映画レビュー1513 『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

続けて観てきたインディ・ジョーンズシリーズですが、最新作は少し前に劇場で観てきてレビュー済みなので今回のこれが最後になります。
これもまた当時劇場で観てかなりがっかりした記憶があるので観なくても良いかなと思ったんですが、時が経って観ると違うかもしれないし、ということで…。

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull
監督
脚本
原案
原作(キャラクター創造)

ジョージ・ルーカス
フィリップ・カウフマン

出演
音楽
公開

2008年5月22日 アメリカ

上映時間

122分

製作国

アメリカ

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

意外と面白かった。

7.5
「母を助けてくれ!」と謎の青年に頼まれ、向かった先に待つものは
  • 謎の青年の義父はインディの旧友で、彼の手紙をヒントにその足跡をたどる
  • 過去作の要素も入れ込みつつ、新たな存在で新風を吹き込もうとするもやや失敗
  • しかし時代に合わせて映像はリッチになり、シリーズらしい面白さは健在
  • 敵役がケイト姉さんのため大物感漂うのも◎

あらすじ

前述の通り公開当時はかなりボロクソに文句を言った記憶があるんですが、その記憶でハードルが下がっていたせいなのか…「いや全然アリじゃない?」と寛容に楽しめました。ただ単に歳かも。

今作の悪役、イリーナ(ケイト・ブランシェット)とインディアナ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)の顔見せ的ないざこざがご紹介ムービー的に展開した後──
赤狩りの嵐が吹き荒れるアメリカで、仲間のマック(レイ・ウィンストン)の裏切りによって“対象者”とみなされてしまったインディは大学を無期限休職の処分を受け、失意の中出国しようと列車に乗ったところでバイクに跨ったヤンチャな兄ちゃんマット(シャイア・ラブーフ)が追いかけてきて「母親を助けてくれ!」と引き止められます。
諸々かいつまむと、マットの母親が「インディに助けを求めるように」言伝していたこと、マットの義父はインディの旧友のオックス(ジョン・ハート)で、そのオックスの書いたいかにも謎解きが込められているような手紙を持参してきたことからインディはマットと同行することを了承(暇だしね)、手紙を手がかりにオックスが見つけたとされる「クリスタル・スカル」を発見します。
しかしその直後にソ連軍に捕らえられてしまい、オープニングでご挨拶済のイリーナや、旧友のオックス、そしてマットの母親と主要人物が一同に介する形となりますが…あとはご覧ください。

シリーズの文脈を踏まえれば妥当な作り

最後の聖戦」から19年ぶりに公開されたシリーズ4作目ですが、すでにこの映画からも17年が経っていて時の流れの早さに愕然としますね。前作も今作も劇場で観てる俺は一体何歳なんだよ…みたいな。ちなみにこの次の作品である「運命のダイヤル」は今作から15年後の2023年公開です。そしてこれも劇場で観ている俺は一体何歳なんだよ…みたいな。
しかし観ている側が歳を取っていれば当然出ている側も歳を取っているわけで、授業中に求愛されるぐらいのイケメン教授だったインディも今や(と言っても17年前だけど)立派な爺となり、授業も以前のような熱は感じられません。寂しいもんだ。

さて、そんな17年前の映画に今更ネタバレ配慮も何もないとは思いますが、一応初めて観る方のために(どう考えても予想はつくと思うけど)マットとその母親については言及しないでおきましょう。一応ね。
ちなみに旧友のオックスは初期の設定ではヘンリー・ジョーンズだったそうで、すでに俳優業を引退していたショーン・コネリーもかなり悩みつつ「前作ほど重要な役割ではない」とのことで辞退、結果ヘンリーは亡くなっている設定になっています。
元々の構想がどうだったのかは知る由もありませんが、オックスは精神病を患っているとの設定なのでこの役をショーン・コネリーが、そしてヘンリー・ジョーンズがやっているのを観るのはちょっと悲しいものがあるし、これはこれで良かったんだろうと思います。言うて代わりのオックス役だって名優、ジョン・ハートですからね。
そして(今振り返ると)今作の一番の見どころはやはり敵役がケイト・ブランシェット姉さんという点でしょう。ようこんな役やったな、と感じるようなステレオタイプなソ連軍人の悪役なんですが、なにせお綺麗なので役がチープでも絵になってしまうというのはさすがの一言。
公開当時はまだケイト・ブランシェットの良さも価値も美しさも理解していなかった若造だったため、改めて観て贅沢な映画だったんだなぁと気付きました。

