映画レビュー0062 『列車に乗った男』
最近、週末になると映画が観たくてしょうがないです。あとパンチラとかも見たいですが、それはまた別の話。
列車に乗った男

不思議な味わい、不思議な余韻。
いやー、これほど語るのが難しい…というか、今まで出会ったことのないタイプの映画も珍しい。
とにかく劇中は地味の極みで、8割方、老人と中年のむさい男二人の会話だけ。劇的な展開もまったくなく、淡々と。その辺の家の会話を盗み見てるだけ、という感じ。
…だが! だがだが!!
ものすごい、染みる。
良いことを言ってるわけでもなく、説教臭い語りがあるわけでもなく。でも…染みる。なんなんだろう。この映画。
大した本数は観ていない人間が言うのもなんですが、この感覚は初めて。すっごい地味なのに、なぜか集中してしまう。
セリフの一言ひとこと、会話の「間」、そして芸術的な香りすらする、「普通の風景」。
その暗さ?
その湿気?
何が良いのかわからないまま、引き込まれました。じわじわ来る。静かに、静かに、じわじわと。
初めての感覚なのに、「これは映画だ、これこそ映画だ」という気がしてならない。ものすごく不思議な感覚。
ジャンルも違うし、比べるのも違う…というのはわかりつつ、「三谷映画」では絶対にない空気。
「映画を観る」「映画が観たい」そういう気持ちに対する答えの一つがあった気がする。
とてつもなく面白いわけでもなく、ラストも…イマイチはっきりしない。
解釈を観客にゆだねるというよりは、「理解してみなさい」という監督からのメッセージに見える。
結局「普通の話」と言ってしまえばそれまで。でも…?
うーん、なんだろうこの余韻。すばらしい。きっと、頭が理解するよりも先に、心に届く映画なんだと思います。
世界が広がりました。これだから映画鑑賞はやめられない。
ココが○
何が良いのかもよくわかりません。絵画を観る感覚に近いのか??
話の筋なんて関係ないのかもしれない。雰囲気と、セリフ。役者の顔。そういう要素がこの映画の味わいそのもの、でしょう。
ココが×
この映画はハードルが高い…というか、絶対退屈な人もいるだろうし、まず間違いなく10代が観たら「は? 」っていう映画ではないかと…。
「大人の映画」と言ってしまえばそれまでですが、刺激を求める欲求には応えてくれません。
MVA
ほぼ二人芝居で、どちらもすごくよかったんですが、さあどっちを選ぶと言われれば…
ジョニー・アリディ(ミラン役)
ですね。
ここまで陰のある男っているのか、と。いかにも犯罪者顔(失礼)でありつつ、渋さと寂しさを漂わせる風貌はタダモノではありません。渋すぎる。
そしてやや片岡鶴太郎似。的な。
どうやら日本での知名度はイマイチですが、フランスでは相当カリスマ的なミュージシャンらしいです。
……ミュージシャンであの存在感!? スゴイ。
彼の「教師」場面がまた良かった。。


