映画レビュー0696 『目撃』
〈突然プチレビュー/ルーク・ケイジ〉
少し前ですが観終わったのでプチレビュー。
「デアデビル」「ジェシカ・ジョーンズ」に続くマーベル連続ドラマシリーズの第3弾になります。銃弾もロケット弾も効かない“最強の皮膚”を持つ男、ルーク・ケイジの過去と現在いろいろ。
今回は「ジェシカ・ジョーンズ」と違って最初から面白そうだぜ! …と思って観ていたら逆に後半かなり失速した印象で、某お方(悪役)が離脱した辺りからかなり質が下がっていったような気がしないでもない。もっと言えば某お方(善人)が離脱した頃がピークだった気がする。3話とかだけど。
全体で言えば…5.0ぐらいかなぁ。
正直「ディフェンダーズ」(ドラマ版アベンジャーズ的なもの)が無ければ観なくていいレベルだと思います。今思えば文句垂れてたジェシカ・ジョーンズの方がよっぽどワクワクしたよーな。キルグレイブが良かっただけに。
以下簡単なまとめ。
- 味のある渋めの男たちが軒並み序盤にリタイアし、残るのは薄っぺらい人たちだらけで微妙。
- 特にラスボスの安っぽさったらない。どう見ても小物だし賢そうな雰囲気がまるでない。
- 過去の話を結構織り交ぜてきてはいるものの、そこまで深い「能力を持つに至るまで」の過程が描かれているわけでもないのでイマイチ盛り上がらない。
- 基本的にルークは防御系の能力者だけにバトルが地味。
- 最も見せるべきラストバトルがアッサリ過ぎる&結末が消化不良のために1シーズン終わっても気分が晴れない。
- オープニングが「ルークがスローでパンチするだけ」という驚異的な地味さ。
- 暗躍系の線が特に無く、大体表でいがみ合っている話ばっかりなので深みがない。
- そして当然のように舞台が暗い。
とまあいろいろ理由があり、正直かなり微妙。つまらなかったわけではないんですが。ただこれも世間では高評価なので、好みの問題かもしれません。
イマイチ絵的に惹きつけてくれる人がいないのも辛かった気がする。なんというか一言で言うと「華のないドラマ」だった…。
ということで本編はまたもBS録画より。というか最近古い映画の方が観たい気分なので配信終了が来ない限りはBS多めになる模様。
目撃

先が読めない中盤は良かったものの、終盤ちょっと勢い任せ。
今からちょうど20年前に作られた、クリント・イーストウッド監督・主演のサスペンス。
最近のヒューマニズムに訴えるドラマ系映画とは違い、純粋なサスペンス映画として作られているのがなかなか今のイメージからすると違って面白い気がします。
主人公の腕利き泥棒はご本人が演じていますが、共演陣がまたなかなか豪華で、殺人事件の中心人物と言えるアメリカ大統領役にジーン・ハックマン、そして「殺人の実行部隊」である彼のシークレットサービスにスコット・グレンと「24」のパーマー大統領役でおなじみのデニス・ヘイスバート。翌日現場検証にやってきた刑事のお偉いさんがエド・ハリス、そして彼の相棒らしき女性刑事になんとパーマー大統領の奥さん、シェリー・パーマー役でおなじみのペニー・ジョンソン・ジェラルドまで出てくるという。この人映画で初めて観ました。んで、物語のキーマンの一人でもあるルーサーの娘役にローラ・リニーというメンバー。
ローラ・リニーは「ハドソン川の奇跡」でもトム・ハンクスの奥さんやってましたよね。この頃からイーストウッド組だったんですねぇ。その他リチャード・ジェンキンスなんかも顔を出しているという、なかなか通好みなメンバーがお送りする今作の概要から。
クリント・イーストウッド演じる老泥棒のルーサーが、とある大物政治家の大邸宅に忍び込み、大量の貴金属に大金までゲットしてお帰り…の予定が、突如として帰ってきた大物政治家の奥さん(クリスティ)と、彼女と不倫関係にあると思しきジーン・ハックマンを連れてイチャイチャし始めましたよ、と。ただこのジーン・ハックマン演じるアランがまあ変態男でして、「どうだ激しいのが興奮するんだろビッチ!」とぶっ叩いて放り投げてと荒々しく襲いかかるわけですよ。それに「あんたおかしいわよいい加減にして!」とブチ切れたクリスティがナイフを持って抵抗しようとしたところいわゆるガチの殴り合いに発展していってですね。もうセックスどころじゃないぞと。違う興奮状態だぞと。ってことでクリスティがまさにナイフを振り上げ殺してやるー! ってところで間一髪シークレットサービスが踏み込んでクリスティを射殺してしまいます。
そう、シークレットサービスがついていることからもわかる通り、変態親父のアランは大統領だったわけで、大統領が自分の後見人である大物政治家の嫁さんと不倫した挙句に殺しちゃったよ、なんて言うのはとんでもないスキャンダルなだけに、警察に言おうというシークレットサービスの意見は無視して首席補佐官のグロリアはもみ消し工作を画策するわけですが、しかし彼らが気付いていない存在が一人。
そう、ルーサー…!
