映画レビュー0242 『恋愛小説家』

なんか恋愛モノが続いてますが、やってたんだからしょうがない。

元々ちょっと観てみたい映画ではあったので、あんまり考えず録ってみたわけですが…。

恋愛小説家

As Good as It Gets
監督
ジェームズ・L・ブルックス
脚本
マーク・アンドラス
ジェームズ・L・ブルックス
音楽
公開
1997年12月19日 アメリカ
上映時間
139分
製作国
アメリカ

恋愛小説家

変わり者の偏屈恋愛小説家・メルヴィンは、ある日いがみ合っている隣人のゲイ画家・サイモンの愛犬を預かることに。文句を言いながらもまんざらではないメルヴィンは、その犬を連れて行きつけの店へ行き…。

コメディ・友情・恋愛、それぞれのバランスがイイ。

8.0

「恋愛小説を生業にしていながら口下手で、実際の恋愛はうまくいかないオッサンがいろんな問題を乗り越えてハッピーを掴みます」的な話だと(いつものように)勝手に思ってたんですが、実際(そういう部分はありますが)かなり印象とは違った映画で、まずかなりコメディ寄りだったのにビックリ。

さらに「恋愛小説家である」というところはあくまでただのバックボーンで、「恋愛小説家なのにね」という見方をちょっとしてくれれば深みが少し増すかもよ、的な匂い付け程度の意味しか無く、映画のタイトルとしてドドーンと持ってくるほど重要な要素でもない気はします。ただし、悪くないタイトルだとは思います。伝えようとしすぎていない、割り切ってる感じが。

さて、ご説明。

まず主人公の恋愛小説家・メルヴィンですが、これが極度の潔癖症で、さらに偏屈極まりないオッサンということで、もうかなりお近付きになりたくないタイプ。ここまで偏屈だったら社会人として生きていけないでしょ、と思ったらナルホド自営業というナルホド。

一方相手役となるウェイトレスのキャロルは、メルヴィンの強烈さに隠れがちですがこの人もかなりおかしい。なんというか、気分屋すぎる。感情で重いことを言い過ぎな感じがあって、思慮深さが足りない。きっと途中でご本人が嘆いていた通り、「いい年だけど気付けば男なんてできないのよ!」という人間像を性格で表現した人なんでしょう。表情なんかたまにハッとするようなかわいらしさもあって、それが余計に「中身に問題あるのね」と思わせるようなキャラクター。

さらにキーパーソンの隣人・サイモンは、ゲイな上に半殺しに遭い、金は無いやら人生に絶望しているやら愛犬はなぜか変人のメルヴィンの方になつくわで踏んだり蹴ったり。

綺麗なタイトルなんてそんなのカンケーねー、小島よしおの上を行く濃いキャラたちでお送り致しております。

そもそもこんな登場人物がメインとなれば、感情移入なんて出来るはずもなく、いつまでもウダウダやってんじゃねーよと思いがちなところですが、その極端なキャラクターがコメディっぽい展開に生きていて、テンポの良さと極端な人たちの妙な混ざり合いが観ていて楽しい。

変に美男美女を主役に据えてリアリティを求めた大恋愛ですよ的に作りつつも実はそんな美男美女の周りにさらに美男美女しか出てこない現実なんてねーよアホかタコ野郎、みたいな映画とは一線を画した内容で、いわゆる「恋愛映画」という感じではなく、「コメディ含みの人間ドラマが最終的に恋愛に帰結する」ような映画でした。これが恋愛モノ嫌いの僕にはかなり観やすく、また面白かった。

それと、あくまでメインはメルヴィンとキャロルの恋愛ではあるんですが、でもこの映画を語る上で外せないのが、サイモンの存在。彼とメルヴィンの間に奇妙な友情が芽生え始めてから、話が俄然面白くなります。

メルヴィンとキャロルの関係性が近づいていくきっかけとなる旅もサイモンが発端だし、そこでサイモンとメルヴィンも、サイモンとキャロルもお近付き、でもサイモンはゲイだからありがちな三角関係にはなりませんよ、というのも面白い。

今更ですが、この「サイモンはゲイ」って設定、面白いですよね。観た人ならわかると思うんですが。この設定のおかげで、ちょっと他とは違った“接着剤”として作用しているのがイイ。

その「メルヴィンとサイモン」の友情の描かれ方も、愛犬という小道具をうまく利用してわざとらしくなく進む感じがまたウマイ。こういうのがなくて「恋愛のみ」どっぷりだったら、きっとこんなに楽しめなかったんじゃないかと思います。

普段は「そりゃお前だったらいくらでもナオン抱けるだろうよ」的な見方しかできないひねくれ野郎としても、メルヴィンの不器用さだったり、我が強くても背中を押してもらわないと動けない弱さだったり、共感できる部分も結構あって、そこがまた良かった。

もっとも僕はお金持ってないですけどね。フン。

タイトルに「恋愛」とありつつも一風変わった恋愛映画ですが、意外と笑ったりもできる映画なので、落ち込んでる時に観てもいいかも。普通に面白かったです。

このシーンがイイ!

愛犬家的に、犬様ご登場のシーンは外せないところではあります。我が家のお父さん犬(16歳)とちょっと似てて、そこがまたグッと来たりもしたんですが、でも一番良かったのは最後の方の夜、電話を受けた後のメルヴィンとサイモンの会話のシーン。

サイモンすげー良い事言うし。「いい友達になったなぁ」という感覚も良かった。

やーっぱこういう背中を押してくれる友達、「押してもらう相談」って大事だなぁとシミジミ思いましたねぇ…。

ココが○

2時間を超えるそこそこ長めの映画ではありますが、無駄なシーンってほとんどなかったんじゃないかなと思います。テンポも良くて飽きないし。見せ方うまいと思う。

ココが×

特に無いかなぁ。

二人の主人公の性格に難有り、っていうのはあるかもしれませんが、そこを無くしちゃうと逆につまらなくなりそうなので、こういうコメディっぽいドラマに仕上げるにはこれでいいような気がします。

MVA

もう本当に二人とも「それっぽい」感じで、ジャック・ニコルソンなんて本当にこの手の役をやらせたらカンペキですよね。プライベートこうなんじゃないの、って。二人ともアカデミー賞を受賞したらしいですが、それも納得の演技でした。

が、僕の選択はこの人。

グレッグ・キニア(サイモン役)

ゲイ画家。

いいねーグレッグ・キニア。劇中もっとも愛すべきキャラクターで、オン・オフの出し方がよかった。まだキャリアの始めの頃っぽいですが、よう主演二人と渡り合ってたな、と思いますねぇ。

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