映画レビュー0632 『神様メール』

今年1発目はこれを観ようと決めていました。すごく観たかった1本。このために元日からTSUTAYAへ行って5本ほどレンタルしてきました。

神様メール

Le tout nouveau testament
監督
ジャコ・バン・ドルマル
脚本
ジャコ・バン・ドルマル
トーマス・グンズィグ
出演
ピリ・グロワーヌ
ヨランド・モロー
フランソワ・ダミアン
音楽
アン・ピエールレ
公開
2015年9月1日 ベルギー
上映時間
115分
製作国
ベルギー・フランス・ルクセンブルク

神様メール

ベルギー・ブリュッセルに暮らす神様は、書斎で旧式のパソコンを使い、日々人間への嫌がらせを繰り返していた。彼の性根の悪さと自分への虐待行為についに怒りが爆発した娘・エアは、父の書斎に忍び込み、全人類の余命を一斉にメールで送信し、家出する。かくしてエアの「新・新約聖書」作成に向けた、6人の使徒探しが始まる。

宣伝と内容がだいぶ違う要注意案件。

7.0

神様は今も実在していて、パソコン(!)を使って「パンが落ちる時は必ずジャムを塗った側から落ちる」などのとんでもなく小物臭いルールをしこたま作り続けたりしながら日々人間に嫌がらせをしていて、その父(神様)の横暴ぶりにブチ切れた娘・エアが、腹いせに全人類に余命をお知らせ、人間たちは「もうすぐ死ぬし」とか「死のうと思っても死なないし」とかで勝手な行動を始め大混乱、そこにエアも「初めての下界」に繰り出し、「新・新約聖書」を作ろうと自分の使徒になる6人を探す…というファンタジーコメディ。

設定からしてとてもイイですね。面白い。

そいで神様がもう最初から最後まで、徹頭徹尾クズ野郎。ここがまたイイ。変に改心とかしない(神様が改心、って言うのもなんか変な気もしますが)のがイイ。

ただ、全体的にはひじょーにヨーロッパらしいややシニカルな雰囲気とセリフで展開する、ある意味では哲学的な内容になっていて、予告編やパッケージでガンガン押し出している「ポップで幸せなコメディ」という感じはほとんどありません。これホントに要注意だと思う。配給会社の売り方がかなりひどい。

もちろん、こういう映画を売るためにはこういう手法を取らざるを得ない気持ちはよーくわかりますが、しかし広報のイメージとギャップがありすぎて、観た人が「えー、こんな映画なのか」って違和感を抱いちゃう不幸が間違いなく待っていると思うんですが。ってか自分がそうでした。

面白かったのは面白かったんだけど、もっとキュートな映画なのかと思っていただけに、なんなら少しブラックコメディ的な雰囲気はかなり騙された感がありましたね。

「うれしい未来、受信中!」

じゃねーよ! アホか!! ※公式サイトにあるキャッチコピー

言っちゃえば“受信”するの、最初の余命宣告だけだからね!?

どうも原題(新・新約聖書)と邦題が違いすぎる、と一部で話題になったらしく、そこを突っ込んだ取材もあって、配給会社の方が「これでもいい方なんですよ」とか喋ってる記事も読みました。確かに邦題としては悪くないと思います。嘘じゃないし。

ただ売り方が嘘すぎるんだよクソが!!

少し興奮してしまいました失礼レーシツ。

というわけでですね、公式サイト・予告編その他の雰囲気を期待するとまず間違いなく裏切られるので、あんなライトでハッピーな感じじゃない、もう少し難解なものを想像して観た方が良いと思います。確かにコメディではありますが、なんならちょっと暗めって言ってもいいぐらいの感じだし。印象ほど軽くはないです。

時間的に最も長い尺が充てられている6人の使徒紹介は特段面白いということもなく、結構退屈だったりもするので、僕としては期待が大きかった分、残念さも増しました。ただ、予想よりは深いお話のような気がしないでもなかったので、そこは嬉しい誤算だったかも。

浅学故に例として「この映画っぽい」とか書けないのが残念なんですが、ポップな広報イメージに過度な期待はしないで、ちょっとシニカルなファンタジーとして観ることをオススメします。

設定はとてもオリジナリティがあるし、やはりハリウッドとは違う独特の雰囲気もあるので、ヨーロッパ系の映画に慣れている人はそれなりに楽しめるんじゃないでしょうか。

このシーンがイイ!

神様が教会で神父にボコボコにされるのは笑いましたね。いやそりゃされて当然なんですが。とにかく神様がクソなんですが、その扱いも妥当なのでコメディ的にはそこが一番良かった気がする。

ココが○

設定と神様ファミリー各人の役割はとても良いと思います。あとは、エアが各人を音楽に例えるので、音楽(特にクラシック)に詳しい人は、もっと楽しめるんじゃないかと思います。

ココが×

単純に、使徒6人の話がさして面白くないのが残念。丁寧に見せているようで、あまりその背景が活きたエンディングとも思えないし。

MVA

新・新約聖書を書く浮浪者の爺さんがなかなか良かったんですが、しかし順当にこの人かな。

ピリ・グロワーヌ(エア役)

神様の娘で例のあの人の妹。

いやー、かわいかったですねぇ。賢そうな雰囲気もグッド。「最後の晩餐」に加えられたエアの絵がまたかわいーんだ。当然ながら、演技もお上手です。

これが芦●愛菜とかの日本的「名子役」であれば、大げさすぎて鼻に付く気がしますが、さすがあちらの子役はお上手です。

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