映画レビュー0828 『ゾンビーバー』
今回もネトフリ終了間際シリーズではあるんですが…ちょっと特殊なチョイスになります。というのも、この映画は普通であれば僕なんかは絶対に観ないタイプの映画で、もう観る前から外すことはわかった状態だったんですが観ました。
なぜかと言うと、最近ツイッターの一部界隈で「ゾンビーバー部」なる謎の集団が勢力を増してきているという社会的な背景がありまして、これは一回観て判断せねばなるまい、と。若干個人的な因縁も込みで。
ただもちろんここは僕のブログなので、部員の皆さまには遠慮せず、オブラートに包まずに好き勝手書くわけですが。
ゾンビーバー
現代版「プラン9・フロム・アウタースペース」。
- いわゆる“ヘタウマ”感を狙ってやっている食えない映画
- 若者(バカ) vs ビーバー(バカ)で進まない戦い
- グロくなりそうなところで笑わせてくる安心設計
- 面白さと腹立たしさの割り勘でごちそうさまでした
上映時間77分っていうのは…当ブログで最短じゃないですかね。確認はしてませんが。僕の記憶では「奇人たちの晩餐会」が短いなーとすごく印象に残っていたんですが、あれも80分なのでそれより短い…んですがこれが信じられないほど長く感じましたね。ひどすぎて。
終盤は一気に見せてくれるテンポの良さはあったものの、そこに至るまでがまあ遅い。バカがバカと戦う凄まじいほどの泥仕合感があり、往年の名勝負「委員長 vs キン肉真弓」を思い出しました。(おっさん例)
舞台はアメリカの片田舎的なところなんでしょうか。湖以外は特になにもない、お決まりのように携帯の電波も圏外というあからさまなシチュエーションのところに、女子3人組が遊びに来ます。
それぞれ彼氏がいて日々パコパコお猿さんモードのようですが、そのうちの1人の彼氏が浮気をしたらしいぞってことで「女だけで遊びましょ」的な流れでやってきた…ものの(バカなので)結局男どもも呼びつけて夜な夜な騒ごうぜ、的展開。まあこの手のゾンビ映画によくありがちな雰囲気です。
一方、湖の近くにはビーバーたちが暮らしていたんですが、ここにこれまたバカな業者のせいで放射性廃棄物が流れ着いてきてしまい、それを浴びたビーバーたちは突然変異によってまさかのゾンビ化、彼女たちが寝泊まりしているバンガローに忍び寄ってきて…というお話です。
一応ジャンル的にはホラーコメディになるんでしょうか。ただ当然ながらコメディ色強めです。なんでも「ハングオーバー!」の制作陣が作っているんだとか。確かに冒頭の鹿轢きにそんな感じが見て取れたとか言う噂。
基本的には「“バカバカしいC級映画”をちゃんと作る」感覚が通底しているので、“狙って”チープに、ツッコミどころを多々ご用意してお待ちしております的な映画だと思ってください。真面目に観るとバカを見るし、真面目につっこむのも野暮です。いわゆるマジレスがダサいタイプの映画なんですが、ただもう(元からそういう気質ということもあり)つっこみたいところ満載すぎて、過去最も一人で言葉を発しながら観てしまった映画かもしれません。「それはないだろwww」とか言いまくってた。
結局のところ、そうやって突っ込みつつかなり笑ったので面白かったと言えば面白かったんですよね。ただそういうツッコミどころ満載=(狙って)スキを作っている映画っていう、その狙っているところがちょっと鼻につく印象はありました。「どうよこれバカバカしいでしょ?」「本人たち怖そうだけどこれ笑っちゃうでしょ?」みたいな横で監督がニヤニヤ解説してくれてる感じ。
こういう雰囲気、いわゆる「監督のドヤ顔が透けて見える」作りはかねてより書いている通り大嫌いなので、そこが頭に来た一旦だったのは間違いありません。
「現代版プラン9・フロム・アウタースペース」というのは、端的に言えば「一人で真剣に観るにはバカバカしすぎて時間の無駄、でもみんなでバカにしながらワイワイ観るには最高」みたいなニュアンスと思ってもらえればいいです。
ただし、プラン9の方はエド・ウッドが大真面目に、本気でヒットすると思って作ったものがレベル低すぎてバカバカしい、それが面白いっていうある種の尊さみたいなものがあったと思うんですよ。ベースにある映画愛が実らない、その切なさがまた笑えるし泣ける、みたいな。
こっちの映画は、わざわざバカな作りにしてバカな人間たちを描いてコケにしているような、ちょっとだけ趣味の悪い面白さに見えたんですよね。映画のイメージとしては「俺たちステップ・ブラザース」に近いかな。そこが僕としてはあんまり愛せないなと思いました。ステップ・ブラザースみたいに最後ちょっといい話にしようとしないという意味では好きでしたが。
とは言えまあ大真面目に語るような映画でもないので、ネタとして観ておいてもいいかもしれません。ゾンビモノが好きならまたちょっと違う感想になるのかもしれませんが…。まあ酔っ払って適当に流してゲラゲラ笑いながら観る、ぐらいが良いんじゃないでしょうか。
ただ好き嫌いは別として、狙ってC級にしているだけあって、実はそれなりに技術力のある映画ではあると思います。
このシーンがイイ!
これはやっぱり…電気系統かじりだしたところですかね。強引に終わらせに行ってる無理矢理感が一番笑いました。
ココが○
本当にバカバカしいくだらない映画なので、そういう気分のときは多分良いチョイスになり得る映画だと思います。僕は単純に嫌いなので評価も低くしましたが、かと言って作りが悪いわけではなく、あくまで好みの問題かなと。意外とちゃんとしてます。
ココが×
もういろいろ腹が立つんですよね。多分根本的に(ひどい目に遭うとしても)頭の悪いリア充連中を見させられるだけで気に入らないのかもしれない。
一番気に入らなかったのは犬の扱い。作り物の話とは言え気に入らない。胸クソ悪いったらなかったです。マジレスが無粋なのは承知で言いますが、趣味が悪いしクソ。
MVA
さすがC級映画らしく他で観たことがない人たちばっかりでしたが、割とみなさん悪くなかったと思います。ただ男の方のルックスが微妙すぎるとは思った。
そんな中、こちらの方に。
コートニー・パーム(ゾーイ役)
おっぱい役。一応ポジションとしては主人公ですがそれ以上におっぱいでした。
最初に出てきた車内のシーン、「あーこの子が一番かわいいな」と思っていたらしっかりおっぱいを見せてくれたのでもうその時点でごちそうさまでした。演技も一番うまかったような気がします。かわいかったし。おっぱいも綺麗だったし。