映画レビュー0135 『パーフェクト・ワールド』

ということでため込んだ涙を放出するため、二度目となるこちらを観賞。ちなみにBSで録画したやつです。

最近知ったんですが、BSは結構良い映画をやっているので録画が溜まっていきますね…。

パーフェクト ワールド

A Perfect World
監督
脚本
出演
クリント・イーストウッド
T・J・ローサー
キース・ザラバッカ
音楽
レニー・ニーハウス
公開
1993年11月24日 アメリカ
上映時間
138分
製作国
アメリカ

パーフェクト ワールド

刑務所を脱獄したブッチは、押し入った家で少年・フィリップを人質として連れ去る。

心を思えば思うほど、泣ける。

8.5

初めて観たのはもう10年以上前のことだと思いますが、当時はまだ監督クリント・イーストウッドについての知識も特になく、どうこう思うこともなかったので、今観るとちょっと違うのかな? と思って観てみました。

一度目はかなり号泣した記憶がありましたが、二度目はさすがにそこまでではなく。でもやっぱり泣いたなぁ…。鼻水も出たよ

ストーリーも大枠では覚えていて、一度目の号泣した記憶もあっただけに、「はてさて何がそんなによかったべか」と考えながら観てたんですが、すごく簡単に言ってしまえば、ブッチとフィリップの友情と、その友情の帰結が“涙の理由”なのかな、という気がしました。

ブッチは確かに犯罪者の割には分別もあってイイヤツっぽい感じはしましたが、それでもやっぱりきっちり(?)殺すときは殺すし、脅すときは脅すし。「完全なる善人」ではないんですよね。当然ながら。

その「完全にイイヤツじゃないんだけどイイヤツっぽいな」という危うい綱渡りを観ながら、段々と心を寄せていくフィリップの思いと行動、そして結末に何とも言えない気持ちが宿る、というような。

その辺のブッチの描き方と、ブッチに対する観客の感情っていうのは、きっと今の日本の空気感でよくある「善か悪か」という二元的なものの見方に反抗する部分があるというか、「人間ってもっと複雑でしょ?」というメッセージがそうさせてる気がしますね。物事は0か1かのデジタルじゃないんだよ、っていう。

僕も割とそう見ちゃう傾向はあるので、その「複雑さを考える」ことの意味というか、清濁併せのむ思想というか、そういう器の大きさみたいなものは持ってないとダメだよ、と言われてるような気もしました。「犯罪者」「脱獄囚」っていうレッテルだけで判断できない複雑さというか。

この辺はこの前観た「マイネーム・イズ・ハーン」のイスラム教徒の描き方にも通じる部分があって、いわゆるステレオタイプな見方で動くと判断を誤っちゃうよ、人生損しちゃうよ、というようなメッセージにも受け取れます。

とかなんとか小難しいことを言わなくてもですね、もちろん(今思えば)クリント・イーストウッドらしい、淡々としていながらも飽きさせずにストーリーを語っていく展開が軸にあるので、誰にでも受け入れられる名作と言っていいと思います。

でもって、もっと言えばセリフが良い。

特にうるさいわけでもかっこいいわけでもないセリフなんですが、その身近な感じがうまいなぁと思いますねー。「リスト」なんてダメですよ。ありゃ。そりゃ泣いちゃうよ。ちゃんとうまく使ってくるし。

フィリップのためを思ってのブッチの行動はまさに父親のそれであり、フィリップはフィリップでブッチに父親であったり兄貴であったり友達であったりという感情を持っていたと思いますが、それであるが故に、「悪い人じゃないよね?」という感情からあの行動に出てしまったのか…。ブッチが“悪い人”になりそうだったから、それを見たくないから…というか。単純に「ブッチがやろうとしてることを止めようとして」じゃないと思うんだよなぁ。アレは。

その辺の感情を考えると、やっぱりすごく複雑な思いがしました。あのシーンはやっぱり…文字通りこの映画のピークでしたねぇ…。

そんなわけで、「泣きたいぜチクショウ!」という方は、ぜひ。

上っ面じゃないけど理解しやすい、“イイ泣き”が味わえる映画だと思います。

このシーンがイイ!

これはもう誰でもそうでしょうが、やっぱりフィリップがアレするシーンですよね…。その前の、古いレコードがバックに流れるシーンからずっと、何とも言えない味があって。

曲が終わり、フィリップが…という流れ、演出ともに最高。さすがクリント・イーストウッド、すごい。

次点で、「ジェットコースター風」屋根上フィリップのシーン。

ココが○

泣けるという意味では結構外さない映画じゃないかな、と思うんですよ。

ほぼ全編、「ブッチの人間性」が軸なので、散漫にならないし。安心して人にオススメできます。

ココが×

特に無いかなぁ。地味だから飽きる人は飽きるのかもしれませんが…。

MVA

これはもう…この人しか。

T・J・ローサー(フィリップ・ペリー役)

子役としての演技力という意味では割と普通だと思いますが、まーとにかくこの子はかわいい上に表情がいい。

褒められたときの笑顔、決断するときの決意の表情、そして泣き顔と、どれをとってもすばらしい。

この子あってのこの映画だと思います。あの泣き顔見たら大体の人は泣いちゃうでしょうよ…。

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