映画レビュー1436 『我が家のおバカで愛しいアニキ』

例によってアマプラ配信終了系です。
どうせ面白くないだろうなと思いつつ、出てるだけで笑っちゃうでおなじみのポール・ラッド主演に加え、ズーイーが出ていると知ったので久しぶりに彼女を観たいなということで観ました。

我が家のおバカで愛しいアニキ

Our Idiot Brother
監督

ジェシー・ペレッツ

脚本

ジェシー・ペレッツ
エフジェニア・ペレッツ
デヴィッド・シスゴール

原案

ジェシー・ペレッツ
エフジェニア・ペレッツ
デヴィッド・シスゴール

出演
音楽

エリック・D・ジョンソン
ネイサン・ラーソン

公開

2011年8月26日 アメリカ

上映時間

90分

製作国

アメリカ

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)

我が家のおバカで愛しいアニキ

雑にまとまるいつものコメディ。

6.0
アホな兄貴に振り回される三姉妹
  • 人は良いが抜けている兄貴に翻弄される三姉妹
  • それぞれの生活をナチュラルに破壊していく兄貴に激怒するが…
  • パーツパーツは面白いものの全体としては主人公ばりにいい加減な話
  • 最終的に雑にまとまっていく“らしさ”がどうにもひどい

あらすじ

まあ予想はしていたんですが案の定いい加減な内容のコメディで、マジでこの手の「最後はいい話にしますよコメディ」はやめてくれと思いますね。

農家で恋人のジャネット(キャスリン・ハーン)と暮らすネッド(ポール・ラッド)は、お疲れの様子な顔なじみの警官にしぶとく「葉っぱを売ってくれないか」と頼まれ根負けして売ったところ案の定逮捕されてしまい、釈放された頃にはすでにジャネットは別の恋人のビリー(T・J・ミラー)と同棲を始めていたのであっさりと住まいを失い、やむなく実家へ。
兄の窮状を察した妹で長女のリズ(エミリー・モーティマー)は、(半分社交辞令的に)「いつでもうちに来て」と言ったらマジで来たよ、ということで超迷惑そうなドキュメンタリー作家の夫・ディラン(スティーヴ・クーガン)もなんとか説得して居候を開始します。
しかし彼によって息子に悪影響が出たりと案の定迷惑展開が続き、いい加減にしてくれと追い出されるネッド。その後も他の妹2人にも同様に迷惑をかけ続けるネッドですが、彼の意図とは関係なくそのことによって彼女たちも自らの人生を見つめ直すことになります。

お時間が来ましたのでまとまります

「どうしようもなくダメ人間の兄貴によって順風満帆だった妹たちの人生にさざなみが」的なよくあるコメディ。
もちろん個々のエピソードはオリジナルで他に観たことがあるわけではないんですが、なんとなく全体的に「ああやっぱりそう収束するよね」的な展開は本当にもううんざりするほど観てきているので、そのうんざり感を払拭するほど良いものがあればいい…どころか終盤の展開の雑さに閉口ですよ。
大人の事情で最後15分ぐらい削ってない? と思うような“雑まとまり”にはさすがにこの手の映画を観慣れている僕ですらびっくりしました。「えっ、何で急にいい感じになってんの!?」っていう。
もうね、本当にこの手のファミリーコメディを「最後はめでたしめでたし」ってやるの、やめたほうがいいと思いますよ。
なんなら家庭破壊した兄貴が死んだからみんなで笑いながらお葬式しました、ぐらいの方が全然清々しくて笑えそう。(センスもいるだろうけど)
もう本当に決まり切った展開で“許される”の、そこに説得力があるならまだしもなんとなくふんわり「もうお時間なので…」的にまとまっちゃう雑さは本当にいい加減にしてほしい。AIが書いた脚本かよ、って感じ。

ってことでこれで終わりにしてもいいんですが、一応目的でもあったキャスティングについてはさすがコメディ適正の高い人たち(エミリー・モーティマーはあんまりそういうイメージないけど)ばかりだったので、演技という意味ではとても楽しめました。というかそれがなかったら本当にしんどかったと思う。
三姉妹は上から順にエミリー・モーティマー、エリザベス・バンクス、ズーイー・デシャネル。なかなか贅沢な布陣です。
お目当てのズーイーはかなり性的に奔放な人物だったので、特段そういうシーンがあるわけでもないんですがなんか良かった。(なんか)
両性愛者のズーイーの恋人もラシダ・ジョーンズでこれまた贅沢。
一方もっと良かったのは男性陣。
主役で長男のポール・ラッドはもちろん、エミリー・モーティマーの夫はスティーヴ・クーガン、エリザベス・バンクスの親友がアダム・スコット、ポール・ラッドの元カノの今カレがT・J・ミラーとコメディ畑の贅沢キャスト。
特にアダム・スコットとポール・ラッドの絡みはたまらなかったですね。全部アドリブなんじゃねーの? って感じで。なんか間のとり方とかがコメディ合戦っぽくてすごく楽しめました。
これだけ錚々たるメンバーで作っておきながら話がこうも雑だとキャストの方々も浮かばれません。そこが本当に惜しい。

キャスト目的でも観るべきところがない

もう毎度繰り返しで申し訳ないんですが、いい加減この手のコメディは観るのやめたほうがいいなと思いつつ、でも今回は明確に目的のキャスティングがあったから観た…けどやっぱりいまいちだったので、もはやキャスティング目的でも観ないほうがいいな、という知見を得たのが今回の収穫です。
なんでハリウッドはこんなしょうもないコメディ量産するんだろ…。キャストがかわいそうですよ。本当に。
逆に言えばキャストが良くて演技的にも楽しめたからまだ良かったものの、それすらなければ3点ぐらいでもおかしくないぐらいに「またこのパターンですか」と感じる映画でしたね。

このシーンがイイ!

やっぱり一番ニヤニヤしちゃったのはポール・ラッドとアダム・スコットの絡みだったので、特にカフェで2人が話をしているシーン。絶対ほぼアドリブだと思う。そうじゃなかったとしてもそう見える演技がまた素晴らしい。

ココが○

やっぱりキャスティングでしょうか。本当に良いメンバーが揃っていると思います。

ココが×

しかしキャスティングがよくても話がこれでは…。期待しすぎなのかもしれないけど。

MVA

くどいようですがキャストは良かったので悩みそうなところですが、一方で話がどうでもいい内容だったのでそれに引きずられて誰でもいいという。
一応選んでこの人、かな…。

T・J・ミラー(ビリー・オーウィン役)

主人公ネッドの元カノの今カレ。
割とギスギスしそうなポジションなんですが、終始ゆるくていい奴っぽいのが好きでした。この人も相当抜けてそうでそこがまたいい。ネッドとともになんであの彼女を選んだのか…って感じ。

どうでもいいポイントとしてはちょい役で登場したメガネ女子・アラベラ役のジャネット・モンゴメリーがめちゃくちゃかわいかったのも書き記しておきたいと思います。もっと出てきてほしかった。

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