映画レビュー1245 『BAD CGI SHARKS 電脳鮫』
先週はMacのOSをバージョンアップしたら不具合がひどすぎて環境復旧に時間がかかってしまい更新できず、この週末はスプラ3発売によってブログなんて書いてる場合じゃねぇとやりすぎて頭痛くなって寝ていたので更新できずにいました。
今月曜日なんですが、仕事が暇すぎるのでこっそり更新して週末更新したフリで切り抜けようと思います。
ということで本題。
今回はしばらく自己推薦作が選ばれていなかったために大衆に迎合して観たくもないクソ映画をポピュリズム推薦した結果、めでたく圧勝で選ばれてしまったこちらの映画をウォッチパーティにて。
BAD CGI SHARKS 電脳鮫
マジャマ
ジェイソン・エルスワース
マシュー・エルスワース
マッテオ・モリナーリ
マシュー・エルスワース
ジェイソン・エルスワース
マッテオ・モリナーリ
ジェン・リュー
ジョシュ・スターリング
ショーン・ランドリー
オータム・クロケット・クーパー
クリストファー・ティサ
Emilio Pozzolini
2019年8月3日 アメリカ
93分
アメリカ
Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)
脱線水増しC級サメ映画。
- 頭のおかしな兄と再会し、子供時代の夢だったサメ映画が現実になる
- 監督(風)の男が物語に介入、第四の壁を壊しまくり
- 「この時間何?」が延々と続く水増し感
- しかしどこか憎めない魅力あり
あらすじ
狙い通りに選ばれたものの、自分としては正直イマイチで「ウォッチパーティだから楽しいけど…」な映画だったんですが、参加者には割と好評でみんな好きね、と。
サメ映画のCG制作会社っぽい謎の企業で働くマシュー(マシュー・エルスワース)は、兄が彼の元にやってくるとのことで取り乱し、大事な昇進面接のときに暴言を吐きまくった結果めでたくクビに。
そしてやってきた兄・ジェイソン(ジェイソン・エルスワース)は「時間もあるし映画作ろうぜ!」とかつてマシューが幼少期に書いたサメ映画の脚本を持参。
そこに現れた映画監督風の謎の男・ベルナルド(マッテオ・モリナーリ)が“魔法をかけた”おかげでCGのサメが海の概念も関係なく普通に陸をフヨフヨ漂い始めます。
こりゃヤベーぞってことで逃げる兄弟。しかしベルナルドは「サメ映画の基本」を語り、このあとの展開を予言しますが…どうなることやら。
第四の壁破壊アピール強め
上記あらすじは少し進んでからのお話で、実際のオープニングは映画監督風の男・ベルナルドによるサメ映画解説から始まります。
そして「ある兄弟の物語」として紹介されるのが本編という形になり、そこにベルナルド自身も登場人物としてメタ的に参加してくる、と。
この導入部分からして結構人を喰ったような内容になっていて、ぶっちゃけかなりとっちらかった映画ではあります。まー話が進まない。進まないというか何が言いたいのか見えてこないというか。
途中でベルナルドの一人番組が唐突に始まったりもして、とにかく本線から逸れた水増しエピソードが多く、物語そのものを見るとすればかなり散漫な内容と言っていいと思いますが、しかしこの映画に物語そのものを期待するのもまた違う気もするし、この全体的にとっ散らかった自主制作感漂う世界観自体を楽しむ映画、ということなんでしょう。
僕としてはこの手のコメディは全然アリだとは思うんですが、それにしてはちょっと悪ふざけがすぎる感じがして、評価としては今ひとつ。
どうしてもあのクソ映画「恐竜神父」と比べたくなってしまうところですが、一応真っ当に(?)その世界の中でふざけきったあちらと比べて、こちらは「第四の壁の破壊」がかなり大きな要素になっている分、好き嫌いが分かれそうな気がするし僕はそんなに好きではないな、というお話です。どうしても「第四の壁の破壊」はあざとく感じちゃうんですよね。僕は。「面白いだろ感」の押し付けを感じてしまうというか。
ただ最初に書いた通り、他のウォッチパーティ参加者には結構好評だったので好きな人は好きだと思います。
僕もウォッチパーティだったのでバカ話しつつ盛り上がって楽しかったんですが、じゃあこれを一人で観るかと言われればかなりしんどいなと思います。一人で初見だったら途中でやめてそうなぐらい、何を言いたいのか何がしたいのかがわからないしギャグも上滑りしている感じがするしで。
あとタイトルの割にCGがそこまでひどくないのもちょっとガッカリ。例えるならPS3ぐらいのイメージ。
僕はPS1レベルを期待していたので、もっとポリゴン感出してほしかったなと。ひどいCGに食われる感じの方が面白いと思うんですけどね。まあまあ頑張ってるレベルなのでもったいない気がしました。
とは言えもう海とか水とか関係なく普通にその辺を漂うサメのシュールさもあり、嫌いじゃないというか嫌いになりきれない妙な愛嬌もある映画だとは思います。
率先してオススメすることはできない
ちなみに鑑賞中はずっとベルナルド役の人が監督(兼出演)だと思っていたんですが、監督は「マジャマ」さんということで…これは公式サイトによると主役のジェイソン・マシュー兄弟&ベルナルドを演じた3人(「Matthew」「Jason」「Matteo」)の名前の頭文字を取って「マジャマ」だそうです。なるほどね!
脚本もこの3人だし、だったら脚本もマジャマさんでよくね? と思うんですがまあそこは置いときましょう。
はっきり言って筋を追うだけなら30分程度で済みそうなお話なんですが、小ネタ小ネタで水増しを繰り返した結果3倍に膨れ上がったB級映画、いやC級映画と言ったところです。
“そういうの”が好きな人はきっとたまらない映画だと思いますが、率先してオススメすることはできない…そんな映画でした。
このシーンがイイ!
いいシーンもヘッタクレもないんですが、終盤両腕をサメに食われつつ(痛がりもせず)普通に会話するシーンで頑なに両腕の先にいるサメを映さないコスト管理っぷりがしびれましたね。ああいうところ最高。
ココが○
オープニングで「サメ映画と言えばゴア!」みたいなことを言いつつグロさゼロなので安心して観られます。
あとはレベルの低いCGを腐す部分もそうだと思いますが、きっと他のサメ映画に詳しければいろいろ「あるある」と楽しめる面はあるんだと思います。僕は幸か不幸かなぜかこれが初サメになったので全然ピンとこなかったのが悔しい。
ココが×
単純に面白いかと聞かれると微妙。いろいろ周辺事情も加味して“楽しんであげないと”いけない感じ。笑いに振るなら「恐竜神父」の圧勝です。
MVA
誰でもいいっちゃいいんですが…この人に。
ジェイソン・エルスワース(ジェイソン役)
バカ兄。
バカ兄なんだけど憎めない感じが良かったですね。カリカリしてる弟よりかわいい感じで。
ただ実際にこんな兄貴がいたら迷惑なのも確か。