映画レビュー1581 『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』
スター・ウォーズはep7と9を許していないのでもういいかなと思っていたんですが、監督がジョン・ファヴローと聞いて俄然気になったので公開翌日の先週末土曜日に観に行ってきました。
でも本当はひつじ探偵団を観に行きたかったんだよ…もうちっさいスクリーンでしかやってなかったからこっちにしたんだ…。
スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー
ジョン・ファヴロー
デイヴ・フィローニ
ノア・クロア
ペドロ・パスカル
シガニー・ウィーバー
ジェレミー・アレン・ホワイト
スティーヴン・ブルーム
マーティン・スコセッシ
ジョニー・コイン
デイヴ・フィローニ
スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン
2026年5月22日 各国
132分
アメリカ
劇場(IMAX 2D)

真面目な上にこぢんまりとしている分、薄味のスター・ウォーズ感。
- 実写テレビドラマ「マンダロリアン」の映画版でドラマの続きを描いたもの
- 当然ドラマを観ていなくてもそれなりに楽しめはするが当然観ていた方が良さそう
- 全体的にあざとさが少ない、媚びていない感が強いスター・ウォーズなので好みは分かれそう
- 正史とはほぼ関係がないストーリーなのでそこもまた好みが分かれそうなポイント
あらすじ
全然悪くはなかったんですが、過去一レベルで記憶に残らなそうなスター・ウォーズシリーズ作品という印象で数年後には「あー、そういやマンダロリアンの映画もあったね」とか言ってそう。
銀河帝国が崩壊した後のお話。
しかし各地には帝国の残党が跋扈しており、新共和国サイドはその“残党狩り”のためにベテランの賞金稼ぎマンダロリアン(ペドロ・パスカル)に仕事を依頼しております。
次なる依頼は銀河一の犯罪集団の首領、ジャバ・ザ・ハットの跡目を継いだ双子の甥(と姪)からのもので、誘拐・監禁されているジャバ・ザ・ハットの息子であるロッタ・ザ・ハットを救出してきてほしいというもの。
ジャバ・ザ・ハット絡みは意図的に避けていたマンダロリアンですが、依頼の条件として新共和国が最も重要と見なしつつまったく情報がない帝国残党の情報をくれること、さらにハット・カルテルとの比較的良好な関係性も維持しておきたい新共和国の思惑、そして何より「報酬として整備した良い中古船やるよ」という条件によって受けることにしたマンダロリアン。
しかし現地に入るとどうも「監禁」とは程遠いような状況ですが…? あとはご覧ください。
お久しぶりね
ご存知スター・ウォーズシリーズ、直近がep9なので約7年ぶりの映画となります。ディズニーに移ってからは割と粗製乱造の気があったような気がしていましたがそうでもなかったんですね。意外とお久しぶり。ルミ子もお久しぶりねと言っております。大人になりすぎたルミ子が。(昭和)
ただスピンオフということもあってか、例のテーマ曲もかからなければオープニングのタイトルロールもスクロールしないという割と珍しいスター・ウォーズ。オープニングからちょっと肩透かし感はありました。
今作の主人公はタイトルのまま、マンダロリアンとグローグーです。
僕は連続ドラマの「マンダロリアン」は未見なので、これがはじめましてですがそれでもやはり映画なのであまり支障はなく、初見でも全然わかんねーなみたいなものは特にありませんでしたが、一方でさすがにスター・ウォーズの世界観ぐらいは知っておかないとまったく入ってこないであろうことも感じたので、この世界に触れたことがない人が完全初見で観て面白いかと言われると怪しい気はします。「ジャバ・ザ・ハットって誰だよ」とかそれぐらいになっちゃうと。なのであくまでも「スター・ウォーズを知っている人向け」の映画にはなっているでしょう。
クリーチャーが普通に生活している世界観はとてもスター・ウォーズしているので「この感じ懐かしいな〜」と思いつつ観ていましたが、一方で(個人的に)今までのスター・ウォーズシリーズに感じたアメリカンな会話だったりジョークだったりがほぼない作りなので、かなり真面目で硬派な作りに見えました。
それってジャー・ジャー・ビンクスがいるかいないかの違いだけじゃねーのかと言われればそうかもしれないと思いつつ、なんとなくそんな気がしたんですよね。軽口叩くやつがほぼ出てこないというか。ほとんどの会話がすごい真面目なんですよ。
あとグローグーはちっこいのでさすがにファンサ的にかわいさアピールする場面も若干ありましたが、それを含めてもかなり全体的に“媚びていない”作りのように見えて、今時珍しいぐらい遊びのない映画だなという印象。
