映画レビュー1428 『巨大クモ軍団の襲撃』

今回より4本ほど、(例によってだいぶ時間が空きましたが)お盆特別企画として「配信で観られないけどどうしても観たい」作品を久しぶりにTSUTAYA DISCASを利用して借りて観ました。
単品でも割と安いし借りる&返す手間も店舗より全然楽だしマニアックな映画もあるしで今あえてのTSUTAYA DISCAS、アリだな…!
今回はタイッツーでつながっている「息を吐くようにキラートマトを観続ける」方からオススメされた作品。(タイトルからしてB級感すごいけど)これも超B級なのか!?

巨大クモ軍団の襲撃

Kingdom of the Spiders
監督

ジョン・カードス

脚本

リチャード・ロビンソン
アラン・ケイルー

原案

ジェフリー・M・スネラー
スティーブン・ロッジ

出演

ウィリアム・シャトナー
ティファニー・ボーリング
ウディ・ストロード
ロイ・エンゲル
ナターシャ・ライアン

公開

1977年8月24日 アメリカ

上映時間

96分

製作国

アメリカ

視聴環境

レンタルDVD(TSUTAYA DISCAS)

巨大クモ軍団の襲撃

「鳥」亜種だけど鳥より好き。

6.5
動物の急死を調査していった結果、犯人は“蜘蛛”だったが…
  • 例によって大量に増えていく蜘蛛によるパニック映画
  • 内容的にかなり「」に近く、おそらく鳥後に制作された大量の亜種の一つ
  • 超B級かと思いきや意外としっかり作ろうとした意欲を感じる
  • タイトルのような巨大蜘蛛は登場しないので注意

あらすじ

なにせキラートマトマニアのオススメなので同じぐらいゲラゲラ笑わせてくれるのかと笑うつもりで期待して観ていたんですが、これが思いの外ちゃんとしていてごめんね、っていう。バカにしようとしてごめんね、って。

ある村で品評会的なものに出すつもりで大切に育てていた子牛が突如泡を吹いて倒れ、村の獣医であるハンセン(ウィリアム・シャトナー)に治療の依頼が来ますがその後あえなく子牛は死亡してしまいます。
原因もわからず仕舞いだったために彼は血液サンプルを大学の研究室に渡し、分析を依頼。その結果、どうやら蜘蛛の毒が原因らしいとのことでクモ学の研究者アシュリー(ティファニー・ボーリング)が村へやってきます。
その後子牛と同じ飼い主が飼っている犬も同様に死んでしまい、これも蜘蛛の毒が原因とわかったことでいよいよ蜘蛛がヤベーぞとなりますが市長(村なのに)もあまり深刻に考えておらず、閉鎖措置が取られないまま徐々に増えていく蜘蛛。
やがて例によって人も襲われ始めるわけですが…あとはご覧ください。

8割「鳥」

主人公と若いクモ学研究者女性との色恋めいた話も匂わせつつ村中が蜘蛛によってパニックに陥る、もう本当に8割ぐらいは「鳥」って感じの内容でした。本当にたまたまなんですがちょっと前に観ておいて良かった。
鳥と比べると蜘蛛は毒を持っている(実際は持っていないのも多いみたいですが)イメージが強い分、意外性は無いものの怖さや気味の悪さは勝っているので方向性としてはわかりやすいパニック映画と言えます。
「鳥」はその意外性こそが肝だからそこを普通にしちゃったらただのB級じゃん…と言われるとその通りなのでぐうの音も出ないわけですが、ただいろいろ不満のあったあちらと比べるとわかりやすい分不満も少なく、その上何と言ってもオチが全然良かったのでどちらかと言うとこっちのほうが好きです。超B級と思われたこの映画がヒッチコックにまさかの勝利。
実際あちこちでB級感は感じられるんですが、言うて「鳥」もそうやったやんという思いがあるのでそこも含めて鳥っぽかった。結果、すごく鳥。きついんだけど笑っちゃうところもあって。
おそらく鑑賞した誰もが言うであろう「タイトルの巨大クモが出てこねーじゃねーか!」については完全に邦題の問題なので文句は配給会社に言うべきでしょう。逆に制作陣は余計な邦題を付けてくれたおかげで色眼鏡で見られてしまう迷惑を被っていると言えます。
今なら絶対にやれないであろう「大量の生きた蜘蛛をばら撒いて(車で轢いたりして)撮影する」のもやはり妙な迫力と気持ち悪さがあり、これはこれでちょっと他では観られないものがあると思います。パペットでグワグワやってる鳥とはワケが違う。
当然そんな映像がふんだんに登場するので、蜘蛛が苦手な人は(タイトルからして避けるでしょうが)観ないほうが良いのも間違いないところ。特に弱くもないけど好きでもない自分でも、さすがにいっぱい出てきすぎて気持ち悪かったです。本当にものすごい量の蜘蛛が出てきます。よく集めたな…。
それもあって「撮影めっちゃ大変だっただろうな…」と慮ってしまう側面もあり、それ故に妙に同情的に観て「意外と悪くないな…」と思った、という説もあります。

わんこにほっこり

とは言えまあ結局一発勝負みたいな映画なので、他に特に言うこともなく。オチが意外と良かったよ、というのは重ねて書いておきたいところ。
他のポイントとしては、あらすじに書いた通りわんこが死んでしまうのでそこがつらいところではあるんですが、死体確認シーンで当該わんこが思いっきり息してたのでほっこりしました。わかってはいたけど安心。
しかし序盤、意味ありげに蜘蛛に食われてたスタンドのおっちゃんが何もなかったのはなぜ…?

このシーンがイイ!

主人公が姪っ子ちゃんを助けに行くんですが、蜘蛛に囲まれる姪っ子ちゃんに「飛び込んで来い!」と飛び込んで来させておいてその後ポイって放り投げるのひどすぎて笑いました。カットがかかったと勘違いしたにしてもあの放り投げっぷりはひどい。
それはそれとして、良かったシーンとしてはやっぱりオチでしょうかね…。

ココが○

思いの外ちゃんとしているところ。ちゃんと観られました。

ココが×

やはり何と言っても大量の蜘蛛が出てくるのでかなり人を選ぶのは間違いないでしょう。下手したらグロい映画より観られない人多そう。
あと主人公が時代+西部という環境を織り込んだ上でも結構なナンパ野郎っぽくてクソでした。

MVA

正直役者さん的には誰でもいいっちゃ誰でもいいんですが…この人にします。

ナターシャ・ライアン(リンダ・ハンセン役)

主人公の姪っ子ちゃん。子役。
そんなに演技がめちゃくちゃ良かったとかもないんですが、まああれだけ大量の蜘蛛を相手に仕事しただけでも褒められて然るべきですよ。大人だって嫌なのに。(もしかしたら大人の方が嫌かもしれないけど)
上記の放り投げられも含め、文字通り体当たりで頑張っていたのでよくやった、ということで。

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