映画レビュー1506 『ビーキーパー』
タイッツーでやたらとマッコールさんに言及する方がこの映画にもしょっちゅう言及しているので、そこまで言うなら観てやるか的にチョイス。
まあいつか観ようかなとは思ってたんですが。
ビーキーパー
ジェイソン・ステイサム
エミー・レイヴァー=ランプマン
ジョシュ・ハッチャーソン
ボビー・ナデリ
フィリシア・ラシャド
ジェレミー・アイアンズ
デヴィッド・サーディ
ジャレド・マイケル・フライ
2024年1月12日 アメリカ
105分
アメリカ
Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)

シンプルステイサム映画。
- 謎めいた養蜂家のおっさんに優しくしてくれた叔母ちゃんがフィッシング詐欺に引っかかって自殺
- 「叔母ちゃんから金を騙し取った連中は地獄の果てまで追いかけてやる」それだけの映画
- ステイサムがステイサムらしく無双するのみのシンプルステイサム
- 内容すぐ忘れそう
あらすじ
観る前に予想していた感じそのままの映画過ぎて笑っちゃうぐらいのシンプルステイサムでした。(ゲームのSIMPLE1500的なイメージ)
養蜂家のアダム・クレイ(ジェイソン・ステイサム)はどうも訳アリっぽい雰囲気ですが、口数少ない養蜂家として片田舎のとある家の納屋を借りていて、その貸主であるエロイーズ(フィリシア・ラシャド)には恩義を感じているようです。
彼女にお食事に誘われ、採れたての蜂蜜を持ってお伺いするとすでに彼女は銃を手に死亡しており、後から駆けつけた彼女の娘でFBI捜査官のヴェローナ(エミー・レイヴァー=ランプマン)に逮捕されてしまいます。
実はエロイーズはその直前、PCがよくある「ウイルスに感染されました」的なポップアップからの詐欺に引っかかったことで理事を務める慈善団体の資金を奪われてしまい、それを苦に自殺したのでした。
すぐに釈放されたアダムですが、エロイーズの自殺の裏に詐欺があると知り、独自に一人で“復讐”を開始します。
残念ながらステイサムは主人公、この時点で詐欺集団の敗北は決定しているわけですが…!
笑って観ていいのか問題
タイトルの「ビーキーパー」はそのまま養蜂家、つまり主人公の従事するお仕事のことなんですが…実は彼は元々「ビーキーパー」と呼ばれる特殊工作員だったよ、というお話。
つまり元々「ビーキーパー」だったのが引退して「ビーキーパー」を始めた人物ということになりますが、何もそのまま養蜂家にならなくても良くない…? っていう。畑違いも甚だしいです。
もうこの時点でちょっと笑っちゃったんですが、例によってステイサムの映画は笑っていいのかマジなのか僕もいまだによくわかっていないのであまり大っぴらに笑わず観るようにしたのがストレスだったとかなんとかいう噂です。
話はもう本当に超シンプルで、世話になった恩人が自殺してしまい、その原因を作った詐欺集団に単身カチコミをかける超強い主人公の姿を観ていくだけ、の映画です。
ご丁寧に被害者の娘がFBI捜査官で捜査も進んでいる…割には特に急ぐこともなくバッタバッタと人を殺しビルを爆破していく節操の無さもまた笑っちゃうわけですが。普通早々に捕まるであんなの。
まあその辺は「ステイサムの映画だし」で大目に見るべきポイントなので特に気にせず観ていましたが、とにかくステイサムが一人強すぎて特段ピンチもなく詐欺集団を手にかけていく“だけ”の映画なので、もうこれほどまで頭を使わない映画も珍しいな、というぐらいにまったく頭を使う必要がない、シューティングゲームを観ているような感覚に陥る映画でした。あ、避けたね、当たったね、で2時間弱と。
なにせ「イコライザー」が大好きな人が何度も言及していただけに、あれみたいな味わいがあるのかなと思って観たもののまったく無くてびっくりするぐらい薄い映画でしたが、それはそれでアリというか…ステイサムがやるとこうなるのかな、という感じ。
デンゼルがやると哲学的になるけどステイサムがやるとお笑いになる、みたいな。ジャンルの違いです。
詐欺集団のボスは若いチャラ男だし、その部下となる警備主任は重鎮ジェレミー・アイアンズですが彼自身は爺さんでモブの指揮官でしかないだけに直接対決を望むべくもなく、つまりはステイサムに障壁がほぼないだけに余計に「ひたすらステイサムが強い」映像を観ていくだけになっていくのが見どころであり残念でもあり、といったところ。
これでジェレミー・アイアンズがめちゃくちゃ強い、とかだとちょっと「トワイライト・ウォリアーズ」みたいになって面白そうなんですけどね。どいつもこいつも超強いじゃん、みたいな。
FBIの存在も正直必要なのかわからないぐらいに微妙だったし、もう「ステイサムのPV」と言っちゃってもいいんじゃないでしょうか。
様式美なのか?
僕みたいにたまにステイサムを観るぐらいの人間にとっては「変わらんな〜w」で楽しめるんですが、ステイサムばっかり観ている人にとっては「またこのパターンなの!?」ってならないんでしょうか。
むしろラブコメ時代のおヒューのように「これこれぇ待ってました!」って感じで様式美になってるのかな…。
いずれにしてもそれなりに好評だったようで、続編も決定しているようです。
次もほぼ確実に同じような映画になるんだろうなと思いますが、それでもなんとなく観たいのはステイサムの魅力なのか、はたまた映画を観るにも楽をしたい自分の堕落した性格故なのか…本当のところはわかりません。
まあたまにはこういう映画も必要だよね、といつも言っているような気がするコメントで終わりにしましょう。
このシーンがイイ!
やっぱり直接エロイーズを騙した男をどう料理するのかが一番の注目ポイントだと思うので、彼のこらしめ方が一番の見どころだったかなと。わざわざそこまですることあるか、って感じで良かったです。
それとビーキーパーの後任者が狂ってる&あっさりグッバイするのも割と好き。超モブでした。
ココが○
最強なので気付いたら敵の真ん中にいるし正面から乗り込むしでとにかく小細工しないところはいいですね。真っ向勝負のストロングスタイル。
ココが×
もう観る前からわかりきった内容の映画なので、意外性という意味では0点です。ここまで事前の予想と実際の鑑賞にギャップがない映画も珍しい。
MVA
今回ちょっと気になった方が一人いらっしゃったのでこちらの方に。
ボビー・ナデリ(マット・ワイリー役)
FBI捜査官で、エロイーズの娘ヴェローナの相方。
脇役も脇役で目立たない役なんですが、途中で急に「この人大泉洋っぽいな…」と思ったらもう大泉洋にしか見えないレベルで大泉洋でした。なんか雰囲気が。
ちょっと他の映画でも気になるぞ、ということで。


