映画レビュー1252 『LUCK-KEY ラッキー』

ずっと観たかったこちらの映画、「鍵泥棒のメソッド」の韓国版リメイクです。主演はあの「一度見たら忘れられない顔」のユ・ヘジン…!

LUCK-KEY ラッキー

Luck-Key
監督

イ・ゲビョク

脚本

チャン・ヨンミ

原案

『鍵泥棒のメソッド』
内田けんじ

出演

ユ・ヘジン
イ・ジュン
チョ・ユニ
イム・ジヨン
チョ・ハンチョル
キム・ミンサン
チャヨプ
キム・ジアン
イ・ドンフィ

音楽
公開

2016年10月13日 韓国

上映時間

112分

製作国

韓国

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)

LUCK-KEY ラッキー

よりコメディらしく、より綺麗にまとまる。

8.5
銭湯で記憶喪失となった“伝説の殺し屋”と入れ替わって豪遊する売れない役者
  • 記憶喪失の殺し屋と売れない役者が入れ替わり生活
  • それなりに幸せになっていく双方ながら、タイムリミットもありまして…
  • 原作よりコメディ色が強い気がするのはユ・ヘジンのキャラクター故か
  • 同時に恋愛要素もやや強め

あらすじ

今調べたところ「鍵泥棒のメソッド」を観たのは7年前ということで…かなり面白かったのは覚えているんですが、細かい内容はほぼ覚えておらず、この映画がどこまで原作(原案)に忠実なのかイマイチ掴みきれていないため、的外れなことを書いてしまいそうな気がしますがそこはご容赦ください。

まあ一言で言って「こっちも最高に面白かった」のでどちらも同じぐらいオススメできます。

“伝説の殺し屋”、ヒョンウク(ユ・ヘジン)は仕事帰りに寄った銭湯で石鹸を踏み、コントのように見事に転倒、そして記憶喪失。

自殺前にお風呂だけでも…と同じ銭湯に居合わせた売れない役者のジェソン(イ・ジュン)は偶然ヒョンウクのロッカーの鍵を手にしたことから勝手に彼の荷物を拝借し、車含めた羽振りの良さに一気に人生勝ち組だぜと大はしゃぎです。

記憶喪失になってしまった上に荷物を入れ替えられてしまったヒョンウクは自分がジェソンだと思い込み、お金のなさにほとほと困りつつ、たまたま居合わせた救急隊員のリナ(チョ・ユニ)に手伝ってもらいながら徐々に社会復帰を進めます。

やがてある日参加したエキストラの撮影から少しずつ役者としてのチャンスを掴んでいくヒョンウク。一方で自宅の監視カメラに映る美人(イム・ジヨン)と仲良くなろうとあの手この手で近付いていくジェソン。

双方が入れ替わり後の生活に馴染み始めますが、しかしヒョンウクが記憶喪失前に受けた“依頼”のタイムリミットも迫りつつあり…あとはご覧くださいませよ。

ユ・ヘジン・オン・ステージ

そんなわけで原作の記憶がかなり薄いために実際どうだったのかもあやふやですが、「鍵泥棒のメソッド」は堺雅人=今作で言うジェソンが主人公だったような記憶がありますが、こちらは逆にヒョンウク=香川照之サイドが主人公になっている印象で、まあもうほぼ完全に「ユ・ヘジンを愛でる映画」と言っていいと思います。妙なかわいさがたまりません。

基本的な設定や流れは原作通り、細かい部分と追加要素でオリジナルっぽさを追加している感じでしょうか。あくまで個人的な印象ですが、「ハリウッドリメイク!」と言われると大体「原作のほうがいいわ」が定番の流れになるんですが、こちらはそういうがっかり感もなく、元もリメイク版もどちらも良く出来た非常に面白い映画になっていると思います。

くどいようですが原作をはっきり記憶していないのでいい加減な印象ではありますが、元よりもよりコメディ感が強くしっかり笑わせてくれる一方で、恋愛要素もマシマシになってヒロイン2人、よりハッピーなお話になっている気がしました。

ただ“コメディ感”についてはやはりユ・ヘジンのキャラクターによるところが大きく、端的に言って「ズルい」彼の存在感がより笑いを引き寄せていた面も否めません。大根演技とか最高でした。絶対いい人だな感がすごい。

またどうでもいい小ネタ的なものも非常にお上手で、売れてきた後の部下役のチョイス(絶対そうだろうと思ったけど)とか現場で偉そうな小物役者(イ・ドンフィ)の使い方とかもたまりません。

非常にしっかりとコメディしてくれるので頭を使わずに純粋に楽しめる作りになっていて誰にでもオススメしやすい良さがあります。

一方でもうひとりの主人公であるジェソンのキャラクターがイマイチ浅薄な感もあり、ユ・ヘジンと比べるとだいぶ非力な印象もありました。この主役二人のバランスという意味ではきっと原作のほうが上でしょう。

それだけユ・ヘジンが「ズルい」のも間違いないわけですが…。まさにベストチョイスの人選と言っていいでしょう。最高です。

どっちも良作、どっちも観ましょう

どうしても(覚えてないくせに)原作と比較して云々言いたくなっちゃうんですが、一方で原作まったく関係なく初見で観ても(原作・今作ともに)相当によく出来た面白い映画であることは間違いなく、もう細かいことは良いから両方観ようぜスタイルを提唱していきたいと思います。

僕も久しぶりに原作の方を観て実際のところどの辺が違うのか比較したい気もしますね。

しかしこの映画とは直接関係ありませんが内田けんじ監督はもう10年新しい映画を撮ってないんですね…寡作なタイプなんでしょうが新しい映画作って欲しいなぁ…。

ちなみにGoogleで検索したら「内田けんじ 現在」「内田けんじ 何してる」となかなかひどいサジェストが出てきましたが気持ちがわかりすぎるので納得です。

そして検索結果から行ったページは例によって何の情報もなく「いかがでしたか?」系のブログだったので憤慨した、というのが今現在の状況になります。

だいぶ話が逸れました。

この映画に関してはもう原作の完成度が高すぎるので、それ故に変な改変をしないでほしいなと思っていたんですが、実際いい感じに元を活かしつつそれなりにオリジナリティも確保した出来になっていて、この辺りのさじ加減の絶妙さみたいなところにセンスを感じます。

「俺だったらもっと面白く作れるね!」みたいな妙な助平心が表に出てきていないというか。きちんと原作をリスペクトしつつ韓国映画としての美味しさ(≒ユ・ヘジン)で味付けしていて。

そんなわけでどちらもオススメなのでぜひ。

このシーンがイイ!

上にもチラッと書きましたがわかってはいたものの部下役登場のシーンは最高でしたね。ウヒョウヒョ言って喜びましたよ。

あとはイラスト調のエンドタイトルがかわいくて素敵。あの辺のセンスは素晴らしいです。

ココが○

純粋に話が面白いし笑いもしっかり混ぜ込んでくれるので非常に優等生な映画だと思います。それだけ原作が強い、っていうのもあるんでしょう。

ココが×

特になし…ですが、ヒョンウクサイドと比べるとジェソンサイドが少し弱いかな〜という気はする。

MVA

ヒロインどちらも素敵でいいな〜と思いましたが当然のようにこの人です。

ユ・ヘジン(チェ・ヒョンウク役)

記憶喪失になってしまった伝説の殺し屋。

観ればわかるズルさ。マブリーとは違う方向性のズルさですね。

っていうかマブリーとのダブル主演作観たい…作ってくれないかなぁ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です