それは基本的には好印象だったんですが、話自体もやっぱり正史と比べるとこぢんまりとしているのは否めないだけに、真面目×こぢんまりの相乗効果で「薄味のスター・ウォーズ」だな、というのが率直な感想です。
やっぱりどうしてもスター・ウォーズのスピンオフというと正史含めて最高傑作だった疑惑がある「ローグ・ワン」を思い出してしまうので、あの作りと比べても地味だしシリーズ上における評価が難しい一本だなと思います。独立しすぎているというか。それはつまりあってもなくても一緒という位置付けになってしまうわけで。
もうちょっと正史に繋がるような要素があっても良かったんじゃないかなと思うんですよね。まあ(公開時点では)正史の後の話なので繋げるのも難しい側面はあるだろうし、それこそローグ・ワンのようには行かないのもわかるんですが…。
だから逆に言えば、今後ep10以降が作られたときにマンダロリアン(とグローグー)も登場して初めてこの映画の価値が変わるのかもしれません。特にグローグーは見た通りにあのヨーダと同じ種族なのでいくらでもキーマン化できそうだし。
そうした諸々を踏まえれば、結局僕程度のファンとも言えない「とりあえず観てます」程度の人間にはあんまり響かないものなんでしょうね。
それこそディズニー+に加入して「マンダロリアン」も観ます! ぐらいのマニアか、それか逆に「マンダロリアン」から入った人であれば評価はまったく変わるかもしれません。
実際たまたま見たんですが「マンダロリアン」好きの配信者の方が「最高最高最高最高」と言っていたのでめちゃくちゃ良かったんだろうと思います。
決して悪くはないし、スター・ウォーズらしいアクションもところどころにあって楽しめた部分も多かったんですが、やっぱりスター・ウォーズと言えば政治的な要素も大きいと思っているタイプなので、そっち方面の要素がまるでないスター・ウォーズは薄味に感じられちゃって「まあまあだったね」といった感じでしょうか。
ファンならGO、そうでないならどちらでも
ということで「ファンなら観たほうが良いだろうしそうでもないなら別に良いかも」という誰もが知ってるわ的なまとめになって大変申し訳ない限りです。
ただこれ難しいのが、どうせ配信に来るにしてもディズニー+限定なのはほぼ間違いないので、ディズニー+に入っていない人は「マンダロリアン知らないしじゃあ観に行かなくてもいいか」と思って観に行かないと一生観る機会がやってこない問題なんですよね。いつか加入するなら別ですが、そのつもりがない人にとっては永遠に見知らぬキャラクターのままでやがてやってくる(かもしれない)ep10が来たら「一応正史だし」と観に行ったものの「誰だコイツ」となってしまう、という。
しょうがないんですけどね。やっぱり独占配信って結果的に客を狭めてるような気がしてなんだかなと思います。
まあもうそういう商売でやっていきますよ、という宣言なのかもしれませんが…。
マーベルも同様の問題を抱えているだけに、両方とも徐々に遠いコンテンツになっていってしまいそうでちょっと寂しいですね。
このシーンがイイ!
オープニングでグローグーが急げ急げってコンコンコンコンするのかわいかった。
結局予告編でも流れてた、あの最初のでっかいFF13に出てきそうな亀風マシンが倒れて落ちていくシーンが一番の見どころだったかも。でかいものが壊れていくロマン。
あと水の中でのバトルも迫力あってよかったですね。
ココが○
真面目な作りは良かったと思います。媚びていない感じは好き。
ココが×
やはり話の規模が小さいのが残念。上に書いたように「(スター・ウォーズの歴史上)あってもなくても一緒」の話になっているのが本当にもったいないんですが、そうせざるを得ない部分もあるので難しいところ。
逆に「あってもなくても一緒」なのであれば、もっとすごいやらかしてくれても良かったような気もします。盛大に宇宙を巻き込んでね。
この辺詳しくはないですが人気連載マンガのアニメ映画(ONEPIECEとか)でも同じような問題はありそうですね。
MVA
結局「人間が演じている」主要キャラは2人程度なので自ずとこの人になります。
ペドロ・パスカル(マンダロリアン役)
主人公。
正直ちょっと「新しく登場した主人公」としては歳を取りすぎな気はするんですが、一応ベテラン賞金稼ぎという設定らしいのでまあいいでしょう。
全編通してほぼマスクを被っているので果たしてどこからどこまでペドロ・パスカルだったのかわかりません。
わかりませんが、やたら強いので単純に良かったねといったところです。
気持ち的にはロッタなんですが彼はナメクジの派生みたいなものなのでね…。
あともうここ15年単位でことごとく悪役ばっかりな気がするシガニー・ウィーバーが久しぶりに善人役だったので心底良かったねと思いました。もはや年齢的にはおばあちゃんですが、悪役ばっかりなおばあちゃんはなかなか辛いと思うので…。

