映画レビュー1166 『リトル・モンスターズ』
今回はウォッチパーティより。ウォッチパーティ、候補含めてゾンビ率の高さが気になる。
リトル・モンスターズ
ニョンゴのスター性輝く激ゆる新感覚ゾンビ。
- 冴えないミュージシャンが幼稚園の先生に一目惚れ、下心丸出しで遠足の手伝いへ
- 遠足中に軍の施設からゾンビが拡散、園児たちとともに窮地に陥るミュージシャン&先生
- ありきたりっぽい設定ながらゾンビがゆるすぎて逆に新しい
- ルピタ・ニョンゴのアイドルムービー疑惑があるぐらいにニョンゴの魅力が爆発
あらすじ
僕はゾンビ映画は特段好きではないので、自分だったら絶対に選ばない映画なんですが、そういうものも観られるのが(参加者で鑑賞作を決める)ウォッチパーティのいいところかな、と。
路上ミュージシャンのデヴィッド(アレクサンダー・イングランド)は恋人にサプライズ婚約を仕掛けようと彼女の部屋に行ったらまさに浮気の真っ最中、喧嘩別れとなって姉の家に居候することに。0
ある日姉の息子である甥のフィリックスを幼稚園に送って行くと、彼の担任であるキャロライン先生(ルピタ・ニョンゴ)が激アツであることを知り、お近付きになりたい…と思っていたところにおあつらえ向きの「遠足のお手伝い募集」の話が。率先して「子どもが大好き」なフリをして同行することにしたデヴィッド。
かくしてめでたくキャロライン先生&デヴィッドの大人チーム+キッズで楽しい遠足に向かうことになりましたが、同時期に目的地近くの軍施設ではゾンビが発生…! 軍も壊滅状態となり、ワラワラと外にゾンビが解き放たれることに…!
果たして御一行は無事生き残ることができるんでしょうか…!
予想通りの展開ながら、ゆるすぎるゾンビに新しさが
まあぶっちゃけハリウッド的にキッズが被害に遭うわけがないので、となると危機感も薄くてイマイチなんじゃないか…と思って観ていたわけですが、それがちょっと予想の斜め上を行く映画だったと言うか…。もはや出てくるゾンビが(キッズに限らず)やられようがないぐらいにゆるい。いつにも増して遅すぎる。
こんなゾンビに滅ぼされた軍の施設ってなんやねんと突っ込みたくもなるぐらいにゆるいんですが、まあとにかく危機感もないしゾンビはほぼ添え物状態で、中心は「危機に際した主人公たちがどう行動を取るのか」を成長も絡めつつ描いたほのぼの成長ファミリーコメディ with ゾンビ、みたいな。
ゾンビを除けばよくある普通の「恋愛含みのダメ人間成長物語」だし、ゾンビはゾンビで特段変わった動きをするわけでもないので(ゆるすぎることを除けば)代わり映えしないんですが、両方合わせるとあまり観たことがない新鮮な映画に見えてくる…という組み合わせの妙。これはなかなか面白かったです。
とは言え、今言ったように「よくある普通の」物語がベースなので、面白いんですが深く突き刺さるようなものもなく、断然オススメ的な映画でもないのが歯がゆいところ。
やっぱりどうしてもその辺のアメリカ映画おなじみの展開に終止することは否めず、意外性のある展開は皆無であることも指摘せざるを得ません。キッズは当然生き残るし、主人公たちも然り。脇のメンバーもいかにもな言動でフラグを立てて予想通りの展開を見せてくれます。
さすがに自分で選ぶのであればもうこの手の映画はオサラバするよと例のコメントを吐き捨てるところですが、今回はウォッチパーティだったのでやむを得ず。みんなで観ればそれなりに面白いものの、やっぱり不要な恋愛要素が登場したりして「もういいよこの流れ」と飽き飽きするものでもありました。
ニョンゴの良さ的には必見
もっともこの流れにうんざりするのはそれだけ同じような流れの映画を観てきているからなわけで、この流れがハラハラ楽しめる時期もあるのは間違いないとは思います。なので自分の経験値に照らし合わせて観るかどうかを決めればいいかな、というポジションの映画でしょう。
あとはとにかくルピタ・ニョンゴ。ニョンゴのスタイルの良さとかわいさが光る、彼女のための映画と言って良いでしょう。
せいぜい行ってて30ぐらいかなと思ってたらもうこの時点で30代後半なんですね。黒人さんは肌のキメが細かくて若く見える人が多い(サミュエルも70過ぎてると思えないしハル・ベリーに至っては年齢不詳すぎる)だけに、彼女もすごく若く見えるし「引く手あまたな先生」設定も納得でした。見事なヒロインっぷり。
なので「ニョンゴに興味がある人も観てニョンゴ」的な映画だよっと適当なコメントでこちらからは以上です。
このシーンがイイ!
甥っ子ちゃんがダース・ベイダー化するシーンは大体良い。かわいい。
ココが○
ゾンビ映画としてはかなり珍しいレベルでゾンビがどうでもいい存在だったのが他と比べるとレアで面白い点かなと。
もちろんそれなりに驚異にはなってはいるものの、とは言えこれ逃げられないやつは相当どんくさいんじゃないかと思えるぐらいに全体的にゆるい。
ココが×
ゾンビ映画なのでそれなりにグロいシーンはありました。そこまで気になるほどではないですけどね。
あとはやっぱり展開がベタすぎる点でしょう。特にエンディングがもう反吐が出るほど「ハリウッド的ハッピーエンド」で正直ウンザリ。
MVA
ジョシュ・ギャッドのクソ野郎っぷりも好きなんですが、やっぱりこの映画はこのお方でしょう。
ルピタ・ニョンゴ(オードリー・キャロライン役)
もう役名からしてヒロイン感がすごい。心も体も強い幼稚園の先生。
クズ男が成長していく主人公と違い、最初から行動もメンタルも完成品で魅力たっぷり。今の黒人女優陣の中でもトップクラスの魅力を持っている人ではないでしょうか。文句無しです。