映画レビュー0674 『グッドフェローズ』
今日はBS録画から。タイトルは知っていたのでなんとなく録画しておきました。
グッドフェローズ
よほどのマフィア好きでないと違いがイマイチ…。
レイ・リオッタの出世作で、共演にロバート・デ・ニーロとジョー・ペシ。ジョー・ペシは久しぶりに観ましたねー。あの甲高いしゃがれ声、それだけで「ああマフィア映画だ」と感じます。なかなか面白かったのは面白かったんですが、実在する人物である彼らの知識を持たない日本人的には、良くも悪くもいろいろと「いつものマフィア映画」でしかない印象で、中盤はちょっと集中力が途切れがちになり。多分興味が無いのに時代劇ばっかり観ていると同じような感覚になる気がします。殺しも意外性が無くて大体想像が付いちゃうだけに、なんとなーくボヤーッと筋を追って観ているだけという感じで、イマイチのめり込めなかったのが残念。面白かったんですけどね。
レイ・リオッタはWikipediaの写真を見る限り今やもうすっかりただの江守徹になってしまったようですが、この映画ではマジでその辺の中学生っぽさの残るあどけなさと青年時代をしっかり演じていることもあり、20年以上(?)の長い物語をきっちり見せてくれます。
そう、なげーんですよ。話が。
話の流れ上、前フリは必要だし特に無駄なシーンがあったとも思いませんでしたが、しかし長い。テンポも悪くないので、観ていて飽きるというほど長く感じるわけではないんですが、でももうちょっとギュッとできた気がする。この辺、同じスコセッシの「ギャング・オブ・ニューヨーク」とすごく似た印象。
序盤から中盤はいわゆる「組織でのし上がっていく」パートとしていろんな仕事をこなしていく姿が描かれるんですが、ただ彼は組織の正構成員ではなかったらしく、イマイチ偉くなったとかそういう話も出てこないので観ていてなんとなくぼんやり。その辺は彼の仲間であり友達でもあるロバート・デ・ニーロ演じるジミーとジョー・ペシ演じるトミーの二人も同様で、トミーは「幹部になる」という話が出ては来るものの、基本的にはイマイチのし上がっていく感がなく、組織の中で三人が仕事をしている様と、嫁さんが暴れている(これまたありがち)姿を観ているだけ、という感じで。もうちょっとボスとかその他幹部の話が出てきてたらちょっと違ったような気もするんですが、会社に例えるとちょっと最初に紹介がてら社長が出てきた以外は、係長二人とアルバイト長が仕事して儲けてやったぜ! っていうのがずーっと続いている感じで、「面白くなってきそうだな」と思わせるまで集中力を保てなかった気がします。
これが初のマフィア映画だったらまた全然違ったとは思うんですけどね。さして興味もない(だったら観るなはナシで)中で観ても…結局いつも通りな感じがしちゃって。まあ…マフィアって言うのはこういう流れを辿った人が多いんでしょう。
物語上とても重要な意味を持つ「ルフトハンザ航空現金強奪事件」がそこまでしっかり描かれていなかったのも原因かもしれません。あそこをもっと綿密に描いてくれれば…ま、結果論ですね。
かなり評判が良いので結構期待していたんですが、正直そこまでは…という感想。マフィアモノがお好きであればどうぞ、というレベルでしょうか。
このシーンがイイ!
朝、車で二人がアレしてるところがやっぱり印象的でしたねぇー。あそこからの一連の流れはなかなか…マフィア映画っぽくて良い。
あとヅラのオッサンのCMのところも良かった。
ココが○
作風として重すぎず軽すぎず、人間味のあるマフィアの世界を描く雰囲気は良かったと思います。
ココが×
あと20分短ければ…だいぶ印象が違った気がするんですよ。長いと感じたわけではなくて、時間に対して見どころが少ない感じというか。
MVA
んー、レイ・リオッタも悪くなかったんですが…この人かなぁ。
ジョー・ペシ(トミー・デヴィート役)
ホントこの人のあの独特な声とちっちゃいおっさん感、他になくて。すぐ殺しちゃう単細胞っぽさとかもう完璧でしたね。
マジでこれどう見てもジョー・ペシがやるべくして作られた役じゃねーか、っていう。最近見ませんが…お元気なんでしょうか。