映画レビュー1466 『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』

すでに2月に入ってしまいましたが通常運転開始です。まあみんな「もう年明けてから1か月経ったの!?」って思ってるはずだからセーフ。
例によってストックがまだないので当面の間は週1更新が良いところかなと思いますのでよろしくどうぞ。

で、今年一発目は去年からこれにしようと決めていました。
まさかのアニメからスタートです。

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White

SPY×FAMILY CODE: White
監督

片桐崇

脚本

大河内一楼

原作

『SPY×FAMILY』
遠藤達哉

声の出演

江口拓也
種﨑敦美
早見沙織
松田健一郎
甲斐田裕子
佐倉綾音
吉野裕行
小野賢章
山路和弘
藤原夏海
加藤英美里
銀河万丈
武内駿輔
中村倫也

音楽

(K)NoW_NAME
Makoto Miyazaki

主題歌

『SOULSOUP』
Official髭男dism
『光の跡』
星野源

公開

2023年12月22日 日本

上映時間

109分

製作国

日本

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White

高次元で安定感のある良作。

8.5
お菓子実習でステラをゲットするべく、一家で校長の好きな菓子を再現しようとプチ旅行
  • お菓子実習で校長の好きなお菓子を作るため、校長地元のお気に入りのお店まで一家で旅行へ
  • しかし現地では軍が大戦の引き金を引くべく暗躍していた…!
  • 巻き込まれた一家がそれぞれの持ち味で事件解決へ向けて奔走
  • アニメの延長線上で過不足のない、ファンもファンでない人も安心の良作

あらすじ

当代随一の稼ぎ頭アニメと言っていい作品なだけに、そりゃあ外さないだろうと思ってましたが当然外しませんでした。非常に面白かったです。

近々学校の調理実習でお菓子を作ることになったアーニャ。なんでもその調理実習の最優秀者にはステラが与えられると聞き、審査員である校長先生がかつて好物だと言っていた「メレメレ」を作ることに決めます。
さらにその「メレメレ」は校長先生の故郷フリジスのお店で提供されるものが一番のお気に入りだということで、住まいからはちょっと遠いようですが週末を利用して一家3人でフリジスへ向かうことに。
「家族限定」という変わったルールのお店で無事最後の一つを食べられることになった一家ですが、しかしそこにいかにも悪者的な甘味に目のないスナイデル大佐がやってきて、権力を笠に強奪。
その後なんやかんやあって「メレメレ」の材料集めに向かう一家ですが、当然一筋縄ではいかず…あとはご覧ください。

文句なしのファンサ

大人気アニメ「スパイファミリー」の初となる劇場版です。実は観に行こうかかなり迷ったんですが、家族が多そうだしということで自重しました。「すみっコぐらし」は行ったのに。
そもそも「スパイファミリーとはなんぞや」という人にご説明…と言いたいところですが言うまでもなく超大人気アニメなのでちょっと調べればゴロゴロ情報も出てくるし、逆にこんな「調べても出てこない」謎のブログで説明する必要もないと思うので割愛します。むしろこのブログの人気の無さを説明してほしい。

まず大前提として何度か書いている通り僕はこのご時世かなり珍しいレベルでアニメを観ないタイプの人間なんですが、最近唯一観ているアニメがこの「スパイファミリー」です。
元はと言えばとある人に勧められて観始めたんですが、その人とはすでに付き合いが途絶えてます。諸行無常…!
ただアニメ自体は相当良く出来ていて単純にハヨ次が観たいぜ状態になっているのでそのまま継続して観た先にこの劇場版が公開され、当然これも観たいぜと観たよ、という流れ。

ということで原作アニメ視聴者からすると、もうまんま30分のレギュラー放送が4倍されたよ、って感じでまったく違和感もなく、まさに通常アニメの延長線上の作品として楽しめます。なんならレギュラー放送で4回に渡って流されててもおかしくないぐらい、良くも悪くもそのまま。完全にそのまま。
「良くも悪くも」と書きましたが、それだけものすごいスペシャル感もなければ逆に頑張りすぎて「そうじゃなくない?」みたいな違和感もない、という意味です。なので作風としてはド安定。
もうちょっと「劇場版」らしいワクワク感があるのかな? と思っていたので若干期待外れ感もありましたが、ただこれは制作上の判断としては正解だと思います。下手に奇をてらう方が危険というか、奇をてらう必要がないぐらいすでに作品の完成度が高いので、無駄な気合いで変なものを付け足すと文字通り蛇足になりかねません。
もっとも他のアニメとその劇場版についての知識がまったく無いので、これが普通なのかもしれないですね。そもそもレギュラー放送が評価されているのであれば下手に弄らないほうが得策なのは間違いないでしょう。(ONE PIECEは観に行ったことがあるけどアニメは観ていないのでその辺りの感覚は結局よくわかりません)
もうちょっとユーリとフランキーの出番増やしてあげてよと思ったりもしましたが、逆に言えば劇場版だからこそ2人は大して役割もないのに顔見せとして登場してくれたわけで、これがレギュラー放送だったら単純に出てこないだけだったんだろうと思うとそこはもしかしたら「劇場版ならでは」のスペシャルな部分だったのかもしれません。地味だけど。
特にフランキーは好きだからもっと観たかったけど…もじゃもじゃ…。

