映画レビュー1502 『深い谷の間に』
1か月200円×2か月のキャンペーンで再入会したAppleTV+ですが、一度も再生しないまま残り2週間となりまして、急いでドラマを追いつつせっかくだしと映画も何か無いかなと探したところ出てきたこちらの映画、設定が好きそうなので観てみました。
深い谷の間に

SFスリラーかと思って観たら恋愛バイオハザードでした。
- 渓谷を挟んだ東西で双方“不干渉”をルールに谷の監視を続けるそれぞれの監視塔に派遣された2人
- しかしルールを破ってコミュニケーションを取るうちに、谷に何があるのかを知ることに
- 舞台設定は上々、しかし中身はお気楽イチャイチャ天の川
- アニャがかわいいことだけが見どころ
あらすじ
めっちゃ面白そうな設定なんですけどね。ただの(しょうもない)恋愛アクションでしたね。
元海兵隊員だったかで、今はフリーの傭兵で食べているリーヴァイ(マイルズ・テラー)は凄腕のスナイパーなんですが、その腕を買われてか…謎めいた女性(シガニー・ウィーバー)から一つの任務を依頼されます。
なんでも「東西陣営それぞれが渓谷を挟んだ両側に監視塔を置いていて、その監視塔で1人“渓谷の見守り”を1年間担当する」お仕事だそうで。毎年1人、交代制で見守ってますよと。
現地に飛んだリーヴァイは前任者からそこでの生活や「東側の監視員とはコンタクトを取らない」等のルールを教わり、また「何のための仕事なのか」のレクチャーを軽めに受け、仕事スタート。
一方東側では同様に交代してきたのであろうスナイパー、ドラサ(アニャ・テイラー=ジョイ)が同じく1人監視塔に常駐しておりまして、その姿を見たリーヴァイは「ウホッいい女」的に興味を持ったところから双方チラチラ(相手の)監視を始め、やがて「こっち来ない?」と誘われてホイホイ乗り込んでいくわけですが…あとはご覧ください。いや観なくてもいいですぶっちゃけ。
お気楽イチャイチャ天の川
なんか雰囲気的にSFホラーかスリラーっぽかったんですよ。設定もおもしろそげだしさ。
そしたらただの能天気恋愛アクションでやんの。マジでがっかりですわ。
東西双方で監視を続ける“谷”に何があるのか…気になりますねぇ。しかも前任者の顛末とかも「そうだろうな」と思いつつ好きな形で否が応でも期待が高まったわけですが、その後なーんかアホなんですよ。2人とも。緊張感がまるで無くて。
そりゃあ1年も1人で監視しろと言われて現地に言ったら相手は美男 or 美女だった、と来ればなんとかしていい感じに…と思うのは人間として理解できますが、だからって仕事そっちのけでそっち方面ばっかりご熱心な姿を観させられても何だよこれ、って話で。
いや実際はちゃんと仕事してるのであろうこともわかるし、そういうシーンを描いても長くなるだけだからっていうのもわかるんですが、でもこっちは恋愛ものだと思って観たわけではなかったので「はー? なにこれこの能天気なターンいつまでやんだよ」と序盤からイライラが募ります。
特にひどいのが、それぞれの代表作(マイルズ・テラーは「セッション」、アニャは「クイーンズ・ギャンビット」)のファンサだとばかりにドラム演奏したり遠隔チェスしたりのシーンが挟まるところ。
喜んでいる人も多いようですが、僕はもうあざとすぎて「こんなの観たかったわけじゃないんですけど」のイライラと相乗効果で激怒しました。「はァーーーーーーーーーーーーァァ?」って声出ちゃったね、もうね。
世界の平和に直結するお仕事だよと散々説明されているのに仕事そっちのけで能天気に対岸とキャッキャウフフしてるのを延々と観させられるの、全然面白くないんですけど。
僕はこれを「お気楽イチャイチャ天の川」と名付けました。なかなか語呂もよくて良いネーミングだと思います。
で、なんだかんだ会おうとしてよりイチャイチャが加速し、後半は谷の実態に迫っていくわけですが…その後半はさながらバイオハザード感漂うものの、いかんせん主人公補正が強すぎてチートバイオでしたよと。
もちろん詳細は書きませんがエンディングも定番の流れで読みやすく、結局最後まで「コレジャナイ」がずっと続く感じで鑑賞を終えましたよ。
もちろん事前にある程度「そういう映画」という情報を拾わなかった自分が悪いのは確かですが、しかしそれにしたってねぇ…。事前情報無い方が良い映画だってあるわけだし、あんまり調べすぎるのも良くないでしょう。だから「面白そうだな」で観たら大失敗しました。
恋愛するにしたってもうちょっとやり方というかね…。
本当に能天気なんですよ。2人とも。超優秀なスナイパーって設定どこ行ったんだ、ってぐらい。高校生みたいなイチャイチャしやがんの。
そこがいい、って人も多いんでしょう。それなりに世間的な評価も高いです。
でも僕はそこがまったく受け入れられませんでしたね。こんな能天気恋愛喜んで観るの高校生ぐらいじゃないの??
