映画レビュー1251 『セミマゲドン』

今回はウォッチパーティ作品決めのあみだくじで当選し、無難なところを攻めるのも面白くないかなとZ級映画を選んでみたんですが…。

セミマゲドン

CICADA!
監督

デビット・ウィリス

脚本

デビット・ウィリス

出演

デビッド・アギレラ
ネイサン・アレクサンダー
アンドリュー・アルカンジェロ
ボー・クロフォード
ニコール・アンソニー
ジェシカ・アーボガスト
フェニックス・アスカニ
デーヴ・ビーン
ルーベン・ブリオネス

音楽

Paul Grylys Gillis

公開

2018年10月29日 アメリカ

上映時間

82分

製作国

アメリカ

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ ウォッチパーティ(iMac)

セミマゲドン

多人数鑑賞(のみ)推奨。

3.0
謎の巨大化を遂げたセミによって(ごく狭い地域の)人類の危機が迫る
  • 謎の薬剤をかぶったらしきセミたちが謎の巨大化
  • 残忍なセミたちは人々を襲い、街は阿鼻叫喚に
  • ほぼ全編ブルーバック撮影かつCGがズレまくり
  • 首をやられた人多数

あらすじ

予想はしてましたが予想以上にひどく、ちゃんと鑑賞するレベルの映画ではなかったですが…まあみんなでワイワイ観れば楽しいよね、という例のパターンです。

木がまったく揺れない公園に謎の緑色の薬を撒いたところ、それを吸ったセミが謎のパワーを身に着け人々を襲い、その薬を撒いていた作業員の頭が爆発、死亡。

近くで野球の練習をしていたコーチ兼父親もセミに襲われ無残に死亡し、残された息子のジョニーは「ノーゥ!」と悲嘆に暮れましたとさ。

時は流れ、その時の父の命がけのコーチングが功を奏したのかメジャーリーガーとなったジョニーですが、問題のある選手だったらしく半ばやさぐれ気味に引退。うらぶれた日々を過ごしておりました。

ある日、恋人であるストリップダンサーのシンディとともに幼馴染のランディのバーへ向かいますが、そんなことはお構いなしに街の外では巨大化したセミが大量発生していて人々を襲っているのでした…! どうなる地球…!

ツッコミどころしかない映画

オープニングの父死亡事件からうらぶれジョニーの現在に至るまでに17年かかっており、その間大丈夫だったのかよと思わずにはいられないんですが一応セミの幼虫(土の中にいる)期間が最長17年とのことでそれなりにセミの生態に則ったお話になっているという衝撃。

でも即時効果のあるセミもいたわけだし2人死んでたのにまったく話題にならなかったのは何なんだと思いますがもうその程度でツッコんでいたらキリがないレベルのZ級映画です。

もう本当にツッコミどころしかない映画なのでいちいち書きませんが、中でもかなり衝撃的だったのが「ほぼ全編ブルーバック撮影」、つまり固定画面で背景だけが変わる外ロケしない頑固さが光る安っぽい作りと、そこにかぶさるグロ描写等のCGが位置固定のためカメラの動きに合わせて人物とズレてくるという雑さ。

そこそこグロくはあるものの、そのお粗末なCGのせいで苦手な僕でも安心、みたいな。あまりにもひどくて笑いました。「BAD CGI 電脳鮫」なんて比にならないレベルでBAD CGIでしたね。

車を運転するシーンは思わず「ヒッチコックかよ!」とツッコんだぐらいに合成感丸出しで、とても現代の映画とは思えない技術です。むしろここまで下手に作るのは逆に難しいレベル。普通に映像系のソフトを習熟している人であればこうはならないはずで、学習のためにOJTで作ったのかな? と優しい気持ちになることウケアイです。

話も例によってあってないようなものでさっぱり頭に入ってきません。オチについても然りでまったくひどいものでしたが、ひどいが故に笑える良さもあります。

当ブログではなぜか高評価となった「恐竜神父」と比べる向きも多いこちらの作品ですが、ご覧の通り評価の差はさながら月とスッポンです。同じZ級映画なのになぜここまで違うのか。

思うに、一言で言えば「ヘタとヘタウマの違い」みたいなものを感じました。

「恐竜神父」は確信犯的にひどい映画を作っている感があり、きちんと笑いどころもメリハリが効いていて(本当か?)、今思えば緩急もあったし「悔しいけど笑っちゃう」面白さがありました。笑いをわかってヘタな作りにしているのではないかなと。

一方こっちの映画はそのままヘタで、笑わせに行っているのもわかるんですが大体はいい加減な作りにしか見えず、恐竜神父と比べると「本気でクソ映画を作ろうとしていない」感じがあったんですよね。なんとなくなんですけど。

ちゃんとクソ映画を作ろうとして作り上げた恐竜神父、クソ映画でいいんじゃねと軽いノリで作った結果やっぱりクソ映画だったセミマゲドン、みたいな。よくわかりませんが。

まー本当に、いかに恐竜神父がよくできていたのか、見どころの詰まったZ級映画だったのかがよくわかりました。ちなみに「BAD CGI 電脳鮫」はその中間といった印象。

もちろんこの手の映画にも好き嫌いはあると思うので、「狙ってやってる」感が嫌だからこっちの方が好き、とかもありそうです。ただそれでもフォローしきれない酷さは拭えませんでした。

とは言え「みんなでツッコミながら観る」面白さはやはり顕在で、Amazonはウォッチパーティがあるから配信することにしたのか、はたまたたまたまウォッチパーティという機能がマッチしたのかはわかりませんが、ウォッチパーティをする環境(参加者)があるのであればみんなで観てみるのも一興でしょう。

ただし一人で観ることはオススメしません。僕が一人だったら多分やめていたと思います。恐竜神父は普通に笑いながら観られた気がするので、そこの差が評価の差につながっているのかもしれませんね。

映画趣味の幅広さ

あとは特に言うこともありませんよ。もう言うこと言ったよ。

今年はこの手のZ級映画に触れる機会が多くなったので妙に選別眼が厳しくなっている自分に笑いますね。そこ鍛えてどうするんだよ、っていう。

一口に映画と言っても本当に幅が広いよな、と改めて思った次第です。こういう映画ばっかり攻めてる人も自分も同じ「映画趣味」なんですからね。乗り鉄と音鉄ぐらい違うんじゃないの、みたいな。詳しくないですけど。

次のZ級候補としては「デストイレ」があります。

早速Amazonが「あなたが興味ありそうな映画」の一本に選んでくれてご立腹です。正しいんだけど。正しいんだけどそうじゃないんだよ。

このシーンがイイ!

一番笑ったのはマネキンが車に落ちてきたシーン。次点でポールダンスからの扉閉めです。どっちもめちゃくちゃ笑いました。

ココが○

エンドロールでNG集を見せられるんですが、皆さん楽しそうで何よりですよ。

ココが×

もうツッコミどころしかないのでいちいち書いてられませんが、主人公たちを襲わない気遣い溢れるセミたちと、殺人セミが山ほど飛んでるのに無駄に外に出まくる人々にはつっこまざるを得ません。

そうじゃなきゃ成立しないのもわかるんだけどさ。いろいろザルでもう。

MVA

ぶっちゃけ誰でもいいんですがこの人に。

ボー・クロフォード(ランディ役)

主人公の幼馴染のバー経営者。ヒゲ。

なんか演技的には一番まともだった気がします。気がしただけかもしれませんが。

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