話としては、これまた当然ですが本編のメインである「オペレーションストリクス」とは無関係。まあ今後本編で「劇場版観てないと話が飛んで見える」みたいなのが出てきたら最悪ですからね。
しかしその一方で、このエピソードを乗り越えたことでより一層“家族の絆が高まった”的な内容になっていて、疑似家族が本物の家族以上に絆を深めていく的なほっこりエピソードになっております。
またもちろんレギュラー放送を観てからのほうが楽しめるのは間違いないところだとは思いますが、簡単ではあるものの序盤にそれなりに彼らの素性(本当はスパイだったり殺し屋だったり超能力者だったり)や疑似家族の説明が入るので、この劇場版からスパイファミリーに入ってもまったく問題はありません。どういう話なのか端的にわかりやすいし、そこがまたこのアニメの強いところでしょう。
もっと言えばこれを観て「面白かったからレギュラー放送の方も観てみようかな」も全然アリですね。アリよりのアリ。なので入口としてもよく出来ているし、ファンサービスとしても文句がない。本当によく出来ていると思います。
この辺はやっぱり原作マンガの設定やキャラクターの良さが活きているところなんでしょう。わかりやすいし、芯がはっきりしているのでいろいろと動かしやすい印象があります。
その上でこの作品のストロングポイントであるアーニャの存在がやっぱりズルい。全編ほぼ彼女の顔芸を楽しむ時間みたいになってるし、ちゃんとかわいさアピールにも余念がない。観ればわかりますがいやらしい話「これは金づるになるキャラだなぁ」って感じでキャラが強い。アーニャが生まれた段階でヒットが確約されていたと言っても過言ではないでしょう。
そしてそのアーニャに命を吹き込んでいる種﨑さんの力量ですよ。今さら言及するのも逆に恥ずかしいぐらい誰もが知っていることですが…。
FF14でも非常に重要なキャラクターを見事なお仕事で魅せてくれただけに、声優に詳しくない僕でも「すげー人だな」とインプットされました。彼女の演技もまた見どころの一つでしょう。

普段アニメを観ない人も

たまたまですが新年一発目に相応しい、完成度の高い良い作品でした。
ただ自分の趣味とする「映画」とはちょっと違うというか、やっぱりどこまで行っても「通常アニメのロング版」なのでそこだけはちょっと惜しい気はします。作品そのもののせいではなく、自分の心構え的に。
まあそんな御託は置いといて、文字通り老若男女楽しめる良作娯楽アニメだと思います。
「ほぼアニメを観ない」人間がオススメするんだから普段アニメに縁が無い人も観てみてほしいところですね。

このシーンがイイ!

これはもう「ウンコの神」のシーンでしょう。くだらなすぎてゲラゲラ笑いました。無駄に力が入ってて。「小学生相手かよ!」と言いつつ笑ってたので男はどこまで行っても小学生、ってことです。

ココが○

老若男女楽しめる系の作品は大体差し障りのない作風な気がしてしまうんですが、これはしっかり弾けてきちんと面白く、その上面白さのピークレベルが高いのはやっぱりよく出来ているが故なのかなと。
まあだからこそこれだけヒットしている作品なんでしょうね。

ココが×

これと言って特にはありませんが、やっぱりどこかで「映画ならでは」の何かがほしい思いはありました。
ただそれは上記の通り、原作ファンへの裏切りと紙一重なだけに難しいところ。
正解はわかりません。ただの無責任な発言です。

MVA

まーさすがに皆さん芸達者なので誰を選んでも文句はないんですが、やっぱりこの人ですよね。

種﨑敦美(アーニャ・フォージャー役)

超能力者のキッズ。顔芸の達人。
一応主人公はロイドですが、もはや真の主人公と言って差し支えないでしょう。地球はアーニャで回っている。
本当に(ネタ的にも)表情豊かなキャラクターですが、それに負けない声の演技は他の追随を許しません。ちゃんとネタ的な言い回しも子どもを感じさせるのが素晴らしい。
上にも書いた通り非常にズルい気もしつつ、でもやっぱりかわいいし面白いしで文句なし。

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