映画レビュー0623 『パーフェクト・ルーム』

レンタル2本目。少し前にネットでこの映画の記事を読んで、こりゃー面白そうだと思っていたので鼻息荒く借りてきました。

パーフェクト・ルーム

The Loft
監督
エリク・ヴァン・ローイ
脚本
ウェズリー・ストリック
原作(オリジナル脚本)
バルト・デ・パウ
出演
ジェームズ・マースデン
ウェントワース・ミラー
エリック・ストーンストリート
マティアス・スーナールツ
イザベル・ルーカス
レイチェル・テイラー
音楽
ジョン・フリッゼル
公開
2014年10月15日 ベルギー
上映時間
103分
製作国
アメリカ・ベルギー

パーフェクト・ルーム

「浮気(その他)用に」と仲良し男5人組が共同で管理していたとあるロフトで、全裸女性の遺体が発見される。鍵を持っているのは5人のみ。発見者のルークは他の4人に連絡を取り、ロフトに集まってどうするのかを議論するが…。

器は立派、中身はスカスカ。

5.0

僕はですね。お馴染みの勝手な思い込みなんですが、てっきり「レザボア・ドッグス」的な、もしくは「キサラギ」的な、でもいいんですが、ワンシチュエーションサスペンスのような、集まった部屋で人間ドラマが展開して驚くべき結末に…! みたいなものを期待していたんですが、もう全然違って。

なんならロフト内での話は中心ではなく、そこで話し合いながら過去の出来事を振り返り、実はこうだったんだぜ的なお話として徐々に真相が明らかになっていく…というような内容でした。なので、別にこれはこれとして悪くはないと思うんですが、僕と同じような期待を持って観ると確実に損します。その辺ちょっと振り返ってみましょう。

主人公はイケメン(個人的にそうは思えなかったけど、一部では結構人気らしいです)建築デザイナー。彼が自分のデザインしたビルのロフトを、自分含めた親友連中5人とシェアして「遊びたい日もあるだろ?」と浮気(限定ではないようですが)用ルームとして共同購入しようじゃないか、と提案、結果的に他の4人も乗って共同管理が始まったものの、そこで事件が起きましたよ、というお話。

で、誰が殺したんだ、そもそも彼女は誰なんだ、いやとりあえず死体を隠そうぜ、と話し合いながら、そもそもなぜこのロフトを共同管理するようになったのか、各々がどういう風に使っていたのか…と言った過去の話を差し込みつつ、少しずつ事実を明らかにしていきます。

余談ですが、日本ではこういうことって起こらなそうですよね。リッチな人は普通に一人で部屋借りるだろうし、そうでなければラブホがあるし。したいのに他のやつが使ってて使えない、とかしたいのに死体があって、とかダジャレかよ、みたいな。

話戻します。ハナモド。

まず一応書いておきますが、道中は結構楽しめました。「ああ、これ結構面白いかも」と思って観ていました。が、最後まで観ると、いやこれはダメだな、という結論に至ったわけですが、でも「2時間無駄にしたか」と言われると、別にそうは思わないんですよね。楽しめたので。なので大目に見て5.0点。

ただ、映画…というかサスペンスとしてはかなり問題があるな、と言わざるを得ません。なのでサスペンス的には3.0〜4.0程度。

ご多分に漏れず「衝撃の事実をあなたは見抜けるか!」的なおなじみの煽りコピーがついていましたが、そういうハードルの上げ方しちゃったら不満しか出ないような完成度の低い物語(≒映画)、と言っていいと思います。

はっきりとダメですね。サスペンスとしては。クソとまでは言えませんが、結構お粗末な話だと思います。ただそれなりに見せ方がうまいので、最後まで騙し騙し惹きつけてくれたのかな、という感じ。

あんまり詳細を書くとこれまたいつもの通りネタバレになりかねないのであんまり細かくは書けませんが…。

まず「あなたは見抜けるか!」と言われたところで、提示される情報が見抜きようのないものばかりなので、そういう「犯人を予想しましょう」的な映画ではないです。大前提として。でもまあ、わかりましたけどね。普通に。理由を書くとネタバレになっちゃうので書きませんが、もう大体中盤ぐらいで「ああこいつじゃね」っていうのはわかると思います。この手の映画をよく観ている人であれば。

大体、「よく出来ていないサスペンス」の流れに沿った人選で犯人が浮かび上がるので、予想外というよりはむしろ「まんまこいつかよ!」みたいな話でした。意外性ゼロ。

んで、まあそれはまだいいんですよ。犯人予想が主軸の映画ではないですからね。問題は、そのディテールの部分。

そもそも動機が意味不明。なんで殺したの?

