映画レビュー1422 『ラッコ親子の別れと再会』

今回は映画ではなく元々テレビのドキュメンタリーのようなんですが、まあテレビ映画もレビューしてるしってことであんまり考えずに追加です。

ラッコ親子の別れと再会

Sea Otters: A Million Dollar Baby
監督

ジェイミー・マクファーソン

出演(ナレーション)

ボニー・グリア

公開

2010年4月12日 イギリス

上映時間

49分

製作国

イギリス

視聴環境

Amazonプライム・ビデオ(Fire TV Stick・TV)

ラッコ親子の別れと再会

ラッコは世界一かわいい可能性大。

8.0
人の多いマリーナで生活することに決めたラッコ母子に迫る影
  • 高級ヨットマリーナで暮らし始めたラッコ母子を追ったドキュメンタリー
  • 子育てと成長、そこに迫る脅威…と定番の流れ
  • ラッコの理解が深まる&かわいい
  • ただ中身はそこまで濃くもなくそれなり

あらすじ

とにかくラッコがかわいい。ただそれだけでいい。

ご存知の通り大半のラッコは海藻豊かな海辺で暮らすんですが、中には変わった子育てをするラッコもおりまして…それがこのドキュメンタリーで追うことになる母子ラッコです。
母ラッコは海辺ではなく人々が行き交う高級ヨットマリーナで子育てすることを決め、まだ一人で泳ぐこともできない生まれたての子ラッコとともにそこで生活を始めます。
間近ではヨットオーナーのおじさんが温かい目で見守ってたりしますが、しかしやはり危険もいっぱいなのでハラハラドキドキ眺めつつ、彼女の子育てについて観ていきます。

人間…!

以前も書きましたが今年のGW前から鳥羽水族館のラッコ水槽ライブカメラを毎日PCの前にいる間は(仕事中も)ずっとつけてまして、もういつ見てもかわいいしまったく飽きないしで完全に“推し”となったんですが、そうなると自ずとラッコ自体への興味が増してくるものでBSでやってたドキュメンタリーを観たりもしつつ、アマプラで何かないかなと探したら出てきたこれを観たよ、とそういう流れです。ちなみに今はバンクーバー水族館の赤ちゃんラッコ水槽が激推しなので2画面で観てます。超バブで超かわいい。
元はBBCの動物系ドキュメンタリーのうちの1回らしく、なぜこれが日本(アマプラ)に輸入されたのかその辺の経緯もよくわかりませんが、しかしラッコ推し勢としてはありがたい限り。ラッコの映像はいくら観ても健康に良いとされています。

この前アマプラトップにレコメンドされた動物っぽいジャケットの映画を観て「ラッコ追加になった!?」と思ったら「キラー・ナマケモノ」でした。(余談)

内容的には「1時間の海外ドキュメンタリー」っぽさ全開で、流れとしても至って普通。「人の近くで暮らす以上やっぱり人間が脅威に…おのれ人間…!」となるかと思いきや最大の脅威は暴力ラッコだった、という点はちょっと意外ではありましたが、そこを除けば本当に普通の動物系ドキュメンタリーだなという感想。
人間にしてもラッコにしても結局暴力的なオスが一番迷惑じゃねぇか…! と思う一方で、ラッコが絶滅危惧種に指定されてしまった理由は結局かつて乱獲した人間のせいなのでやっぱり人間クソガ…! と思うこと間違いありません。
最近バズったアザラシ幼稚園も大変かわいいですが、何を観ても「動物はかわいい、結局かわいくないのは人間」というやや思想を感じる価値観に収斂されていくことは否めません。マジで害悪だぜ人間…。
なおラッコは交尾の際、流されないようにオスラッコがメスラッコの鼻をかじって交尾するそうなんですが、そのかじり具合…って言うんですかね。結構ラッコ差があるようで、やっぱり優しいオスはそうでもないみたいなんですが暴力的なオスはひどく噛むみたいなんですよ。
この番組で追う母ラッコは暴力的なオスに狙われた結果、鼻をごっそり持っていかれるぐらいかじられてしまうんですが、その状態がジャケットの彼女です。もう直視できないぐらいひどい傷ですごくかわいそうなんですよ…。
メスラッコは交尾の際の鼻の傷が原因で最悪死に至ることもあるらしく、それも合わせて観ていくといくら自然の営みとは言え本当にかわいそうで悲しくなります。

