映画レビュー0306 『ザ・マペッツ』

ファック!!!

…すみません、取り乱してしまいました。実はこのレビュー、一週間前に書いてたんですが、たった今、次の映画のレビューをそのまま書いてて、間違えて上書きしてしまいました。

めでたく書きなおし、ということで。思い出しながら書きます。

ザ・マペッツ

The Muppets
監督
ジェームズ・ボビン
脚本
音楽
公開
2011年11月23日 アメリカ
上映時間
104分
製作国
アメリカ
視聴環境
TSUTAYA DISCASレンタル(ブルーレイ・TV)

ザ・マペッツ

マペットのウォルターと人間のゲイリーは、物心ついた頃から一緒に暮らす、兄弟同然なんだか兄弟なんだかな二人。小さな頃は「マペットショー」に釘付けだった二人は大人になり、ついに憧れの「マペットスタジオ」に行くも、今や栄光は過去のもの、寂れきったスタジオは埋蔵石油目的の悪いヤツに買われることに…。

浅い。

5.0

僕も小さい頃は「セサミストリート」を録画して観ていた時期もあったほど、マペット自体には馴染みがあったんですが、ただ登場するマペットたちはカーミットを除いて知っているキャラもおらず、特に個人的な思い入れもない中での鑑賞。

結果から言ってしまうと、正直そういう人が観るにはちょっとしんどい、内容の薄さばかりが気になった作品でした。

設定は現代ですが、マペットは言わば「一種族」的な扱いで、普通に人間と共生している世界が舞台になっています。知っている人なら一発でピンと来るでしょう、あの懐かしい映画「ロジャー・ラビット」のような設定です。

マペットの少年(青年?)ウォルターが、ずっと憧れ続けていたマペットの殿堂「マペットスタジオ」に見学に行った時にウッカリ悪巧みを聞いてしまい、それを防ぐために「かつての大人気カエル」カーミットに相談に行って、「じゃあもう一度マペットショーをやろうじゃないか!」と黄色いTシャツの番組的な感じで放送中に寄付を募集、スタジオ買い取りのためのお金集め番組をやるよ! という内容です。ちなみに、所々でミュージカル的に歌が挟まります。

まず最初に、カーミット邸での歌なんかを観ていて思ったんですが、やっぱりこれはアメリカで作られた映画でもあるし、基本として「マペットに慣れ親しんだ人たち」に向けた映画なんだろうな、と。

そんなに多くはないものの、おそらく知ってるからこそわかる“楽屋オチ”的な話なんだろうな、と思しき場面もいくつか出てきたこともあって、まさにこの映画の世界と同じく、「マペットは好きだったけどもう過去のものとして忘れちゃったよ」的な人たちに、ノスタルジーとともに“ちょっといい話”を楽しんでくれませんか? というような映画だと思います。

が、当然日本人はそういう慣れ親しんだ記憶がない人がほとんどなので、まずキャラクターたちにピンと来ない。となるとあとは話の深さ、「素敵レベル」での評価となるんじゃないかと思いますが、これが非常に浅い。

いかにもディズニー映画らしい雰囲気で、記号化された単純な二項対立は新鮮さに欠け、また展開もいかにも予定調和で意外性ゼロ。ただ、これはおそらく狙ってやっているんでしょう。偉大なるマンネリというか、安心して「マペットの懐かしさを楽しみながら」観られる映画にしたかったんだと思う。

ただ僕はそのマペットに対する思いがない分、浅さばっかりが引っかかって、結果的に何も残るものが無かったな、と。

おまけに、おそらくはこの映画のウリだと思われる豪華なカメオ出演についても、どうもその「物語の浅さ」をカバーするために確信犯的に入れ込んでいる気がして、ちょっと「安心して観られる定番映画」と「豪華カメオ出演で映画ファンも楽しめる」という構図がマッチしていないように感じました。

ターゲットを考えるなら過剰なまでのカメオ出演は必要ないと思うし、もっと言えばカメオ出演を理解できるような人たちや、それこそ「マペットを観て懐かしいと思う」人たち…要は“大人”ですが、そういう人たちをターゲットにした映画にしては、あまりにも内容が幼すぎる。

結局誰に届けたいのか、届けたい相手に向けた作り方をしているのか、という部分で拙さだけが目立った気がして、文化的背景のない日本人の大人が観て楽しめるレベルには達していないのかなぁと思います。

丁寧に作ればもっと劇的に良くなる素材はあったと思うので、なんとなく“フォーマット化された作り”に限界を感じる映画だったかな、と。ちょっとホロッと来るところもあったんですけどねー。残念。

このシーンがイイ!

カーミット初登場のシーン。後光がさしてて笑いましたねー。

ココが○

「指人形」と言ってしまえばそれまでですが、マペットたちの動きはやっぱり職人芸ですね。特にカーミットは頭の輪郭の変化で表情を表してたりしてなかなか奥深い。本当に「命を吹き込まれている」動きは素晴らしいです。CGだったら絶対にこの味は出ないでしょう。

ココが×

上に書いた通り、結局はマペットへの思い入れと、歌の部分とオマケのカメオ出演で惹きつける映画なので、もっと中身を濃いものにして欲しかった…と思いますが、きっとそうするとターゲットからずれるので、この映画はこれでいいんでしょうね。

MVA

カーミットと言いたいところですが、基本的に人以外は選出しないローカルルールがあるので、コチラの方に。

ジャック・ブラック(本人役)

なんというか人の良さが出ている感じがいいな、と。アウトローのようでいて実は良いヤツ、みたいな。でもジャック・ブラックファンには物足りない内容だとは思いますが…。

エイミー・アダムスはいかにもなキャラで良かったですが、さすがにちょっと歳を感じる部分と、もう少し痩せたほうがいいんじゃないとおせっかいながら思ってしまい。

さらに相手役のジェイソン・シーゲルは「なんか妙にオッサンっぽいなぁ」と思って観てたら、エイミー・アダムスはもちろん、自分よりも年下。まさかの年下。

主役はあくまでマペッツ、だからこそのチョイスなのかもしれませんが…ちょっと残念な気はしました。

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