映画レビュー0273 『ファンダンゴ』

この週末はだいぶ過ごしやすいものの、しかし最近は7月とは思えないほどだいぶ暑くなって来ましたなー。タマサイはもうすっかり夏の雰囲気。

我が家のワンコを散歩に連れていきたいんですが、こうも暑いと輻射熱が気になります。気付けば我が家のワンコたちも歳をとってきて、もうみんなシニアなんですよねぇ。

犬も含めていろいろ「歳をとる」ことに思いを馳せる時間が増えてきた気がしますが、そんな中観たこちらの映画は…。

ファンダンゴ

Fandango
監督
ケヴィン・レイノルズ
脚本
ケヴィン・レイノルズ
出演
サム・ロバーズ
チャック・ブッシュ
ブライアン・チェザック
スージー・エイミス
音楽
公開
1985年1月25日 アメリカ
上映時間
91分
製作国
アメリカ
視聴環境
TSUTAYA DISCASレンタル(DVD・TV)

ファンダンゴ

大学卒業を間近に控えた寮生5人組「グルーバーズ」が、青春最後の思い出作りにバカ騒ぎしようぜ! と車に乗り込み旅に出る。

青春ロードムービーの大傑作!

10

たまたま連続で青春映画となりましたが。いやぁ…。これぞ映画だなぁ…。映画だよ…。(しみじみ)

大学を卒業してバラバラになる男たちが主人公。ひたすらバカ騒ぎして楽しみたい思いと、現実から目を逸らしたい思いと、後ろ髪を引かれる思い出と、すべてひっくるめてケリをつけたいんでしょう、仲間4人を強引に連れ出し、旅に出るリーダー的存在のガードナー。

一応の目的地は持っていたものの、そんなことより騒ごうぜ、とばかりに道中ひたすら「青春」の勢いに任せたバカ騒ぎの繰り返し。でも「ただのバカ騒ぎか」と言われるとそうでもなくて、やっぱり“モラトリアムはこれで終わり”ということが自分たちでもわかっているんでしょう、どこか去りゆく時への寂しさを感じさせます。

オケツからスタートした序盤戦はかなりコメディっぽくもあり、実はこの前観た「フル・モンティ」よりもしっかり笑えるシーンがあったりしたんですが、終盤に行くにつれて彼らも「旅の終わり」を意識し始めたのか、センチメンタルな雰囲気にホロリとさせられます。

「バカ騒ぎしようぜ!」で始まった旅を進んでいくうちに、精神的な成長と、友との別れと、過去の自分への踏ん切りと、モロモロの自分を乗り越えて、寂しさを胸に新たな自分を切り開こうとする物語は、これぞ青春、これぞ80年代、これぞロードムービー、そしてこれぞ映画だな、と。

もうたまりません。

タマラン要素が溢れてます。

ついでに言えば、パット・メセニーをバックにダンスするシーンなんてフュージョン好き的にはこの上ないタマラン要素でもあり、カンペキでした。

そう、その他の音楽もまた、素晴らしい。挿入歌の良さはもちろんですが、劇中使用される音楽も、序盤はあえての安っぽい煽りがコメディ要素を膨らませてくれてそこがまたすごく楽しかったんですが、後半はその煽りも息を潜め、しみじみと終盤戦を迎えます。その音楽的な転換もまた素晴らしく、くどいようですが“80年代的名作”っぽさが溢れていて、「いやぁ、これぞ映画だよなぁ…」と。

同じ80年代、同じロードムービーということもありますが、「ミッドナイト・ラン」同様、「この映画好きじゃない」って人(特に男)とはお友達になれないと思いますね。

この笑い、そしてこのノスタルジーを両立させるような物語はもう二度と出てこないレベルかもしれません。

名作です。

ガタカ」の興奮醒めやらぬ状況でこんな名作にまた巡り会えたのは本当に嬉しい。まだまだいい映画、ありますね。

このシーンがイイ!

一番笑ったのが、スカイダイビングでの「GO ON」。あのスカイダイビングはかなり笑わせて頂きました。

一番良かったのは、上にも書いた、パット・メセニーバックのダンスシーン。このギャップがまたいいですねぇ…。

ココが○

コメディと切なさのバランスが絶妙。ほんとーーーーに80年代にはこういうたまらない“匂い”があると思いますねぇ…。今同じような映画を作っても、この匂いは出せない気がする…。

そしてまたこの映画も短めでありながらしっかり作られているというのが素晴らしい。

ココが×

やー、そりゃもう無いですよ。

MVA

主役は無名時代のケビン・コスナーで、今まで僕が観た中では一番良かったような気もしますが、僕が好きだったのはこの方。

チャック・ブッシュ(ドーマン役)

卒業後は牧師になる予定の寡黙な巨漢男子。

この人の立ち位置が絶妙。なんとなくみんなのお母さんのような存在で。賢くもあり、優しくもあり、セリフは少ないものの存在感抜群。イイヤツです。

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