映画レビュー0402 『マン・オブ・スティール』

この夏最後の大作、と言ったところでしょうか。

ご存知のように反吐が出るほどの反3D男として、IMAX2Dをやってるうちに行こう、と急いで観に行ってきました。

お客さんはまずまずの入りっぷりで、同じように思ってる人がいるのかな? と少し嬉しくなった次第。

マン・オブ・スティール

Man of Steel
監督
脚本
音楽
公開
2013年6月10日 アメリカ
上映時間
143分
製作国
アメリカ
視聴環境
劇場(IMAX 2D)

マン・オブ・スティール

惑星クリプトンの滅亡を予期したジョー=エルは、生まれたばかりの息子にすべてを託し、地球へと送り出す。地球でその強力な力に悩まされながらも心優しい青年に育った息子・カル=エルは、やがて彼を追ってきたクリプトンの反逆者・ゾッド将軍と相まみえる。

もーね、笑っちゃう。

8.5

ご存知「スーパーマン」のリブート版。もはやスーパーマンそのものに対するイメージが残ってる世代なんて僕辺りがギリギリなんじゃないのかな、と思うほど前時代的なヒーローですが、果たしてその古臭い名前とだっさいコスチュームをいかに現代にフィットさせるのか、ザック・スナイダー監督&クリストファー・ノーラン製作のお手並み拝見、と。

まず物語としては、やはりリブートモノらしく、いかにしてスーパーマンが誕生したのか、ご丁寧に出産シーンから始まって幼少時の回想シーンも交えつつ、やがて「スーパーマン」と呼ばれるに至るまでを描きます。この辺りは特に目新しいこともなく。

ただやはりこの時代に作られた映画らしく、やや人間ドラマの色濃い内容に仕上がっていて、「ヒーローつえーぜイエーイ」というような単純な映画ではありません。

恋愛模様もありますが、それよりも公開前から言われていたように、特に家族の絆、親子というものを強く押し出していて、やっぱり何より親父二人(生みの親と育ての親)が素晴らしい。不覚にもオヨヨとちょっぴり涙ぐむようなシーンまで用意されていて、昨今の娯楽大作らしい、きっちり最初から最後まで楽しませてくれる良い映画でした。

ただまあストーリーに関してはやはり(原作ありきという)制約もあるだろうし、うまーくフォーマットっぽくない見せ方はしているものの、大枠で言えばヒーローモノのそれでしかありません。

ただ!

アクションシーンのデキがとにかくすごい。もう今まで観てきたアクション映画って本当にアクションだったんだろうか、と言いたくなるようなとんでもないシーンの連続。まさにマンガのようなバトルを実写で、しかも違和感なくド派手に展開してくれます。そしてここで活きるザック・スナイダーという監督のチョイス。

スピード感溢れる中に“重さ”を感じる見せ方のうまさで、これはもうちょっと劇場で観る意義を感じざるを得ないとてつもない娯楽でしたね。ラストバトルは宇宙にまで飛び出してのバトルが展開されるんですが、もう本当に、バカにするわけではなく純粋に観ていて笑いが出ました。すごすぎて。衛星に手をかけてギャギャギャギャ滑ってどーん! みたいな。本当に笑いましたねこれは。

お金のかかりっぷりも半端じゃないだろうし、CGとアクションの融合もまったく違和感がなく、ややダサめのスーパーマンポーズも極力馴染むような作りにしつつのバトル。すごかった。もうすごかったとしか言えません。

ちなみに暗めのシーンも多いので、やはり3Dは避けておいて正解だったな、と我ながら思います。撮影も通常に行った「後工程3D」のようなので、3Dで観ようかな、という方はその辺りも考慮に入れつつ選択すると良いでしょう。

ただかなり迫力のある映像が目白押しだったので、3Dは3Dでうまく編集されているなら楽しめそうな予感はあります。僕はそれでも暗くなるし子供だましとしか思えない3Dは選びませんが、3D肯定派の人には結構いい3D映画になるかもしれませんね。

その辺の技術論はさておき、またもノーランはヒーローモノのハードルを上げてくれちゃったので、こりゃー後に作る人たちは大変だなぁと思いますね。

最近アクション映画自体に合わなさを感じていたところにこのすごい映像を見せられたので、まだまだアクションもバカにできないな、と再確認。この映画で満足できないアクションファンっているのかなー。それぐらい、すごかったです。劇場でやっているうちに、ぜひ。

このシーンがイイ!

もう最初から最後まですごいシーンの連発で、「これ!」って言うのも難しいんですが、さすが文明が進んでいる設定だけあって、オープニングのクリプトンでのシーンはどれも魅力的でした。

特に銀色の金属がウネウネ動いて映像を可視化する表現が面白かった。

ココが○

もうこれは1にも2にもアクション。とんでもないです。

あとはいつもながらハンス・ジマーの重厚な劇伴も○。

ココが×

特に無し。

MVA

キャスティングも良かったですねぇ。

エイミー・アダムスはちょっとヒロインとしては歳いっちゃってるかと思いましたが、違和感なく良かったです。ただMVAとなるとやはり親父どっちかかな、と思い、悩みつつ…。

ケビン・コスナー(ジョナサン・ケント役)

クラーク・ケントの育ての親。

登場シーンはそこまで多くないですが、優しさ溢れる田舎の親父感たっぷり。

やっぱり一時干されていた人なので、こうして活躍してくれるのは嬉しいです。その辺の苦労がにじみ出てまた良くなったのかな…と勝手に思ってます。

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