映画レビュー1572 『デス・レース』
週に一度はステイサムを観よう運動継続中です。
デス・レース
ポール・W・S・アンダーソン
ポール・W・S・アンダーソン
ポール・W・S・アンダーソン
『デス・レース2000年』
ロバート・トム
チャールズ・B・グリフィス
イブ・メルキオール
ジェイソン・ステイサム
タイリース・ギブソン
イアン・マクシェーン
ナタリー・マルティネス
ジェイソン・クラーク
フレデリック・コーラー
ジェイコブ・バルガス
ジョアン・アレン
ポール・ハスリンジャー
2008年8月22日 アメリカ・カナダ
110分
アメリカ・ドイツ・イギリス
U-NEXT(Fire TV Stick・TV)

すごく頭の悪い設定が逆にいい。
- 妻殺しの濡れ衣を着せられ刑務所に収監されるステイサム
- しかしその刑務所はルール無用の「デス・レース」が開催されている刑務所だった…!
- お誂え向きに元レーサーのステイサムは所長に請われ、釈放をかけて出場を決める
- いい意味でとにかくひどく、ここまでやってくれれば笑うしかない
あらすじ
想像通りに超絶薄っぺらい映画でしたが、だからこその無駄な栄養をふんだんに浴びた気がします。
2012年(公開からたったの4年後)、アメリカは経済が崩壊し治安が激烈に悪化、刑務所の収容力が限界に達したため民間参入が認められることになりまして、民間運営=収益化ということで刑務所経営も先鋭化していき、結果「囚人たちによるなんでもありの武装車レース」をネット中継してウハウハという地獄のような社会になっております。
舞台となるターミナル島刑務所ではレースは3日間行われ、1日のオンライン観戦チケットが100ドル、3日のセットだと250ドルと50ドルもお得! これはもう3日間セットを買うしかないね!
さて今作のステイサムであるジェンセン(ジェイソン・ステイサム)は妻と娘の3人暮らし、もう結婚している設定の時点でちょっとおもろいなと思いつつ観ていたわけですが、勤務先の鉄工所が閉鎖の憂き目に遭い失業、次はどうするか…と考える間もなく妻が殺害されてしまい、おまけに気を失っていた間に凶器のナイフを握らされ逮捕。件の刑務所に収監という流れです。
そのターミナル島刑務所でのレースでは通称フランク(フランケンシュタイン)と呼ばれる仮面を被ったレーサーが大人気だったんですが、直前のレースで死亡してしまいまして、その件を隠している所長(ジョアン・アレン)によって「フランクのフリをしてレースに出てくれ」と依頼されます。
誰がそんなの受けるんじゃいと一旦断るジェンセンですが、なんでもこのレースは「5勝すれば釈放」というルールになっているらしく、おまけにフランクはあと1勝、つまり4勝した時点で死んでしまったわけです。
そのフランクになりすましてレースに勝てばそれだけでもう釈放だよという甘いお言葉…!
おまけにシャバに残してきた娘を別の夫婦に育てさせるぞと飴と鞭を駆使してジェンセンをレースに出させようと躍起です。
仕方なく飲んだジェンセン、ここに来て元レーサーというお誂え向きの情報も明かされ準備は万端、あとはレースに勝つだけ…なんだが…!
倫理観ゼロの皆殺しレース
カルト的人気を誇ると言われている1975年の映画「デス・レース2000年」のリメイク作品です。2000年ですが1975年の映画で、リメイクは2008年に作られ2012年を舞台にした映画になっています。ややこしいですわね。普通無印の方が先だと思うじゃん? そうではないという。
元となる「デス・レース2000年」は「競技中に一般市民を轢き殺せば年齢や性別に応じてポイントが加算される」という信じられないほどカオスなルールらしいんですが、今作はそう言った加点制ではなく「生き残る」のが最大の目的のレースになっております。
レースはシーズン(?)で3日間行われ、最終的に勝利した囚人に1ポイントが入り、5ポイントで釈放されるよと。いかにももう罠っぽさがプンプンじゃない…!