ラッコ事情について

という感じの番組で他に特に書くこともないのでラッコ事情のお話でもしましょう。
僕は鳥羽水族館のライブカメラにハマるまでまったくラッコ事情を知らなかったのでびっくりしたんですが、さっき書いた通りラッコは絶滅危惧種に指定されていると同時に、日本ではライブカメラで毎日甲斐甲斐しく癒やしてくれる鳥羽水族館にいるメイちゃん(♀20歳)とキラちゃん(♀16歳)、そしてマリンワールド海の中道にいるリロくん(♂17歳)の3頭しか残っていません。(すべて2024年現在の年齢)
寿命は自然環境で大体20歳ぐらいまで、飼育下で長くて25歳ぐらいまでらしいので、みんな結構な高齢な上にキラちゃんとリロくんは兄妹なので当然カップルにすることもできず、もう繁殖を望むのが難しい状況になってしまっています。
そして絶滅危惧種であるが故に輸出入も厳しく制限されており、他国から受け入れるのは難しい状況。そのため国同士の関係が比較的良好なアメリカにはそれなりにいっぱいいますが譲り受けるのも難しく、もう一つのルートでもある(あった)ロシアは関係悪化でそれどころじゃないのでなおさら無理…となるとつまりこの3頭が日本での最後のラッコになる可能性が高いわけです。
今まで興味を持ってこなかった自分のせいと言えばそれまでですが、「好きになったときにはもうお別れが近い」みたいな状況は本当に切なくて、なんとしてでもメイちゃんが(もちろんキラちゃんも)元気なうちに鳥羽水族館に行ってみたいと思ってますが…めちゃくちゃ混むらしいので休みも取りづらい現状を考えるとこれまたいろいろ悩ましいところです。
ちなみに北海道でも若干群れの回復が確認されているようなんですが、日本の水族館にいるラッコたちはアラスカラッコで北海道にいるのはチシマラッコなので(どっちもかわいいんだけど)種類が違うため保護して一緒に…というわけにもいかないらしく、どっからどう見ても手詰まりのようです。
マジで今政治家に一番やってほしい仕事はラッコの飼育と保護への予算付けと海外との折衝だと思っているんですがおそらくそんなことを言っている国会議員は一人もいないでしょう。クソガ of クソガ。ラッコ愛党とか出てきたら確実に支持するんですけど。

だいぶ話が逸れました。
そんな今のラッコ事情に思いを馳せるにもラッコの生態を知ることは有益なので、ぜひ皆さんも観てみてください。
なおラッコのライブカメラは僕が知る限りでは鳥羽水族館の他にモントレーとバンクーバーとシアトルの水族館にも設置されているようなので、日本で見られなくなったらこっちに頼ることになるかな…と考えています。
ただやっぱりメイキラちゃんはずっと見てて愛着も湧いてるし性格の違いもそれぞれの個性もよくわかってきているだけに、この2頭を見ることができなくなるのはちょっと考えられないぐらい寂しいし多分泣くと思います。
ちなみにどっちもスーパーかわいくて好きですが、どちらかと言えばキラちゃん派です。鎖のおもちゃが好きでよくぷかぷか浮いてるのがかわいすぎます。
優等生でなんでもそつなくこなすものの若干神経質なメイちゃんと、不器用だけどおおらかで自由なキラちゃんって感じでバランスが取れているのも素晴らしいですね。

このシーンがイイ!

港の桟橋みたいなところでくつろぐ母子。かわいすぎる。

ココが○

とにかくラッコがかわいいので癒やし度が半端ない点。

ココが×

まあ面白いかと言われるとそういうものではないかな…という感じ。
それでも1時間ないので全然気にはなりません。「うおおおかわいいー!」って言ってるうちに終わる。

MVA

例によってドキュメンタリーなので該当無しです。強いて言えばラッコ。世界中の全ラッコ。

ずっと元気で健やかなラコ生を過ごしてほしい。

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