映画レビュー0249 『幸せへのキセキ』
一番近い某109シネマズの無料鑑賞ポイントが貯まったので、ちょいと観たいと思っていたコチラの映画、観に行って参りました。
幸せへのキセキ
爽やかで純粋な空気が素敵。
「新しく家を買おうとしたら動物園付きで、購入はその動物園を経営するのが条件です」なんて言うと、まず「動物園の物語を作りたいんだぜ」という前提ありきの話に見えちゃってイマイチ胡散臭くなりそうなところですが、それが実話だっていうからスゴイ。
奥さんを亡くしてから、一人ドタバタと子供二人を育てるベンジャミン。でも息子は退学させられたりしてうまく行ってないし、反抗期気味で意思疎通もうまくいってない。そんな家庭を再生させたいという願いも込めて、思い切って動物園の経営に乗り出して、トラブルも乗り越えてなんとか開園にこぎつけようと奮闘する彼と動物園スタッフのお話ですが、これがまあ何と言うかいい意味で非常に普通。
素人がプロのスタッフたちの上に立って、一からがんばります、という話の枠からはみ出るものは無く、すごく真っ当というか。きっと自分でもこういう状況になったらこうしてるだろうな、という感じです。…と書いてて思いましたが、まさに全然ジャンルは違えど、「ゴーストライター」と同じような感覚。普通の人が、普通に頑張ってこうなりましたよ、と。だから嘘くさくないし、共感できる内容になっていました。
派手さは無いし驚くような展開も無いですが、静かに進んで行く家族&スタッフの姿が爽やかで心地よく、素直に応援してあげたくなるお話です。そんな話だけに、監督の力量というのが映画のデキをかなり左右するように思いますが、そこはさすがキャメロン・クロウ。ところどころでこれまた爽やかに洋楽を挿入して、前向きさやひたむきさを隠し味程度に見せてくれます。お上手。
そもそもなんでこの映画を観に行ったのかと言えば、やっぱり「あの頃ペニー・レインと」のキャメロン・クロウが手がけたなんか爽やかそうな映画だぞ、ってところからなので、そういう意味では個人的な目標は結構達せられたような気がします。ベタでも泣いちゃうし、鼻につくような功名心が出てこないシンプルな演出がすごく良かった。
舞台も狭く、大したトラブルも無かったりして、本当に普通の物語ではあるんですが、その分誰にでも受け入れられる器の大きさがある映画な気がします。
個人的には期待より良かったかな? 素直な気持ちで観ると、きっと爽やかに感動できると思います。
このシーンがイイ!
ベンジャミンと息子・ディランの口喧嘩。本気でやってる感じが迫力あって。息子さんも上手でしたねぇ。
ココが○
誰にでも勧められるところ。言ってみれば、「深く考えなくてもいい気持ちになれるドラマ」と言う感じ。疲れた時に観るといいかもしれません。
ココが×
予想通り、邦題がクソでしたね。考えてみれば「キセキ」なんて起こってないんですよね。一切。至って普通にしっかり努力しました、っていう話なのに、このタイトル。まあ「軌跡」とかけてるんでしょうが、安っぽいことこの上ないです。
それと一つ少し気になったのが、マット・デイモン演じる主人公のベンジャミン、ちょっと死んだ奥さん引きずりすぎじゃないかな、と。実際のベンジャミンさんがそうなのかもしれませんが、それにしてもちょっとなぁ、と思いました。少し。
MVA
相変わらず演者もよろしくてですね。
最近この手の役がハマってきたマット・デイモンはもちろん良かったし、いつもの「女っ気」を感じさせないスカーレット・ヨハンソンもハマってたし、息子はイケメンで感情表現もお上手、娘はなんか小さいから普通にかわいい、と。そんな中、選んだのはコチラ。
トーマス・ヘイデン・チャーチ(ダンカン・ミー役)
マット・デイモン演じるベンジャミンのお兄さん。いやー、こういう人好きなんですよねぇ。
ちょっと笑わせてくれるスタンスと、影で支えるイイオトコ感。まさに「いい脇役」のお手本でした。グッジョブ。
ちなみに節穴でおなじみの僕ですが、最初の飼育員紹介で「あ! この猿乗ってるやつ、ウィリアム(「あの頃ペニー・レインと」の主人公)じゃないか!?」って思ったんですが実際そうでした。大人になったなぁ。。
久々観られて嬉しかったです。がんばって欲しいですね。
さらに乗ってた猿も「ハングオーバー2の猿じゃないか!?」と思ったんですがこればっかりは確認できないのでウヤムヤのまま終了です。