宝物庫的な場所から一部始終を見ていたルーサーは、彼らが置き忘れていった証拠品のナイフを持って逃走、早々にナイフの存在に気付いた彼らに追われることに…というお話です。
泥棒が大統領の犯罪を見てしまって追われる、というお話はなかなか面白そうだな、と思って観ることにしたんですが、時代故なのか想像していたような大統領側の強大な権力による執拗な追跡、みたいなものは特に無くてですね。なんつーか、普通に犯人と目撃者みたいなあんまり緊張感のない戦いに警察が絡んでくるだけ、的な展開だったのでその辺がちょっと設定を活かしきれていないもったいなさみたいなものは感じました。
ただ、さすがにクリント・イーストウッドの映画だけあって、不思議と飽きずに観られる展開力は安定感があり、「振り返ると大した話じゃなかったけどそこそこ惹き込まれたなー」というちょっと面白い感覚を抱く映画だった気はします。
一応、ルーサーは「証拠を持って帰ったがために追われる」立場であり、また大統領側が泥棒がいたという事実も知らない時点で「強盗の仕業ということにしよう」と画策したことで、強盗=犯人と目する警察と、証拠を消し去りたい大統領側の双方から追われる状況になるんですが、ルーサーはルーサーで高飛び直前に見た大統領の記者会見に頭に来て「この男(大統領)許すまじ!」と義憤にかられて闘いを挑むような構図になっていく上に、さらに奥さんをルーサーに殺されたと思い込んでいるサリバンからも刺客が送られたり、そこにさらにルーサーの弱みとして(ありがちですが)疎遠の娘が狙われたりと、ルーサーを中心にそれぞれの思惑がバチバチに交錯する展開は結構先が気になるお話ではありました。
ただ、終盤のいわゆる解決編的な展開ではちょーっと勢い任せでお決まりのシーンが登場したり、という若干丁寧さに欠けるような印象を持ったのも事実で、いわゆる「イーストウッド映画」的な深みのある感じではないかなぁ、という気がします。決してつまらないわけではないんですが、もう一歩「うおー!」っていう展開が欲しかったな、と。
ですが、最初に書いたように今の時代から観ても(というか今の時代から観たら、かも)なかなか豪華でいぶし銀なメンバーが集っている映画なので、その辺に価値を見出だせる人であれば一見の価値はあるかもしれません。
特に「24」ファンは歓喜するんじゃないかなー。一緒に出ているシーンは無いとは言え、おそらくパーマー大統領とシェリー・パーマーが共演している映画はこれ一本だと思われるので、なかなか感慨深いものがありました。
このシーンがイイ!
これはやっぱり中盤の見どころであるカフェのシーンですかねー。緊張感たっぷり、先が気になるいいシーンでした。
ココが○
やっぱりキャストが一番の見所だと思います。ジーン・ハックマンも引退しちゃいましたしね…。ジーン・ハックマンのシークレットサービスがスコット・グレン、っていうだけで結構グッと来るってもんですよ。
あとは最終的な満足感は別として、謎解きではないだけにあまり頭を使わずに観られる映画でありつつもそれなりにサスペンスとして惹きつけてくれる、というお疲れのアナタになかなか優しいサスペンスですよ、ってなところでしょうか。
ココが×
全体的にはテンポも良くて不思議と飽きさせない映画ではありますが、オープニングの泥棒に入ってから不倫→殺人事件までが妙に長い。その後のテンポが良かっただけに…緊張感を持たせたかったのもわかるんですが、惜しいところ。
あとは上にも書いた通り、もう少し「大統領が追い詰める」部分をえげつなく観たかったなー。大統領の割に正攻法というか…まあ事件が事件なだけに権力を使えないというのもわかるんですが、もうちょっと追い詰める力量が欲しかったところ。
MVA
そんなわけで実力派の揃ったこちらの映画、誰にしようか悩んだところ…この人!
エド・ハリス(セス・フランク役)
事件担当の敏腕刑事。
エド・ハリスの“良い役”を久々に観た気がして嬉しかったんですよね。地味な役ではあるんですが、正統派の刑事としてきっちり締めてくれた感じが良かったです。


