映画レビュー0269 『ブラインドサイト ~小さな登山者たち~』

オビ湾兄さんの大人気ブログ「カジノロワイヤル」でもご紹介されていましたが、ついこの前、3DSで「カルチョビット」っつーサッカー育成シミュレーション的なソフトが出まして。

あのダビスタのパリティビットが作ったってことでかなりやってみたいんですが、3DSは持っていないという…! 3DS LL欲しいなぁ…。

我が家の近くのドンキホーテが長崎屋だった頃は、ゲーム関係売り場としては知る人ぞ知るかなりの穴場で、どこに行っても売り切れてるゲームが普通に売ってたりしたんですが、さすがにドンキになっちゃった以上はそうも行かないだろうし、誰かください。(いきなりのひどいたかりで終了)

ブラインドサイト 〜小さな登山者たち〜

Blindsight
監督
ルーシー・ウォーカー
出演
サブリエ・テンバーケン
エリック・ヴァイエンマイヤー
音楽
ニティン・サウニー
公開
2007年7月18日 日本
上映時間
104分
製作国
イギリス

ブラインドサイト ~小さな登山者たち~

チベットの盲学校の先生と生徒たちが、盲目のアメリカ人登山家エリック・ヴァイエンマイヤーたちとともに標高7000メートルのラクパリ山頂を目指すドキュメンタリー。

受け止め切れない重さ。

6.0

余談ですがなぜか一般公開は日本が最初という謎の映画です。

何分ドキュメンタリーなので、映画としてどうこう面白いだのつまらないだの言い難いものではあります。ましてやテーマがテーマだけに、すごくレビューが難しいんですが…。思ったことをちょろっと。

僕はまったく知らなかったんですが、チベットでは盲目に対する偏見がかなり強いらしく、登山にチャレンジする10代中盤~後半の少年少女はかなり虐げられて生きてきた様子。そこを同じく自分も盲目のドイツ人教育者サブリエが、チベットまでやってきて盲学校を開き、そこで盲人登山家エリックの活躍を聞きつけて「うちの生徒たちにも登山を教えてもらえないか」打診する、というのがスタート。

校内で希望者を募り、応募してきた6人とエリック、その他ガイドやドクターたちとチームを組んで、エベレストの隣に位置する標高7000メートルのラクパリ山頂を目指します。

盲目に限らず、(言い方は適切ではないかもしれませんが)障害を持つ人たちを見る時、いつも悩む自分がいます。「かわいそう」と思うけど、でも「かわいそう」って言葉はなんか上から目線で違う気がする。逆に健常者(と言う言葉自体にもやや抵抗がありますが)である自分を比較した時に、障害を持つ人たちよりもいろいろ活かせているのか、と考えるとそうでもない気がしたり。

きっとどっちの方が幸せなのか、もしくは不幸せなのか、って無いんですよね。

実際、登場する盲目の生徒たちは、僕とは違ってある程度英語が話せます。もちろん生まれ育った環境とかもあるんでしょうが、すごいと思う。逆に、彼らはきっと僕とは違って、例えばAdobeのソフトなんて使えないでしょう。必要ないから。そう、結局は自分自身の人生に必要なものをチョイスして、自分のものにしているかどうか、その違いでしか無い気はするんです。

生きていくためであったり、夢を叶えるためであったり、目的はいろいろあるとは思いますが、結局のところ「見えるからいい」「見えないから悪い」なんて単純に判断できないほど、個々人の能力とか人間の幅っていうのは深い深いものだと思います。

ただ「目が見える」人は、どうしてもそこに頼りがちなので、逆説的に「見えないこと」に対するハンデキャップを重く考えがちなのかな、という気はしました。きっと見えない人たちは、見える人たちほど“ものが見える”ということに重きを置いていなくて、それこそ“見えないからこそ見えるもの”が見えていたり、その他いろんな価値観を自分の中に蓄えて、力に変える能力があるのかな、と思います。

少し話が逸れました。

結局のところ、もちろん自分は目が見えていることが当たり前だと感じつつも、こういう世界を見た時に、やっぱり“見えること”は幸せだと感じる部分があるわけですが、ただ深く考えていくと、僕自身に「見えないことは不幸なのかどうか」という部分でまだ結論が出ていないような思いがあります。見えなかったら見えなかったで、別のものが見えるのであれば、それはマイナスとも限らないんじゃないか、と。

そんなことをウダウダ考えながら観ていましたが、ただ一つ言えることは、この映画で追っている少年少女は、10代でありながら、標高7000メートルの山に挑戦しているという事実です。

いくら個々にサポートが付くとは言え、僕はおろか日本人ならほとんど間違いなく、10代でこんな大変な山にチャレンジする人なんていないでしょう。それがすごいなと感じるとともに、自分にできないことをやっている彼らに尊敬と嫉妬が入り混じるような思いもあって、デリケートなテーマという部分も含めて、自分はこの話、ちょっと受け止め切れてないなと複雑な気持ちになりました。

完全なドキュメンタリーなので、映画として面白いかどうかと問われれば、はっきり言って「面白い」とは言えません。でも、こういうのを観て上に書いたようなことを考える大事さはやっぱり感じるし、それこそ目が見えなくなるような事態はいつ誰に起こってもおかしくないので、万が一、自分が…または親しい人やいつかできるかもしれない自分の子供たちが、こういう状況に置かれた時に自分がどう感じて何を考えるのか、その答えを持っておくという意味では、観ることに大きな意味のある映画だと思います。

いつにもまして青臭い、偽善っぽいレビューになっちゃって申し訳ないんですが、作り物ではない話だからこその重さがあるが故に消化しきれず、ひたすら考えるだけで終わったような映画でした。

それなりのご紹介としては、流れはドキュメンタリーの定番と言っていいでしょう、現在から過去の個人個人の逸話を挟み、また現在を見せての繰り返し…という構成。

興味深いのは、実はメインは子供たちよりもサポートしている大人たちの方で、本気で心配して本気で子供たちのことを考えているからこそ、意見の対立を繰り返したりしている点。劇中最後まで、「どこまで行けるのか」という意味で緊張感があります。そして挑戦した彼らが得たものとは…。

僕はいつも外から見て語るだけの典型と言っていいタイプなだけに、登山ぐらいやってみようかな…と思ったりしましたが…。

結局いろいろそれっぽい理由を自分の中で作ってやらないんだろうな、そういう自分が一番良くないんだよな、とまたウダウダ考える日々です。

このシーンがイイ!

終盤、エリックがスッと涙をこぼしながら励ますシーン。ドキュメンタリーだけに淡々としてましたが、素敵なシーンでした。

ココが○

雄大な山の景色と、緊張感のある流れは割と飽きずに集中して観られるものだと思います。

ココが×

さすがにドキュメンタリーなので、地味だし人は選ぶと思います。テーマもテーマなので…。

MVA

ドキュメンタリーなのでMVAも何も無いんですが、一応。

エリック・ヴァイエンマイヤー(本人)

盲目の登山家。

「盲目」と「登山家」という二つの要素を持っているので、おそらくこの登山に対して、一番現実的な答えを出せた人なんだと思います。

静かながら強い意志を秘めているような佇まいが、人間的な器を感じさせる人でしたね。盲目でエベレスト、ってとてつもない偉業だと思います。

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