映画レビュー0957 『イエスマン “YES”は人生のパスワード』
ただいま10月末でございます。例によって月末に向けて大量の配信終了が迫ってきており、かねてより観たかったこの辺でご機嫌を伺おうかなと。
ジム・キャリーの映画もこれまた久しぶりですね。
イエスマン “YES”は人生のパスワード
ニコラス・ストーラー
ジャレッド・ポール
アンドリュー・モーゲル
『Yes Man』
ダニー・ウォレス
ジム・キャリー
ズーイー・デシャネル
ブラッドリー・クーパー
リス・ダービー
ジョン・マイケル・ヒギンズ
ダニー・マスターソン
アーロン・タカハシ
フィオヌラ・フラナガン
テレンス・スタンプ
マーク・オリバー・エヴェレット
ライル・ワークマン
2008年12月19日 アメリカ
104分
アメリカ
Netflix(PS4・TV)

ご都合主義がすぎるものの教訓もあるしズーイーかわいいし。
- 無気力気味で頑固な男が「何でもイエス」に改宗するお話
- コメディベース故のご都合主義感は否めないものの、ちょっとした人生のヒントも感じられる
- ジム・キャリー感強いので苦手な人は注意
- ズーイーがかわいすぎてズーリー
あらすじ
久々に見たジム・キャリーは、とてもジム・キャリーだった。
そんなポエムを書きたくなるぐらいにジム・キャリー臭の強い映画なんですが、しかしそれでもちょっと考えさせられる面もありなかなか良い映画だと思います。
ということで主人公はジム・キャリー演じるカール。銀行員です。
彼は察するにネガティブで自分の行動予定を邪魔されたくないタイプっぽいですね。っていうかまんま僕ですねこの人物像。マジで。過去観てきたどんな登場人物よりも自分に近い気がするぐらい思考回路が似てそうでなかなか嫌でした。お誘いがあってもなんだかんだ言い訳つけて断ったりとか。まあそう言う人って珍しく無いんでしょうね。
親友の結婚祝いの飲み会ですら忙しいと断るぐらいに人付き合いが悪いし多分すごく面倒くさがりです彼。自分ならさすがに親友の結婚祝いぐらいは行きますけども。でも少し前も久々に友達から連絡があって「今から飲みに行かない?」って言われたんだけど日曜夜だし明日から仕事始まると思うとなぁ…って断ったりしたのでやっぱり似てる気がしますこの人。だから誘われなくなるんですよねわかってます。
そんな感じで少々陰気な雰囲気もあってか勤務先での出世の話も反故にされた矢先、久々に会った知り合いのニックと軽い近況報告をしあっていたところ、彼が「俺はイエスマンになって人生が変わった! お前もなれ!」とパンフレットを強引にねじ込んでくるわけです。
で、なんやかんやあってその時もらったパンフレットに目が止まったカール、物は試しとそのパンフレットに書かれている怪しいセミナー「イエス」に行ってみますよと。
んでそのセミナーがまあ…ありがちな宗教じみたやっぱり怪しいやつで。でもアメリカってこういう自己啓発系のセミナー多そうな気もするし割と普通なのかもしれませんね。
そこで「イエス」の代表に「これから選択を迫られたらイエスしか言っちゃダメだ!」と押し付けられ、まあそうは言ってもねぇ的にセミナー終わりに帰ろうとしたら早々に浮浪者が「ドコドコ公園まで乗せてってくれよ」と言ってくるわけですよ。結構な距離があるみたいなんですが。
本来であれば断るんでしょうが、セミナー終わりで彼を連れてきた張本人であるニックに「イエスだろ!?」と断れない状況に追い込まれ、やむなく連れて行ったら携帯貸してくれだのあり金全部(貸して)くれだのデリカシーゼロのお願いに半ば開き直って全部イエス、結果ガス欠で帰ることすらできないという「イエスマン最悪の船出」。
仕方なく歩いて最寄りのガソリンスタンドに行って携行缶に給油していたところにバイクに乗って現れた一人のガール…! 我らがズーイー・デシャネル演じるアリソンですよ…!
