映画レビュー0036 『グローリー』
モーガン・フリーマンが観たい! ということで予約していた本作ですが、奇しくも前回観た「ディファイアンス」と同じ監督、同じ戦争映画、そして同じように地味な作品となりました。
グローリー
オーソドックスな作り。
少し古めの映画と言うこともあるんでしょうが、加えて史実をもとにした戦争映画だけあり、またこの監督ということもあり、全体的には変わったものや目立った部分はありません。
その分、人間ドラマに重きを置かれている印象です。
話は黒人部隊が創設されるところから始まるわけですが、そこから訓練や不本意な作戦を経て、本番へ至る過程での彼らの(指揮官含め)成長を丁寧に描いています。
当時の白人と黒人の差別問題というのは想像を絶するものだと思いますが、この作品は白人が黒人を理解していくということよりも、黒人が人としての尊厳を取り戻していく、本当のプライドを得て戦いに赴く心の成長を中心にしているので、うがった言い方をすれば「良い白人だろ? 」みたいな変に鼻につく話もなく、自然な展開でそこがまた好感が持てました。
なにせ南北戦争という題材なので、これもまたアメリカ人にとっては日本人には無い感動があったんじゃないかと思います。
そういう意味では、日本人にとってはもう一歩、という気がしないでもないですが、観て損はしない作品では無いでしょうか。
それにしても、やっぱりモーガン・フリーマンは手放しでいいですねぇ…。
ココが○
戦争現場というよりは、部隊内部の話が主軸なので、そういったリアリティは非常にあったと思います。
この手の映画は「嘘くさくない」ようにするのがもっとも重要なので、そういったリアリティを構築するうまさというのはさすがこの監督だな、と思います。
ココが×
当然ですが娯楽映画ではないので、笑いたいとかスカッとしたいとかいう希望には沿えません。
あと結構戦闘シーンの描写がリアルで若干グロかったりもするので、その辺が弱い人は少し辛いかもしれません。
MVA
ド安定でモーガン・フリーマン…でもいいんですが、この作品はこの人かな、と思います。
デンゼル・ワシントン(トリップ役)
この人もまた黒人俳優のトップの一人だと思いますが、今作でもよかったですね~。さすがアカデミー賞受賞しただけのことはあります。