映画レビュー0544 『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』

この映画もちょいちょい予告編を観る機会があり、ちょっと観たかったのでついでにレンタルしてきました。

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

Grace of Monaco
監督
脚本
ラッシュ・アメル
音楽
公開
2014年5月14日 フランス
上映時間
103分
製作国
フランス・アメリカ・ベルギー・イタリア
視聴環境
TSUTAYAレンタル(ブルーレイ・TV)

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

人気絶頂の最中、モナコ公国に嫁いだ女優、グレース・ケリー。幸せな日々も束の間、フランスとの緊張関係が日々高まる中、グレースは公妃として一つの賭けに出る。

伝記というよりは政治フィクション。

7.0

ご存知の通り、グレース・ケリーと言えば今見てもまったく色褪せない美人中の美人として未だに映画ファンの中では伝説の人物だと思いますが、その伝説の一端には間違いなく「王国に嫁いだ」シンデレラ・ストーリー的なものも多分に含まれているわけで、その彼女の「おとぎ話」の続きがどんなものだったのか、そんな我ら泥水最下層民衆の興味に応えようとする映画です。

オープニングでは「史実を元にしたフィクション」と出てきて、じゃあまあ結局フィクションなんだよね、という話なわけですが、あまりあの辺の政情に詳しくない遠い東方の島国民としては、割と素直に受け入れられるストーリーなのではないかなと思います。

物語はグレース・ケリーの女優引退後を描いたものですが、かと言ってその後死去するまでの長い月日を描くわけではなく、「嫁いでからモナコ王妃として覚悟を決め、危機を脱する」までの短いある一時期を描いているだけなので、彼女の半生というよりは、グレース・ケリーという極めて珍しい“女優出身王妃”の、その特異な立ち位置を利用した外交手段の一部を描く、どちらかと言うと政治的な色彩の強いドラマ映画と言えます。

そんなわけで、政治ネタが大好物の僕としては、普通に「女優の半生を描きました」みたいな映画よりもよほど興味を持って楽しめたわけですが、ただ最終的な見せ場である“賭け”に関しては、言うほど賭けになっていない(リスクとリターンが釣り合っていない)ので正直結構拍子抜けしました。見所としてピークに持ってきたシーンがあんまりグッと来ない、っていうのはこの手のドラマとしてはなかなか辛いものがあり、なかなか緊張感を持って楽しめていただけにガッカリ。

それでもただの外交物語ではなく、ベタですが裏切り者の存在があったりして、意外と誰でもそれなりに楽しめるような話にはなっていると思います。とは言えやっぱり…グレース・ケリーとかモナコという国とかに興味が無いと、ただボケーっと観るにはしんどい映画かもしれません。

興味があるテーマであれば、それなりに楽しめますよ、という位置の映画かなと思います。まとめ。

このシーンがイイ!

うーん、特にコレというのは無かったかな…。

ココが○

やっぱりグレース・ケリーという人は世にも稀な文字通りのシンデレラ・ストーリーを歩んだ人なので、その人の人生を描くだけでドラマになるすごさ、っていうのはあると思いますね。

ココが×

もう一つ盛り上がりに欠けるところ。厳しく言えば、伝記としても政治ものとしても中途半端ではあります。

MVA

ニコール・キッドマンは確かにすごく綺麗で演技も良かったんですが、ただやっぱり…グレース・ケリーご本人と比べると、もう一つオーラに欠ける気がします。酷ですが。ということでこちらの方をチョイス。

フランク・ランジェラ(フランシス・タッカー神父役)

これはもう役どころが美味しいので仕方ないところですが、とても落ち着いていて大きな存在感、お見事でした。

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