映画レビュー1515 『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』

お盆レンタル2本目。
あの「スパイナル・タップ」の流れを汲む爆笑音楽コメディとかなんとか聞いていたのでいつか観たいと思っていたらすでに続編まで公開されてしまったという。

ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!

Hevi reissue
監督

ユーソ・ラーティオ
ユッカ・ビドゥグレン

脚本

ユーソ・ラーティオ
ユッカ・ビドゥグレン
アレクシ・プラネン
ヤリ・ランタラ

出演

ヨハンネス・ホロパイネン
ミンカ・クーストネン
アンティ・ヘイッキネン
マックス・オバスカ
サムリ・ヤスキーオ
チケ・オハンウェ
ビッレ・ティーホネン
カイ・レヒティネン
マッティ・シュルヤ
ルーン・タムティ

音楽

ラウリ・ポラー
ミカ・ラマサーリ

公開

2018年3月9日 フィンランド

上映時間

92分

製作国

フィンランド・ノルウェー・ベルギー

視聴環境

レンタルDVD(TSUTAYA DISCAS)

ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!

想像以上にひどくて最高。

8.5
結成12年、いまだ練習するだけのコピーメタルバンドがいよいよ地下室を出るぞ…の気分
  • オリジナルなし、コピーだけで12年が経った地下室で練習するだけバンド
  • ひょんなことからオリジナル曲に手を出し、さらにフェスの関係者とのコネも出来て…?
  • 前半はご紹介、後半は開き直ったかのようなコメディっぷりが最高
  • この手のコメディ好きなら楽しめる…に違いない

あらすじ

期待通りに面白かったです。こういうの大好きなんでね…。

フィンランドのとある田舎の村。
ロン毛でうろついてるだけで「オカマ野郎」と今の時代では考えられないぐらいに幼稚な煽りを食らう男、トゥロ(ヨハンネス・ホロパイネン)は「終末シンフォニックトナカイ粉砕反キリスト戦争推進メタルバンド」のボーカルとして、今日もメンバーの1人の自宅兼スタジオの地下室にこもって練習に励みます。
彼らは結成12年のそこそこ長い歴史を持つバンドですが、12年もの間コピーのみでオリジナル楽曲は持たず、もっと言えばバンド名すら決まっていません。
「いい加減そろそろ人前でやらないとダメじゃないか?」ということでバンド名を「インペイルド・レクタム(直腸陥没)」に決め、(屠殺したトナカイが機械に詰まって)偶然生まれたフレーズを元にオリジナル曲も作成、さらに偶然やって来たフェスの関係者にデモテープを渡して「俺たちこれでフェスデビューだぜ!」と大はしゃぎ、地元の人達も手のひらを返したように応援ムードになりますが、まあもちろんそうそううまくは行かないわけで…あとはご覧ください。

わかりやすく面白い

メタルバンドのコメディ。
メタル=斜に構えた怖い人たちがやってるんじゃないか…みたいな先入観を利用した「普通の兄ちゃんだぜ」のギャップで笑える、みたいな定番の部分もしっかり押さえつつ、後半はもうとにかくひどい展開で「これ何の時間だよwww」みたいなシーンも存分に味あわせてくれる良コメディです。
序盤〜中盤はメンバー紹介的な感じでそれぞれの日常を描いていき、ちょくちょく面白くはあるものの「意外とメタルバンドの人たちもこうして本業がありつつ世に出てきたんだろうな〜」とのほほんと観ていたんですが、とある展開を境に開き直ったかのようなひどさで一気にスピードアップしてくる辺りがなかなか巧みです。
一応ご多分に漏れず主人公のほんのり恋愛要素的なものもあるんですが、そのエピソードすらライバル役のひどさを際立たせるためのネタ程度のものであんまりそっちに行かないのも好印象。
あんまり北欧の映画でこういうコメディって観た記憶がないので、その意味でも結構新鮮でした。

一応比較して語られることが多い(気がする)「スパイナル・タップ」と比べると、同じ音楽(バンド)コメディとは言え毛色は結構違っていて、「スパイナル・タップ」はモキュメンタリーらしいシュールな笑いが最高だったんですが、こちらはもっとストレートに笑わせにくるコメディという感じで潔いしその分万人受けする気がします。ちょっとだけ「スパイナル・タップ」の方がハイコンテクストというか。(そんな高尚なものじゃないけど)
「スパイナル・タップ」は「何が面白いのかさっぱり」という人がいても不思議じゃないかなとは思うんですが、こっちはわかりやすく笑わせにくるのであんまりそう感じる人がいなさそうだな、と。もちろんその笑いに対しての好き嫌いはあるとは思いますが。(ゲロ吐いてるのは不快でダメ、とか)
僕はもうこの手の映画は大好きなので非常に楽しませてもらいましたね。ゲラゲラ笑いました。
またメタルバンドということもあって「…それメタルじゃねえか!」で何でもアリにさせられるのが非常にズルい。「それロックだね」で何でも受け入れられちゃうあの感じと一緒です。
結構犯罪スレスレ…というかまんま犯罪だったりすることも「若さとメタルの勢いでオッケー」みたいなバカっぽい価値観で押し通せるので割となんとでもなっちゃうという。そこがまたズルいし面白いです。

続編も期待

ということであとはご覧いただければと思いますよ。ええ。あーだこーだ言う映画でもないですからね。
好評だったのは続編が作られたことからもわかると思います。こんな一発屋みたいな映画なのに…!
ちなみに「スパイナル・タップ」の方も続編がもうじき公開とのことで、音楽コメディブーム来たか!? いや来てないね絶対。
どっちの続編も楽しみです。頼むぜ。(何を)

このシーンがイイ!

後半の旨味は書かずに取っておくとして、一瞬のシーンだけどドラムのユンキがトラックに突っ込むシーンが最高でした。そうはならんやろ、っていう。
っていうかユンキ、いろいろおかしい。

ココが○

コメディ的な面白さは当然なので置いとくとして、何と言っても個々のメンバーがそれぞれいい奴っぽいのがいいですよね。やっぱり。
特に主人公のトゥロは介護施設で働いてるしいい奴っぽさがすごい。

ココが×

笑いについては好みもあるので観てもらうしかないんですが、事前に言えることとしては品がないのは確かです。
それとそういう職業(という設定)なので仕方ないとは言え、トナカイの加工シーンなんかもあるのでちょいグロかったりもします。

MVA

主人公の彼も繊細な感じがお上手でしたが、コメディ的にこの方かなと。

アンティ・ヘイッキネン(ユンキ役)

ドラマー。ちょっとぽっちゃりなのもなんかそれっぽい。
出番はちょっと少なめなんですが、トラックに突っ込むシーンといいなかなかいい味出してたし、何と言っても彼の顛末がコメディすぎて爆笑したので選ばずにはいられませんでした。
もろすぎる、ユンキ。

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