映画レビュー0250 『穴』

かなり間は空きましたが、おなじみ「TSUTAYA DISCAS一生届かねーんじゃねーかシリーズ」…かと思いきや届いたという。レアDVDです。復帰直後には優しかったりするのかしらね。

Le Trou
監督
ジャック・ベッケル
脚本
ジャック・ベッケル
ジョゼ・ジョヴァンニ
ジャン・オーレル
出演
マーク・ミシェル
ジャン・ケロディ
ミシェル・コンスタンタン
フィリップ・ルロワ
レイモンド・ムーニエ
カトリーヌ・スパーク
音楽
フィリップ・アルチュイス
公開
1960年3月18日 フランス
上映時間
132分
製作国
フランス・イタリア

穴

ある日、4人が収監されている監獄に、感じの良い青年が移送されてくる。脱獄を計画していた4人は悩みつつもこの青年を仲間に引き入れ、来る日も来る日も穴を掘り続けていく。

ストイックな脱走は緊張感アリ。でもちょっと不満。

6.5

モノクロ映画で音楽もほとんど無く、とにかく地味な映画ではありますが、数ある“脱獄モノ”の中でもかなりストイックな、計画遂行のための行動に集約されたストーリーは緊張感と切実さが際立っていて、あっという間の2時間強でした。

最初に4人の監獄に放り込まれてくるガスパールについては、どういう犯罪を犯したのか、なんでここに来たのか等の説明は若干ありますが、他の4人に関してはそういう説明もほとんどなく、「最初からそこにいて、出ようとする人たち」でしかありません。その辺りの無駄さを省いて、脱獄への執念の描写を積み上げていく映画なので、緊張感とそれに掛ける思いのほどはよーく伝わってくるでしょう。

なので、道中に関しては特に不満もなく、「これどういう結末になるのかなぁ」と期待しながら観ていた感じ。で、そのラストをどう捉えるか、というところで評価になるわけですが…。

ネタバレになるだけにあまり書けないところですが、何と言うか、個人的にはちょーっとシンプル過ぎるかな、と。言いたいことはわかるし、登場人物の気持ちや考えに思いを馳せれば、なかなかに味わい深い映画だとは思います。“間”であったり、“重み”であったり、スルメのように噛み締める味わいがあったのは確かでしょう。ですが、僕にはちょっと物足りなさが残りました。道中の惹きつけ具合が良かっただけに、余計に。

割と単純な展開で終わりを迎えるので、期待していた分、どうしてもこの結末は読んでた部分があったし、「えー、それかー」と思っちゃったような。決して悪い映画ではないです。実直で惹きつける魅力のある映画でした。が、これを手放しに「傑作だ」って言うのは、ちょっと違う気がします。

「味があるでしょ、美味しいでしょ」と言われて出されて、「はい、美味しいです」って言わないと「わかってないヤツだな」って見られるから逆らえない、そういう妙な空気感みたいなものがあるような…。ちょっとだけ、監督のそういう「わかる奴はわかる」みたいなエゴが感じられたんですよね。

わかるけど、そういう言い方ないじゃない、と。僕はそう思いました。そこが惜しかったな、と。完全に僕の個人的な好みの問題ですが。

このシーンがイイ!

でもやっぱりなんだかんだ言って、一番味があったのはラストのロランのセリフかな、と。

ココが○

上にも書きましたが、脱獄計画自体の緊張感や集中力は、数ある脱獄モノの中でもかなり上位に位置する良さがあるように思います。

もちろん、時代的に今から考えるとそんな簡単じゃないだろ、っていうのはあるんですが、「ただ脱獄に向けてがんばるシーン」だけでも見せてくれる力強さっていうのはなかなかのものがありました。

ココが×

きっと好きな人はこの映画の良さとしてピックアップするポイントなんでしょうが、やっぱり僕としてはラストのシンプルさが少し引っかかりましたね。

あとは…この当時は実際そうだったのかもしれませんが、最初の掘ってるシーン、あんな音立ててたら誰か来るんじゃないの、っていうのがちょっと。

MVA

なんでもロラン役のジャン・ケロディはこの話の元となる脱獄を実際にした人だそうで、監修兼主演という役割。面白いですね。

大脱走」のジェームズ・ガーナーを彷彿とさせる人がいたり、主要メンバーはどの人も味があったと思いますが、一人選ぶと…。

カトリーヌ・スパーク(ニコール役)

ワンシーンしか出てこない、面会に来たガスパールの彼女。

まだ幼さはあるものの、綺麗! フランス映画に出てくる女優さんらしい綺麗さ、かわいさがあって、男だらけの映画なだけに余計に印象的でした。

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