映画レビュー0418 『アリス・クリードの失踪』

去年の年末にTSUTAYAに行った時、「一本ぐらいはサスペンスでもジャケ借りしたいぜ」とチョイスした作品。

ジャケットの概要を見て「こりゃ絶対面白いだろ!」と思い借りたものの、時間が経つごとに「あれクソ薄っぺらいサスペンスなんじゃないか…」と日に日に恐怖に染まっていき、結果震えながら鑑賞した作品です。

アリス・クリードの失踪

The Disappearance of Alice Creed
監督
J・ブレイクソン
脚本
J・ブレイクソン
出演
マーティン・コムストン
音楽
マーク・キャナム
公開
2010年4月30日 イギリス
上映時間
101分
製作国
イギリス
視聴環境
TSUTAYAレンタル(DVD・TV)

アリス・クリードの失踪

刑務所仲間のヴィックとダニーは、富豪の娘アリス・クリードを誘拐する。ヴィックの立てた計画は完璧に思えたのだが…。

意外とちゃんと作ってるけど、薄いかな…。

6.5

率直な感想としては、「想像していたほどひどくはないものの、薄っぺらい」という印象。観るまではもっとひどい、エロティックサスペンス的などうしようもない映画なんじゃないか、でもどうせつまらないんだったらガンガンエロエロして欲しい、と震えていたんですが、実は結構真面目にサスペンスとして作っている印象で、その部分は全然良かったです。ふざけてない。ただ、いかんせんロジックが…。

いわゆる低予算映画の王道とも言うべき密室劇がメイン。アリス・クリードを誘拐し、監禁場所に彼女をつなぎ、そのアジトでのやりとりがほぼすべての映画です。

ただ、この手の密室劇に対する期待からすると、いかんせんやりとりが薄っぺら過ぎるかな、と。セリフや仕草で巧妙に二転三転する物語を期待するとかなり肩透かしを食らいます。

それなりに種は仕込んであるんですが、基本的にそのどれも一般人が考えられるようなレベルのものでしかなく、それをつなぐ線に工夫もないし、厳しい言い方をすれば2時間ぐらい会議でもすれば作れそうなレベルのお話です。

誘拐犯二人の話なんてもう狙っているのが見えすぎて思わず笑っちゃったぐらい。さすがにこのレベルのお話で「ぎょえー!」っと驚くような映画を作るのは難しいんじゃないかなーと。

最後まで思ったよりも割としっかり観られたのは良かったんですが、シーン一つ一つに語らせる内容があまりなく、本当に薄っぺらいシーンが続くので、正直凝縮して1時間で終わらせた方がまだ印象に残ったんじゃないかなと思います。

見終わって一つ思ったのが、なんとなく「24の(数ある同時進行の中の)1エピソードっぽい」感じ。他にいくつか同時進行していて、その裏でこの話…なら「おおこっちはどうなんねんあっちとどう絡むねん」と生粋の埼玉人のくせに関西弁でハラハラドキドキするところでしたが、これ一本を芯に据えられちゃうと映画としてはもう一工夫欲しかった。

上に書いたようにこっちの話は半分に絞って、警察側とかアリスの家族側とかのエピソードを差し込んだほうがまだ良かったかも。それが出てこないからいい、そもそも低予算映画じゃボケ、っていう理屈もわかるんですが、だったらもっと巧妙にしないとさすがに飽きてきます。真面目に作っているだけに惜しい。

まあ、わざわざ観るほどのものではないかな、と。ただ意外とネット上の評判はそこそこ良いようなので、好きな人は好きかもしれません。

このシーンがイイ!

特になし。

ココが○

ヘタに扇情的な表現で煽らない点。その真面目さは予想外で良かったですね。

ココが×

まあ、いかんせん内容がイマイチなのが…。

どうも一つの種を見せた時点で、大体その先が読めてきちゃうんですよね。サスペンスが好きな人からすれば、さすがにこの内容では評価できないと思います。

MVA

3人しか登場しない映画なので、その誰にするか、ってところですが…。正直映画自体がイマイチだったので選びにくいところですが、消極的チョイスでこの人かな。

ジェマ・アータートン(アリス・クリード役)

見た目に関して言えばぜんっぜんかわいくなくて、これがかわいければ違う楽しみが…と思ったりもしなかったわけではないわけですが、まあ演技としてはしっかりやっていたと思うので。

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