映画レビュー0349 『エレファント・マン』

先々週はちょっと未見の映画を観るほどの気力もなくて、久しぶりに「ファンダンゴ」をダラダラ流し見してたんですが、案の定というか…段々のめり込んでしまい、結局しっかり観ちゃいました。あれは本当に名作ですねぇ…。再確認。

なんであんな良い映画がマイナーなのか…。売り方が下手だったんでしょうかねぇ。

エレファント・マン

The Elephant Man
監督
脚本
クリストファー・デヴォア
エリック・バーグレン
デヴィッド・リンチ
音楽
ジョン・モリス
公開
1980年10月10日 アメリカ
上映時間
124分
製作国
イギリス・アメリカ

エレファント・マン

生まれつき醜悪な外見を持つ「エレファント・マン」ことジョン・メリックは、見世物小屋で虐げられながら暮らしていたところ、たまたま彼を見た外科医に世話になることとなり、次第に周りの人と交流し始めるようになる。

イマイチ乗りきれず…。

6.0

結構ミニシアターの常連的なポジションの映画という認識があって、一回観てみたいな、と。ちなみに全編モノクロ、描かれる「エレファント・マン」は実在する人物です。

母親が妊娠中に象に踏まれたショックで奇形児として生まれたと言われる青年、ジョン・メリック。誰もが恐怖を感じるような酷く醜悪な外見ゆえに、見世物小屋で怪物扱いしかされない人生を送っていたところ、たまたまその見世物小屋にやってきた外科医、フレデリックが学術的興味から彼を引き取り、病院に住まわせることを決めます。

やがてフレデリックの努力が実り、徐々に心を開き始めたメリックは、段々と人々との交流も増えていきますが、同時に彼を金儲けに使おうと企む連中もいて…というお話。上に書いた通り実在する人物の、脚色込みの人間ドラマという感じの映画です。

どうもあんまり集中できなかったせいもあるんですが、総じて結構地味な映画ではあったと思います。煽り過ぎないという意味ではいいんですが、でも感動系に寄せるには少し物足りない感じもあるし、エンディングの描き方に若干デヴィッド・リンチらしい(詳しくはないんですが)ホンのちょっとのシュールさがかいま見えて、ちょっと惜しい印象が強かったですね。もう少しストレートに終わらせても良かったんじゃないかと。

実話ベースだけにあんまりこういうことを言ったらよくないとは思いますが、割とこの手の話のお決まりのパターンにハマってる部分があったので、「虐げられる人間が一番ピュア」だったり、その「彼を助ける存在」がいたり、「彼を利用したいと思う人間」がいたり、「彼を理解する人間」がいたり、と既視感のある関係性に、イマイチ乗り切れなかった理由があったのかな、と。

ただそれだけ普遍的なテーマというか、差別される人たちと差別する人たち、それをやめさせようとする人たち、というのは、今の時代にも通ずる内容だったと思います。

容姿の特異さは確かに強烈で、同時にそれに対する差別的な人たちの立ち居振る舞いも当然気持ちのいいものではなく、そういった「醜い人間(エレファント・マンではなく、差別する側)」の嫌悪感みたいなものが終始描かれていたのもリアルではありますが、話として好きになれない部分があったのかもしれません。

泣き所も多少あったし、ホロっとも来たんですが、「そういう映画の割にはそれほどでもなかった」というのが正直なところ。惜しい。

ちなみに、ラストについては諸説ある中の一つを元に描いているらしいんですが、現代の研究ではこの説は間違いらしく、ちょっと違う解釈になっているそうです。物語としては確かに考えさせられる終わり方だけに、そこがまた残念ではありました。

まあ、当時はわかっていなかったということもあるし、リアルな話にすると物語として締めにくくなる部分もあるんですけどね。

このシーンがイイ!

初めてフレデリックの家に行った時の奥さんとのやりとりはすごく良かった。泣きました。

ココが○

地味であるが故に比較的真面目な映画だと思います。煽り過ぎないのは○。

ココが×

ただ、音楽は妙に煽ってたんですよね。この劇伴での演出はちょっと残念でした。

MVA

メリック役のジョン・ハートは確かになりきっていてよかったですが、特殊メイクのインパクトが強すぎる感じもあり、演技という意味ではこちらの人の方が好きでした。

アンソニー・ホプキンス(フレデリック・トリーブス役)

いわゆるレクター的なホプキンスらしい強烈な役ではなく、いたって紳士で知的なお医者さん役でしたが、今よりも(当然)若くて渋いかっこ良さがあって、結構いい男で。柔和な雰囲気と芯のありそうな「医者然」とした感じが良かったですね。

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