ちょっとした会話で彼の状況を知った彼女は「じゃあ車まで乗せて行ってあげるよ」とカールを乗せて車まで行き、その後ちょっとした“イイコト”があったカールはまんまと「イエスマン」の効力を信じることとなり、文字通り人が変わったように前向きに何でも受け入れて行くことで上り調子になっていくんですが…あとはご覧くださいませ。
機会損失を防ぐ“イエスマン”
あらすじからもわかる通り、結局は出会ったアリソンとの恋愛含みでいろいろあるお話です。やっぱりそれがすべてではないとは言え、人生の成否に恋愛は欠かせないってところでしょうか。
まあね、そりゃあズーイー・デシャネルですからね。しかも「(500)日のサマー」に出る前、アラサー全盛期のズーイーですよ。こんなかわいい女子と出会えるならそりゃ一発で「イエスマンすげぇな!」ってなるのも納得です。ただちょっと変わった女子ではあったけど。
その恋愛話を除いたとしても「イエス」の効果はいろいろと好影響を与えていて、カールはどんどん人生が楽しくなっていくんですが、コメディ特有のご都合主義もあるとは言え、やっぱり「イエスということで機会損失を防ぐ」っていうのはなかなか教訓になるものだよなぁと思った次第です。
“イエスマンになる前のカール”が自分に似ているだけによくわかるんですが、要は断る人(この映画で言うところの“ノーマン”)って「めんどくさい」だったり「自分の予定を崩されたくない」だったり、自分で見える・わかることの範疇に物事を収めたがる傾向があるんだと思うんですよ。
例えば僕の場合、大体時間ごとにやることが決まっていて、何時にお風呂入って何時からはゲームやろう、とかざっくりスケジュール組んで毎日過ごしているわけです。「この時間何しよう」みたいな空き時間がまず無いんですね。特段珍しいタイプでもないんだろうとは思うんですが。
で、そういう人間ってその予定が狂うことを嫌う傾向があるんじゃないかなと。少なくとも僕はそうなんですよね。「その時間ゲームやりたいから飲みに行くのはちょっと…」みたいな。数日前に言ってくれればそのつもりでいるからいいんだけど当日に言うのはやめてくれよっていう。
つくづく我ながらつまらない人間だなと思いますが、そういう人って“予想できる生活”の中にいるのでリスクは少ないんだけど、当然ながらその分リターンも無いんですよね。自分の予想していない何かが起こり得ない。だから意外な出会いとかも無い。
そこでこの映画ですよ。「イエスマン」になることでズーイーと出会うようなミラクルがあるかもしれないぜと。それ以外にもいろいろうまく回り始めるかもしれないんだぜと。
「所詮コメディだし」って言うのは簡単なんですが、しかしこれはなかなか自分でもその問題に気付きつつ「でもなぁ」で変われない時間を過ごしてきているだけに、かなり響くものがありました。やっぱり「断る」って機会損失なんですよね。予想通りなら平和かもしれないけど何も無いんだから一生変わらんぞ、という当たり前の事実を見せられた感じ。裏で。
もう今後はできるだけイエスマンになるぞ! って思いましたよね。単純にね。日曜夜の飲みの誘いも断らないで行くぞ! ってね。
ジム・キャリーのクセが強すぎて少しもったいない気も
んでジム・キャリーなんですけどね。
今作では「マジェスティック」とか「エターナル・サンシャイン」みたいな抑えめの万人向け演技ではなく、モロ顔芸丸出しのなかなかハードなジム・キャリーなので人によっては気になるんじゃないかなというのが一つ。
僕もそこそこ引っかかるぐらいにはなかなかオーバーな演技ではあったんですよね。「いやどっからどう見ても頭おかしいでしょこの人」って思うぐらいにはイッちゃってる感がある演技だったので、となると少々恋愛面の説得力が欠ける部分はあったんじゃないかなと。
それ故アリソンも少し変わった女子として描かれていたっていうのもあるんでしょう。決めるところではちゃんと決める言動があったし、「そうなる」のもわかるんですが、ただあまりにもジム・キャリーがジム・キャリーしちゃってたので恋愛が重要な要素の一つとするのであればもう少し抑え気味でも良かったんじゃないのかなぁという気がしないでも無いです。ただ好きな人はこれがたまらん、っていうのもわかります。
今観ても面白い人選もポイント
ちなみに監督は(後に撮ることになる)「アントマン」シリーズでおなじみのペイトン・リードなので、際立ってどこが良いとかはあんまり出てこないんですがソツなくテンポよくきっちり仕上げてくれる安心感はバッチリありました。
んで「ハングオーバー!」に出る前のブラッドリー・クーパーがカールの親友役で出てたりもするので、今から観てもなかなか面白い部分がある映画ではないかなと。
それとどうでもいいことなんですが、最初のセミナーで音声だけ出てきたときに「これテレンス・スタンプじゃない…?」と思ったら本当にテレンス・スタンプが出てきて歓喜しました。(本当にどうでもいい話)
僕としてはやっぱり「イエスマンになる前の姿に自分を見た」だけに、ある意味ではくだらないしいい加減なコメディと言っても過言ではない物語でありながら結構な反省をさせられることになったというなかなか珍しい映画になりました。
ノリの良い人(「行く?」って聞いたら二つ返事で「行く!」って言ってくるようなタイプ)って単純に好かれるし、やっぱりなんだかんだ付き合いが悪いタイプでいるよりも、多少無理してでも乗るタイプでいた方が可能性は広がるよなぁと学ばされたような感じ。
今後は僕もあまり乗り気でないときもできる限り「イエス!」と言うようにしようと意を決した次第です。ただ勤務先の社長(爺)の誘いは全部断る。全NO。
このシーンがイイ!
ズーイーが「愛しちゃったみたい」って言うシーンがあるんですよ。そこがもうねぇ! もうねぇ!!!
これぞまさにかわいすぎてズーリー。マジズーイーがズーリー。
それと歌ってるシーンも良かったですね。元々歌手だから良いよねとかそういうんじゃなくて、単純に歌詞がバカバカしくて最高。
あ、あとオープニングの「電話に出てるのは俺じゃない」ジム・キャリーの演技も笑ったし良かった。
ココが○
そんなわけで「ただのコメディ(もしくはラブコメ)」ではない、ちょっとした人生のヒントが込められた物語なのが良いですよね。気楽に観られるんだけど持ち帰るものがあるのが素晴らしい。
ココが×
やっぱり少々ジム・キャリーのクセが強いのと、それ故恋愛面で説得力に欠ける面があるかなぁと。割と中間すっ飛ばしてうまくいっちゃう感じもあったので。
ただその辺は主題ではない分まあ許せるのかなと思います。
MVA
ジム・キャリーの上司がなかなかいいなーと思ったんですが、でもやっぱりこの映画はねぇ…。
ズーイー・デシャネル(アリソン役)
最近見ない気はするんですが、逆にそれもやむを得ないぐらいにこの時期がすごすぎる。神がかったかわいさですよ。改めて。見た目で言えば一番好きかもしれない。って何人かに言ってるかもしれない。
若干の不思議ちゃん感もさすがにぴったりだし、ちょっとしんどいタイプかもしれないけどこのかわいさならすべて許せちゃうよね感もまた説得力がすごい。なんなのもう。


