映画レビュー1033『ハッピー・デス・デイ』
ある時ちょっとお急ぎ便を使いたい注文があったので、現在またもアマゾンプライムお試し加入中でございます。
そこでアマプラにあるから観てねとオススメが流れてきたこちらの映画、気になっていたので観ることにしました。
ハッピー・デス・デイ
2017年10月13日 アメリカ
96分
アメリカ
Amazonプライム・ビデオ(PS4・TV)

アレっぽいけどひねりが効いてて◎。
- 誕生日に殺されては同じ日の朝に戻るループホラー
- あの手この手で回避を狙うも繰り返され、体にもダメージが…
- ホラーとは言えグロくもなくやや軽くてとても観やすい
- ロジックは最後まで不明
あらすじ
一応ジャンル上はホラーになっていますが、実際は少しコメディタッチのサスペンスに近いかな〜という印象で、その分僕としては観やすかったし面白かったです。何よりグロく無かったので。
主人公のビッチ女子大生・ツリー(ジェシカ・ローテ)は、ある日の朝同級生の男子、カーター(イズラエル・ブルサード)の部屋で目を覚まします。
どうやら前日は相当に酔っ払っていたようで、名前すら覚えていない男子の家でお目覚め…ということはシチュエーション的に「やっちまった」感が高く、自己嫌悪をカーターにもぶつけながら自分の部屋へ朝帰り。
朝帰りを同じ女子寮(シェアハウス的な寮っぽい感じ)のメンバーに冷やかされつつ、ルームメイトのロリに誕生日をお祝いされるも無碍に扱って大学へ。さらに父親からの連絡はガン無視、教授と不倫に興じつつ夜のパーティ会場へ向かう途中で気味の悪いオルゴールを発見します。
なにせ自分が誕生日なので、これは誰かの嫌がらせなのでは…と訝しげにオルゴールに近づくと、大学のマスコットである赤ちゃんのイラストが描かれたお面をした人物と遭遇。逃げようとするも捕まってグサリ。
するとまたカーターの部屋で目が覚めるツリー。「どういうこと…?」と“前日”と同じ行動をする周りの人々を眺めながら、例のトンネルはスルーしてパーティ会場へ。
パーティもほどほどにチンコ野郎とイチャイチャしていたらまたも現れるお面の人物。チンコ野郎が殺された後に彼女も再度殺され、またもカーターの部屋で目覚めるツリー。
「同じ日をループしてる…」と気付いたツリー、果たして彼女はこの殺され続けるループから抜け出すことができるんでしょうか。
ほぼ“あの映画”っぽいけど…?
ということでおなじみのループもの。しかしおなじみの設定でありつつ、目新しいのは「必ず主人公が殺されて朝に戻る」という点。他にもあるんでしょうか。僕は観たことがないのでわかりませんが、新鮮で楽しめました。
必ず殺されて戻るだけに当然本人としては胸クソ悪いし、おまけに他のループものと違って「完全に前日の同じ状況に戻る」わけではなく、どうやら刺された箇所とか死因になった体の部分にダメージが残っているようで、「延々と繰り返しながらいつか犯人を見つければいいや」とのんきなことも言っていられないという。
最初に書いた通り、ホラーではありますが殺される場面も血が飛び散ったりみたいな描写があるわけでもなく、死ぬ瞬間に朝に戻るので、設定的には気味が悪い話ではあるものの「怖さ」という意味ではかなり物足りなさはあります。僕はそれが良かったんですが、ジャンル通りホラーを期待して観ると肩透かしを食らう映画でもあるでしょう。
主人公はあらすじからしてわかる通り結構なビッチガールで、もう序盤はとにかく「観客から嫌われる」ような言動が目立つような登場人物なんですよね。「そりゃ恨みも買うでしょ」みたいな。
ただそれは本人もある程度自覚があるらしく、徐々に改善していく…という辺りからしてこれはあの映画(一応タイトルは伏せますがリンクは貼っておきます)の物騒版だね、と思うわけですが、当然それは作っている方も意識しているようで、劇中のセリフでその映画のタイトルがまんま出てきてたりします。
となると丸被りじゃ面白くない…というわけで少しひねりが効いた内容になっていて、そこがまた面白かったですね。観客の先入観を利用してちょっと変えてくる辺りが巧みでした。
観やすく楽しいホラー
何度も書いているようになにせ僕はループものが好きなので、もう最近はループしてるだけで面白そうだぜと思っちゃうぐらいには甘いんですが、それを差し引いてもなかなかテンポも良いし決着の付け方も納得が行くものだしで割と万人にオススメできる映画の一つだと思います。
ただその分上に書いた通り「ホラーと言いつつ怖くはない」ので、ホラーガチ勢にとっては不満がありそう。マジで怖いものが観たい、肝を冷やしたいという方々にはオススメ出来ません。
“あの映画”はそこそこ古い映画なので、もうあの映画を観ている人もきっと映画好きでない限りはそんなに多くもないんだろうし、そういう意味では大半の人には新鮮なループものとして受け入れられた土壌もあったのかもしれないですね。それ故にあまりメジャーなキャストが出ていない映画でありつつヒットしたのかもしれません。
とりあえず面白かったので、アマプラ加入中に続編もぜひ観たいと思っています。次はしっかり怖がらせてやるぜ! とかなってなければいいんだけど。
このシーンがイイ!
もう我ながらベタすぎて嫌になりますが、お父さんとのシーンはわかりやすくウルッと来ちゃいましたよ…。本当に弱くなったもんやで。
ココが○
設定が面白そうだと思えればおそらくほぼ確実に楽しめるであろうわかりやすさが一番良い点ではないでしょうか。あんまりダラダラやらずに100分足らずで終了するのもグッド。
ココが×
結局最後まで「なぜループしているのか」が不明な点はやっぱり少し気になります。まあそれを言い出したらループものなんて作れないんですけどね。ただやっぱりきっかけが何だったのかは気になる。
MVA
大学生が主人公ということもあってでしょうが、割と新進気鋭の方々だけで構成された映画で見たことがある人がいなくて新鮮でしたが…結局この人かな。
ジェシカ・ローテ(テレサ・ゲルブマン[ツリー])
主人公。とにかく序盤のビッチ感がイライラしつつすごく似合ってました。
そのビッチ感が強さに変わっていく辺りの演技力と説得力が良かったのではないかと。続編も彼女が主役のようなので、どう変わっていくのか楽しみです。