映画レビュー0062 『列車に乗った男』

最近、週末になると映画が観たくてしょうがないです。あとパンチラとかも見たいですが、それはまた別の話。

列車に乗った男

L’Homme du train
監督
脚本
出演
ジャン・フランソワ・ステヴナン
音楽
パスカル・エスティーブ
公開
2002年10月2日 フランス
上映時間
90分
製作国
フランス・ドイツ・イギリス・スイス

列車に乗った男

ある日、街にやってきた男。たまたま薬局で顔を合わせた男の家に居候することになるのだが…。

不思議な味わい、不思議な余韻。

9.0

いやー、これほど語るのが難しい…というか、今まで出会ったことのないタイプの映画も珍しい。

とにかく劇中は地味の極みで、8割方、老人と中年のむさい男二人の会話だけ。劇的な展開もまったくなく、淡々と。その辺の家の会話を盗み見てるだけ、という感じ。

…だが! だがだが!!

ものすごい、染みる。

良いことを言ってるわけでもなく、説教臭い語りがあるわけでもなく。でも…染みる。なんなんだろう。この映画。

大した本数は観ていない人間が言うのもなんですが、この感覚は初めて。すっごい地味なのに、なぜか集中してしまう。

セリフの一言ひとこと、会話の「間」、そして芸術的な香りすらする、「普通の風景」。

その暗さ?

その湿気?

何が良いのかわからないまま、引き込まれました。じわじわ来る。静かに、静かに、じわじわと。

初めての感覚なのに、「これは映画だ、これこそ映画だ」という気がしてならない。ものすごく不思議な感覚。

ジャンルも違うし、比べるのも違う…というのはわかりつつ、「三谷映画」では絶対にない空気。

「映画を観る」「映画が観たい」そういう気持ちに対する答えの一つがあった気がする。

とてつもなく面白いわけでもなく、ラストも…イマイチはっきりしない。

解釈を観客にゆだねるというよりは、「理解してみなさい」という監督からのメッセージに見える。

結局「普通の話」と言ってしまえばそれまで。でも…?

うーん、なんだろうこの余韻。すばらしい。きっと、頭が理解するよりも先に、心に届く映画なんだと思います。

世界が広がりました。これだから映画鑑賞はやめられない。

ココが○

何が良いのかもよくわかりません。絵画を観る感覚に近いのか??

話の筋なんて関係ないのかもしれない。雰囲気と、セリフ。役者の顔。そういう要素がこの映画の味わいそのもの、でしょう。

ココが×

この映画はハードルが高い…というか、絶対退屈な人もいるだろうし、まず間違いなく10代が観たら「は? 」っていう映画ではないかと…。

「大人の映画」と言ってしまえばそれまでですが、刺激を求める欲求には応えてくれません。

MVA

ほぼ二人芝居で、どちらもすごくよかったんですが、さあどっちを選ぶと言われれば…

ジョニー・アリディ(ミラン役)

ですね。

ここまで陰のある男っているのか、と。いかにも犯罪者顔(失礼)でありつつ、渋さと寂しさを漂わせる風貌はタダモノではありません。渋すぎる。

そしてやや片岡鶴太郎似。プッツン5的な。

どうやら日本での知名度はイマイチですが、フランスでは相当カリスマ的なミュージシャンらしいです。

……ミュージシャンであの存在感!? スゴイ。

彼の「教師」場面がまた良かった。あとパン屋で彼の一人前に買ってた女の子がかわいかった

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