映画レビュー1564 『ワイルドカード』

マイリスを充実させようとU-NEXTの品揃えをポチポチ見ているんですが一向に終わりが見えず、やたら目に入るのはステイサム…ということで今年はステイサムイヤーになるかもしれません。

ワイルドカード

Wild Card
監督

サイモン・ウェスト

脚本
原作

『Heat』
ウィリアム・ゴールドマン

出演

ジェイソン・ステイサム
マイケル・アンガラノ
ドミニク・ガルシア=ロリド
マイロ・ヴィンティミリア
ホープ・デイヴィス
アン・ヘッシュ
スタンリー・トゥッチ

音楽
公開

2015年1月14日 フランス

上映時間

92分

製作国

アメリカ

視聴環境

U-NEXT(Fire TV Stick・TV)

ワイルドカード

こぢんまりしてはいるものの悪くない。

7.0
ラスベガスの用心棒、元恋人の復讐を手伝ったら追われることに
  • 元恋人がイタリアマフィアの跡取り息子に暴行され、渋々復讐を手伝う
  • 当然のように追われるので逃げるための費用を作ろうとカジノへ行くが…
  • ここ10年程度の映画にしては珍しいぐらい話が膨らまない
  • 一方でそこに味があるのも確か

あらすじ

ちょっと変わったタイプの映画かなと思います。とりあえず笑えるステイサムではなく割と普通の話でした。

ラスベガスで用心棒として生活するニック(ジェイソン・ステイサム)、ある日元恋人(らしい)のホリー(ドミニク・ガルシア=ロリド)から会いたいと連絡を受け会いに行くと、怪我の跡が生々しい状態で訳アリ感抜群です。
彼女が言うにはたまたまホテルのエレベーターで鉢合わせた男に部屋へ連れて行かれ、暴行を受けて病院の前で捨てられた、とのこと。
持ち帰って調査した結果、男はイタリアマフィアの跡取り息子・ダニー(マイロ・ヴィンティミリア)と判明しますがいかにもヤバい相手なので一度はホリーに「わからなかった」と告げるものの、なんやかんや言われ結局彼女の復讐を手伝う形に。
1人ダニーの部屋へ乗り込んで手下を片付け、ダニー本人もなんか投げたらすぐに気を失う激弱くんだったために拘束成功、無事ホリーの復讐は済んだ上にダニーから奪った5万ドルを山分けし、ホリーはそのままラスベガスからグッバイ。
一方のニックは山分けしたお金を元手にブラックジャックで稼いでセミリタイア資金を作ろうと目論みますが…あとはご覧ください。

世間的な評価は低めなものの

今作は「ベガス地元民の用心棒ステイサム」ということで、例によって超強いのは変わらないんですが性格的にはやや一般的、珍しく笑顔も見せます。ステイサムが笑ってるの初めて見たかもしれない…!
最初の元カノ(劇中では元カノって話も出てこなかった気がするけどWikipedia情報)の復讐を一旦断って「殺されるからやりたくない」的なことを言ってる辺りも他のステイサムからすると少し異端ですね。
とは言えいつものステイサムから大きく逸脱するようなキャラでもなく、やるとなったらきっちりやって負ける素振りも見せないし、まあ至って通常運転のステイサムですよ。結局ね。
ネット上での評価もU-NEXTで表示される評価上も結構微妙なポジションなので、ステイサムファンからすれば微妙な映画なんだろうと思われます。そしてその気持ちもよくわかります。
すごいこぢんまりとした話なんですよね。
例えば最初の「元カノの復讐」は成功裏に終わりますが、当然そのまま終わるはずがない…おまけにわざわざ「イタリアマフィアの跡取り息子」とまで説明が入るので、こりゃあマフィアのボスが出てきて「イコライザー」みたいな展開になるんやろな…! と思っていたんですがそんなこともなく、最初から最後までラスベガス内での内輪もめで終わります。相手も小物だしステイサム自身も(例によって何らかのバックボーンはあるんでしょうが)「やたら強い一般人」でしかありません。
で、ラスベガスが舞台ということもあってギャンブルに興じる場面が結構長めに登場するんですよね。
「はよ切り上げてさっさと逃げろや」と思いながら観ていたんですが、全然逃げる気配もなくただただギャンブルやって「ツキが重いぜ…!」とかドヤってるんですよ。
なんだこれ、と思いながら観ていましたが、しかし最終的にはこれが逆にいいんだなという結論に至りました。
要はこれ、「ステイサムがいつも通り悪をなぎ倒していく」ような外側へ向けた話ではなく、「ニックという男が実はこういう男でどういう人生を送ろうとしているのか」を紐解いていく、内側を描いた映画なんだろうと思います。
その触媒のようなポジションとして出てくるのが、最初にニックに仕事をオファーした若い男子サイラスくんということなんでしょう。
このサイラスくんのキャラクターがすごく良いなと思いましたね。最初どういう必要があって出てきたのか不思議だったんですけど。
正直見ようによっては「物語のために都合よく生み出された存在」でしかないんですが、まあそんなこと言ったら創作物全部そうじゃんとも言えるのでその指摘は置いといて、やっぱり長年ラスベガスでくすぶってた男が1人の依頼人との化学反応で道を見つける…というのはいわゆる“自分探し”的なストーリーとしてありがちとは言え悪くないんじゃないかなと思います。ましてやそれがステイサムとくれば。
ただ強いだけの男がただ敵を倒していくだけではなく、自己を見つめ直して今までの生活に区切りをつける話として観ればそんなに悪くないと思ったんですよね。
むしろただただ様式美の中に当てはめられた幾多のステイサム映画と比べれば、ほんの少しでも自分に投影できる何かがある気がして、その一点だけでも実は他のステイサム映画よりも価値が高いのかもしれません。
その「自分に投影できるかもしれない」、等身大の感覚が他のステイサム映画とは少し違ったポジションに感じさせる面は間違いなくあったでしょう。

時間潰し的に

とは言えやっぱり敵が敵(小物)なのでイマイチ感を訴えたくなるのもよくわかるので「言うほど悪くはないけどそれなり」程度の評価に落ち着いてしまうのもやむを得ません。強いて言うなら最後のバトルの顔ぶれがちょっと違えばよかったかもと思いますが、まあ結果は変わらないのであんまり関係ないかもしれません。
僕は30年前(もうそんなに経つのか…)に行って以来のラスベガス好きなので、舞台がラスベガスなだけでもちょっと評価が甘くなる面もあります。
それでもまあ90分程度でちょろっと時間潰し的に観るなら悪くない選択ではないでしょうか。

このシーンがイイ!

スタンリー・トゥッチ(髪があるバージョン)が出てくるシーンは良かったですね。大物感あって。もうちょっと見たかったけどあのチョイ役でもきっちり印象を残す辺りさすが。

ココが○

上に書いた通り、サイラスくんの存在と役割でしょうか。
なかなか面白い存在だったと思います。

ココが×

やっぱり話の規模的にこぢんまりしているので…1話完結の連続ドラマの中の1本、って感じ。

MVA

ステイサムは相変わらず、スタンリー・トゥッチはちょっとしか出てこない…となるとやっぱりこの人でしょうか。

マイケル・アンガラノ(サイラス・キニック役)

最初にニックに仕事を依頼しに来た若者。
すごい普通っぽいのも良かったですね。なんか役者感がないというか。
そう見せるだけの演技も良かったと思います。

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