公開当時に酷評したのは、端的に言えばオチを観て「ただのオカルト(≒何でもあり)じゃねーか!」と思ったからなんですが、今回改めて1作目から順番に観てきた結果、感想としては「このシリーズずっとオカルトじゃねーか!」なので特段今作に限ったことではなかったんだな、ごめんな、と。
むしろオカルト要素は(オチを除けば)少ないぐらいな気がしたので、「あれ? 思ってたより面白いぞ?」と悲しい別れから17年の時を経て和解に至りましたよと。
オチについては今も思うところはいろいろあるものの、とは言え結局ファンタジーアドベンチャーなんだし、これぐらいぶっ飛んだ話でも良いんじゃないかなと思うんですよね。僕が歳を取って丸くなったせいもあるんでしょう。
ついでに言えばこの次の「運命のダイヤル」も相当なトンデモ展開だし、むしろあれを観たあとだとかわいいぐらいに思えました。
で、そういう荒唐無稽なオカルトアドベンチャーこそこのシリーズの真髄なんだろうと全部観直して思ったわけですよ。むしろ初見時の批判こそ「わかってねーな」と。
なにせスピルバーグとルーカスの御大2人が築いたシリーズですからね。そんなことは百も承知なんでしょう。
彼らもこんな話にリアリティを持たせようなんて思っていなくて、ぶっ飛んだ明るいオカルトムービーで楽しくやろうや的に作ったんじゃないかなと。
その意味では賛否両論だったこの作品もしっかり目標を達成していると思うし、初見時よりも全然悪くなかったんですよね。
当時は当たり前ですが同時期の他の映画と比べて評価していたと思うんですが、今回はシリーズとして過去作と比較して観たこともあって、だいぶ映像表現的にもレベルが上がってきていることが実感できたし、それこそ(不満タラタラだった)オチの見せ場に関してもむしろ「なかなか迫力とスピード感があって悪くないぞ」と再評価するような面もあって、言ってみればシリーズの“文脈”を理解した上で観ればこれはこれで納得できる作品だったのかな、と。
それと当時不満を感じた大きな矛先はもう一点あったんですが、それについても(一応ネタバレで伏せますが)次作が公開されたために解消されていることがわかっているのも大きかったかもしれません。

立ち位置が面白い映画

ということでいろいろツラツラ書きましたが、一言で言えば「全然悪くなかったよ」ってところですね。
おそらく公開当時に採点していたら5.0点とかその程度だったと思うので、今回大幅加点となりました。
甘いねとも思いますが、まあ観ている自分がそれなりに楽しめたんだから逆に観直して良かったと思います。
人生経験によって評価が変わることはよくありますが、そういう要素が一切ないのに評価が変わるのは割と珍しいので、これはこれで結構貴重な経験でした。

シリーズの総評としては、最後まで一貫して“ハマる”感覚はなかったんですが、それでも娯楽映画としてなかなか他にないポジションを確立している、実は立ち位置が面白いシリーズなのかなという気がしましたね。
ファンタジーアドベンチャーなんて他に思いつかないですからね。
それだけやっぱり新たな道を切り開いたシリーズだった、ということなんでしょう。きっと。

クリスタル・スカルのネタバレ

そのまんまなタイトルですが。

伏せるほどでもないですが、マットの母親が「レイダース」のヒロインで、マットはインディの息子だった…という話なわけですが、当時は少なくない人たちに「わざわざ息子を出した以上主人公を変えてシリーズ継続を狙っているのでは」と思われていたわけですよ。
で、そのキャスティングがシャイア・ラブーフだった、ということで当時も不満が強かったんですよね。問題児として有名だし。
ただ問題児だったせいなのか、はたまた今作があまり評価されなかったせいなのかはわかりませんが、「運命のダイヤル」によって「主人公代替え構想」は無くなったものとわかり、安堵したと同時に「二代目襲名作品ではなかった」ことで許せるようになった、というのが僕の中での評価の一部です。
これでこのままシャイア・ラブーフによる新しいシリーズに引き継がれていたら、もちろんその出来にもよりますが今作の評価も引きずられてもっと悪かった可能性も十分にあります。「この作品のせいでこうなったんだぞ」みたいな。わかりやすい例えとしては「特捜部Q」のような扱いになるんじゃないですかね。自分の中で。
それがなされなかったので「まあええじゃないか」みたいな。ええじゃないか運動ですよ。

一方で今作のエンディングを観ていると、帽子がマットの足元に転がって彼へ引き継がれる…ように見せかけてインディが拾って「まだまだ俺が主人公だぜ」で終わっているので、当初から引き継ぎ構想はなかったのかもしれません。
あとから振り返るとそういうところでいろいろ考えられる箇所があるのは面白いところですね。

このシーンがイイ!

どうでもいいシーンですが、序盤のレストラン的なところから逃げ出す乱闘シーンがいかにもこのシリーズっぽくて好きですね。

ココが○

まあ内容云々は置いといて、長年眠っていたシリーズなので改めて作ってくれただけで良しですよ。

ココが×

オチについては今も別に手放しで褒めたくなるようなものでもないし、「許せる」ようになっただけで良いとも思ってはいません。
ただ荒唐無稽なようでオープニングで一応その布石を感じさせるようなところもあるし、当時の自分の観方が浅かったことも否めません。

MVA

ぶっちゃけ誰でもいいっちゃいいんですが、一応この人でしょう。

ケイト・ブランシェット(イリーナ・スパルコ役)

今作のヴィラン。インディを追うソ連軍人。
いやーほんとケイト・ブランシェットの無駄遣いって言ったらアレですが、これだけの名優にこんな役をやらせるのは非常にもったいないんですが今思うとそこが贅沢でいいなと。
当然ですが今よりも若くお綺麗で、この人の配下になれるならソ連軍に入ってもいい男子爆増との噂です。
かなりシリアスで怖い人ですが、ちょっとこのシリーズのノリに合わせたコメディ感を織り交ぜてくる辺りもさすがにお上手。

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