で、主人公であるジェイソン・ステイサムが「成り代わる」フランクはすでに4勝していたものの5勝目目前にして殺されてしまうんですが、要は彼がドル箱スター的な存在なので「死んだことは伏せてレースに参加させる」ことで一儲けを企むのが刑務所運営側=所長だよ、というお話です。
同時に娘を他人に渡すぞ的な脅しが効いて参加を決めるステイサムですが、どう考えたって勝たせてくれるはずがない構図になっていることに気付いているのか気付いていないのか、例の渋顔でレースに身を投じることになります。
問題のレースに参戦する車はすべて武装したカスタムカーで、武器や防御装置はそれぞれの陣営の自由な模様。ミサイル飛ばして吹っ飛んだときは声を出して笑いました。囚人なのにどこから調達してきてんだよとかいろいろ突っ込みどころはありますがこういう映画なので細かい(細かい?)ことは気にしないでいきましょう。
ただ武器は制限なしに使えるわけではなく、剣のマークを踏む(通過する)ことで使えるようになり、同様に防御装置は盾のマークを踏むことで使えるようになります。この辺ちょっとゲームっぽくて面白い。
ルールとしてはその程度で、あとはもう何をしようが自由です。普通に娯楽として世の中で中継されてはいますが、倫理とか社会通念とかは微塵も考慮せず、カメラの前で堂々と人を殺していくひどいコンテンツでゲラゲラ笑っちゃうこと必至ですね。この辺はちょっと「ガンズ・アキンボ」にも似たものがあります。
まーこの手の話なのでヘタに倫理観出されても困るし、やるだけやってバカバカしさに華を添えてもらったほうが楽しめるのは間違いありません。
一番ひどかったのは刑務所側が完全に囚人を殺しに来るところですね。一応「犯罪者を監督する」立場にいる自覚のようなものがあるのかなと思っていたらそんなものはまるでなく、なんなら率先して殺しに来るという。
もう運営側が誰を殺そうとか決めちゃったらレースにならないじゃん…! と思うんですがあまりそういう視点もなく、ただただひどい状況をゲラゲラ観ていく形です。なんなら火吹いてましたからね。
多少は…こう…手心と言いますか、嘘でも善人面してくれたら社会派の匂いが1%でもしたかもしれないんですが、まったくそんな素振りも見せないので潔いまでのクソ運営で清々しかったです。ステイサムの映画はそうでないとね、やっぱり。
リメイク元も観るぞ
なかなか面白かったんですが、なんというかバカバカしすぎて評価するのもプライドが許さない的な感があり、この辺の評価に落ち着いております。あまりにも共感と学びがなさすぎる。それはそれでいいんだけど。
リメイク元はもっとひどそうなのでこれはこれで観たい…と調べたらなんとこれもU-NEXTにあったので近々観ようと思います。U-NEXT、やるな…!
ただこの手の映画を連続で観ると確実にバカになる気がするのですぐに観るのもためらわれるし、かと言って間を置いたらこっちのことはすぐ忘れそうだしで悩んでおります。
もうすでにバカの可能性もあるんですけど。
このシーンがイイ!
ドレッドノートが暴れまくるシーンはめちゃくちゃ笑いましたね。ひどすぎる。
所長も「クソ!」じゃないのよ。
ココが○
現実味がなさすぎて逆にわかりやすいのはいいところでしょう。こう言ったらなんですがバカでも笑える映画です。
ココが×
まあアラを挙げだしたらキリがない映画ではあるので…。
っていうかこの映画で描かれた3日間みたいなレースしてたら速攻出場者いなくなるでしょ!?
もうちょっと生存率あげなさいよ。嘘でも。
MVA
こういう映画は誰でもいいっちゃいいんですけどね。この人にします。
イアン・マクシェーン(コーチ役)
ステイサムチームのメカニックリーダー。
我ながらチョロすぎて嫌になるんですが、この手のマッチョだらけな中で落ち着いたおじさんがいるとやっぱり味があっていいなと。
逆にメカニックもマッチョ揃いだともっと面白かったかもしれないとも思うんですが。
あとステイサム映画のヒロインって大体今作のようなゴージャス女子みたいな感じの人が多いのはなんでなんですかね!?
さすがにステイサムが選んでるとは思えませんが…。
なんかここにある種のステレオタイプ的なものを感じてしまうのは考えすぎでしょうか。
かわいかったしいいんですけどね。なんかいかにもな女子を配して「かわいいな」って言ってる時点で乗せられてる感じがして少し気に食わないというか。谷間に目が行っちゃって悔しい、みたいな。