このシチュエーションであればさぁ…もうちょっと大変な危機に陥って協力して事にあたったことで初めて燃え上がり…みたいな方がまだ説得力があると思うんですよ。谷の脅威が無視できないレベルに高まった後、協力して対処してエンディングで結ばれました、みたいな話であればまだ許せたなと。
もうのっけから「ウホッいい女いるじゃん」でなんとかしたいフェーズに突入するので、何ならこいつら出会いを求めてここに来たんか? って感じの作りに大変ご不満です。谷合コンかよ。
フリの大変さと仕事にあたる態度がまるで噛み合っていないというか。これだったらもう「敏腕スナイパー」って前フリすら丸々いらないと思います。ただの出会い厨だし。
もー本当に頭きた。この映画。書いてて思い出して余計頭きたよ!
なので評価下げました。実際はもうちょっと楽しめるかもしれません。
2025年と思えないファンサ
それともう一点どうしても書いておきたいことがあります。
割と終盤近いんですが、いわゆるバトルシーンでアニャがご丁寧に軽装なんですよ。タンクトップ的な。
もー今の時代こんなサービスやめてくれよ!!
あからさまに男性客を狙った衣装なんですよね。
もちろんその方が動きやすいとかもあるとは思いますが、それ以上に肌を露出して生傷もらっちゃまずいであろう場面で特に理由もなくあの軽装はどう考えても“目の保養”的な要素にしか見えないし、昔の映画ならともかく最近の映画でこんなあからさまなセクシー入れてくるの!? とびっくりしました。そして嫌気が差しました。
その一点を取ってもやっぱりこの映画とは合わないんだなと思いましたね。なんというか思想が違う。
いつまでこんなことやってんだよ、って本当に呆れました。
ということでまったく合わなかった本作、基本的に「良い映画ばかり」の印象だったAppleTV+作品の中でも現状ダントツで最下位です。
さすがに映像とかはすごく良いんですけどね。話がダメダメでした。
このシーンがイイ!
結局前任者の顛末のシーンが一番盛り上がった気がする。「これこれぇ〜!」みたいな。
ココが○
今までアニャは「個性的なルックス」の印象だったんですが、黒髪ショートは抜群にかわいかったですね。好みの問題かもしれないけど。
ココが×
まーやっぱり任務の割に能天気なアホ2人、ってところじゃないでしょうか。前半はもう完全に責任感とか放棄しているので、後半になんやかんや大義を立てたところでまったく説得力がないよ、っていう。
MVA
演者は流石にお上手なんですが、内容が内容だっただけにぶっちゃけ誰でもいいっちゃいいです。
なので自ずと消極的にこちらの方に。
アニャ・テイラー=ジョイ(ドラサ役)
東側の担当者。かわいい。
かわいいだけで選びました。内容がアレなので。


