映画レビュー0268 『瀬戸内少年野球団』
たまに登場の邦画シリーズ。
これもまたタイトルはかなり有名だし、一回きちんと夏目雅子観てみたいし、ってことで録画してみましたが…。
瀬戸内少年野球団
やっぱり邦画ダメかも。
まあほんとーに困ったことに、「こりゃあかんわ」と思った時点でその映画について語る気が失せるという罠。前半はもう眠くて眠くてウヤムヤのまま鑑賞、後半ぐらいはしっかり観るぞ、と観たもののやっぱり大して印象は変わらず。
僕は勝手に「少年たちが野球に打ち込む爽やか青春物語」的なものを想像してたんですが、野球は数あるエピソードの中の一つに過ぎず、全体的には「島の人々の人生いろいろ」といった感じ。
夏目雅子扮する小学校講師と、戦争で死んだと思われた彼女の旦那とその弟、その他島の人々と少年少女のみなさんの日々。終戦直後という舞台のために、田舎の街と言えども時代が変わっていくことに抗えず、島も人もまた様変わりしていく様子を描いた映画で、そのノスタルジックな風景は、やはり日本人としていろいろ感ずるところはありました。たかが数十年前でも、こういう時代があったんだよなぁと考えさせられて、「自分が生きてる時代なんて一瞬なんだろうな…」とふと寂しい思いを抱いたりも。
が!
残念ながら映画のレベルが低い。好き嫌いのレベルなのかなー。やっぱり自分には邦画はあってないなとつくづく感じました。
まず「野球」。タイトルになっているぐらいなので重要な要素だと思うんですが、スタートがあまりにも突拍子もない。
おそらく夏目雅子扮する先生が、甲子園出場経験のある旦那への思いを野球に投影させていた面はあると思いますが、その辺りの説明もほとんどなく、いきなりボール投げて「野球やろう!」とか。
ポカーン。なんだこれ。(寝てたからわからなかっただけかもしれないけど)
加えて、今観れば結構豪華な役者陣が出演してはいますが、残念ながら主体となる子役連中の演技があまりよろしくない。中心人物である“バラケツ”と呼ばれるワルガキはがんばっていたと思いますが、でも基本的にはガミガミガミガミうるさいだけ。何より話のキーになってくる、野球にも参加する少女がどうにもヘタ。
ただそれは見せ方次第である程度カバーできたように思いますが、一番ひどかったのは演出。
まず会話のテンポがサクサクしすぎてて、情緒的な風景をまったく活かせてない。「ただ、君を愛してる」の時も感じたような、予定調和の会話テンポが嘘臭いんですよね。しかもその台詞回し自体もヘタクソなもんだから、学芸会を観てる気分になりました。
こりゃ面白くないよ。こんなんじゃ入り込めないもん。この演出面を観て、やっぱり邦画はレベルが低いと思わざるを得ませんでした。
エピソードも散漫で線よりは点のイメージだったし、なんとなく「日常を描いて時代を浮かび上がらせる」イメージはわかりますが、全体的にチープです。いろんな面で。
最終的な展開も、まったくありきたりのよくある展開で、これまた今観て何かを感じ取るにはしんどすぎます。
ちょーっと…これはなぁ。なーんも残らない鑑賞でした。
このシーンがイイ!
猫屋の2階で呑んだくれる岩下志麻。足がタマラン。
ココが○
島の風景と人々にクローズアップする基本はいいと思うんですけどね。見せ方がどうにも…。
ココが×
上に書いた通りです。
MVA
渡辺謙の映画デビュー作だったらしいですが、確かに若い。でも印象としてはその程度。やっぱ今のほうがカッコいいな…。いろいろ乗り越えてきてるし。
お目当ての夏目雅子は、確かに今観ても若くて綺麗ではありましたが、どうにも「貞淑な日本人女性」というステレオタイプな役柄がイマイチ面白みに欠けてたのと、いくらなんでも泣きすぎ。10回単位で泣いてたような…。
というわけで今回の選出はコチラの方。
岩下志麻(穴吹トメ役)
当時すでに40代だったようですが、僕の持っていた極妻的なイメージとは違い、まさに妖艶な未亡人的な感じでエロスたっぷり。あの艶かしい白い足はタマランものがありましたね。完全なるオッサン視点での選出です。