いや、完全にわからないわけではないですが、でもあれはちょっと無理がある。いつも書いているように、僕が最も嫌う「シチュエーションが浮かんだからこじつけて逆算的に紡いだ」話にしか見えない。意外性のある人選のために逆算で作った感じ。

それと、よくあるパターンではありますが、この映画はオープニングで最後に起こる出来事を見せて、そこから過去に戻って描く手法を採っているんですが、そこがある種ネタバレになっちゃっていて、終盤のシーンでもうわかっちゃうんですよね。「ああ、こいつがああなるのか乙」っていう。

大した部分ではない…かもしれませんが、やっぱりその終盤のシーンは普通に考えれば一番の見せ場なので、そこのネタバレをオープニングに差し込んでおく意味がわかりません。もちろん、はっきりとわかる形では見せないんですが、まあこれもサスペンス好きであれば大体わかっちゃうわけですよ。どうせこいつがこうなるんでしょ、って。そもそも犯人が想像できてるわけだし。

それと、観客ミスリードの問題。

終盤近くで「実はこうだったんだ」的に話が進み始めるんですが、となると序盤はごっそり「(登場人物を騙すという意味ではなく、観客を騙すという意味で)劇中で芝居を打っていた」という話になり、これはもうサスペンスとして悪手中の悪手ではないでしょうか。夢オチクラスにやっちゃいけないものだと思う。

その他にもいろいろあるんですが…結構ネタバレに抵触しそうな気がするので書きません。スマヌ。ただ、サスペンス好きな人であればあるほど、細部がお粗末なのはわかると思います。

神は細部に宿る。まさにその通り。細部がアラだらけだから「ダメなサスペンスだなぁ」と思っちゃう。

思うに、おそらくサスペンス好きよりも、もっとライトな層、言い換えればマスに向けての映画なんだと思うんですが、ただジャケット含めた売り方が、完全に「サスペンス好きに告ぐ!」的な挑発的なものになっているので、おおっ、そこまで言うなら…と期待して観てみたら全然ダメじゃねーか、という哀しみ。つらみ。

ちなみに、元はベルギーで「10人に1人は観た」と言われるほどの大ヒットを記録した映画らしいですが、元もこれだけお粗末な“サスペンス”なのかは不明です。「大ヒットした=マス向けとして正しかった」んだと思いますが、その分こういうジャンルが好きな人にはオススメ出来ません。もーーーーーっとよく出来たサスペンス、山ほどありますからね。期待させる分、ガッカリ感が強くなります。

ほんとにねぇ…レザボア的なのにして欲しかったな…。しょうがないんだけどさ…。

不幸なことに、前日に「マジカル・ガール」を観ちゃっていたので、余計にこの映画の残念感が増してしまいました。あっちは一応人間ドラマが中心にありますが、この映画よりよっぽどサスペンスしていました。

ということで、この映画はあんまりサスペンスを観ない人にはいいんじゃないでしょうか。と放り投げ気味に終了。

ああ、あと最後に一言、男ってほんとクソだね。

このシーンがイイ!

うーん、特には…。

ココが○

シチュエーションぐらいかなぁ。「浮気用共同管理の部屋に謎の女性死体」ってその設定たるやワクワク感がすごいじゃないですか。wktkですよ。もはや死語だろうと。女性は死後だし。

オッサン感が増しておりますなんプロです。

ココが×

上に書いた以外だとですね、一番思ったのはエンディング。

もう本当に蛇足中の蛇足。ああいういかにもなラスト、マジでいらない。あのラストシーンが超絶にセンスゼロですね。クソですよマジで。「はぁぁぁぁぁぁぁああぁぁあぁぁ??????」って思いました。まる。何十年前の映画だよ。サスペンスにこういうのいらねーんだよ!!

あと…これは大変書きにくいのですが…キャストの大半が申し訳ないけどB級感強かった気がします。僕があんまり観ていない役者さんばっかりだっただけ、ではあるんですが、一人でいいからもう少しランクが上の役者さんを使って欲しかった。特にひどかったのは女優陣。特にキーとなる被害女性は、設定的にものすごく魅力的じゃないとおかしいのに、全然かわいくない。アレはないわ…。

あの人が…そうだなー、例えば雰囲気的にヘイリー・ベネットとか。あのクラスでも全然印象が違ったと思います。

それと一応言っておかなければなりません、例のごとく邦題がクソ。どこがパーフェクト・ルームやねん。ただの共同管理部屋だし。

これは別に物語的にも完全犯罪的な話を推しているわけでもないので、完全に邦題つけた人が相変わらずセンスゼロというお話です。「これで完璧な浮気が出来るぜ」とかセリフがあったわけでもないし。いかにも推理モノっぽいタイトルを充てました→全然ダメじゃねーか、っていう。

広告と合わせてダブルでターゲットをミスった結果、釣られた俺激怒、ってやつですよ。いい加減にしろと。

MVA

ということで不満タラタラなんですが、選出せねばなるまい、とこの人をチョイス。

マティアス・スーナールツ(フィリップ役)

チンピラ弟。

一番リアルだよね、ということで。ただこんなやついたら普通仲間に入れないと思うけど。次点で太っちょさんかな。

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