場人物に心情を寄せられる内容なら良かったな、と思いますが、こればっかりは個人差があると思うので、あーだこーだ言っても仕方がない面もあるとは思います。

MVA

主演の男の子二人、どっちもキャラとしては好きではなかったですが、まあ本当に親友なんじゃないか、っていうぐらい騒ぎっぷりが自然すぎて、良い役者さんだと思いましたねぇ。(2017年追記:実際に子供の頃から仲良しとのこと。撮影楽しかっただろうなぁ)

反面、人妻の方は泣くと歯茎ボーンであまり綺麗じゃないし、もうちょっといいキャスティングが欲しかったな、という好み。

そんなわけで男の子どっちにするか、と考えてこちらの方に。

ガエル・ガルシア・ベルナル(フリオ役)

金持ちのボンボンじゃない方の子。

けっこーイイ男なんですよね。ちゃんと見ると。ラストなんて結構キリッとしてて。

メキシコでは人気あるんだろうなーと思って鑑賞後に調べたら、「恋愛睡眠のすすめ」の主演だったという。ああ、そう言えば。節穴でごめんあそばせ。

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