映画レビュー1134 『バーフバリ 伝説誕生〈完全版/オリジナル・テルグ語版〉』
JAIHOサービス開始時の最大の目玉としてアピールされていたのが、このバーフバリのオリジナル・テルグ語版でした。
僕はまだ続編しか観ていなかったので、これ幸いとばかりに鑑賞。ちなみにこれと入れ替わりで続編のオリジナル・テルグ語版が追加になるらしいので、そっちも(レビューは書きませんが)観る予定です。
バーフバリ 伝説誕生〈完全版/オリジナル・テルグ語版〉
2015年7月10日 インド
158分(テルグ語版)
159分(タミル語版)
138分(海外配給版)
インド
JAIHO(Fire TV Stick・TV)
続編よりも真面目な大河。
- 息子バーフバリの成長から世間に登場するまでを中心に描かれる前編
- 現国王・バラーラデーヴァと王位を争ったパパバーフバリの物語も描かれる
- 後編ほどぶっ飛んだ描写は少なく、しっかりとした大河ドラマと言った印象
- しかしところどころで漂うおかしさもポイント
あらすじ
思っていた以上に後編の記憶も薄れてきているんですが、しかしあのとき感じた「まじかよwwwwの連続」感とは程遠い、割とまとも(と言うとなんですが)な大河ドラマ感の強い映画で、逆にこれだけだとバーフバリの良さはあんまり感じられないのでは? と少し不安になりました。よって僕としては後編の方が面白かったなと。
マヒシュマティ王国のシヴァガミ(ラムヤ・クリシュナ)は一人の赤子を抱えたまま逃走中、追手の兵士を撃退したのも束の間、足を滑らせ川に落ちてしまいます。
彼女はシヴァ神に「自らの命と引換えに赤ん坊の命を救ってくれ」と願い、川から手を掲げたまま絶命。すごすぎ。
どういう物理法則でそこに留まっているのかまったく不明なシヴァガミの手から赤ん坊を引き上げた近所の村人たち。赤ん坊は子供がいない女性・サンガによって育てられることになり、シヴドゥ(プラバース)と名付けられます。
彼はすくすくと(例によってマッチョに)育ち、滝上にある世界に興味を持ち毎日のように滝を登り続けます。鯉かな?
そこに天女のような女性(タマンナー)を見たシヴドゥは、彼女に会いたい一心で滝登りを続け、ついに滝上の見知らぬ世界に到達。
そこではあの天女に瓜二つの女性が兵士たちに追われているところで、気になったシヴドゥも彼女を追っていきますが…まああとは例によってご覧くださいましよ、と。
バーフバリ的楽しみはまだ先
わかりきっていることなので先に書いちゃいますが、この今作の主人公・シヴドゥは息子バーフバリ(マヘンドラ・バーフバリ)で、彼の成長から正体判明までを描きつつ、その後は過去に戻ってパパバーフバリ(アマレンドラ・バーフバリ)の物語をかいつまみながらまた戻る、と言う感じの構成。
前作も過去と現在を行き来する内容だったので、前編後編どちらも時間軸としては結構入り混じってはいます。
後編は父バーフバリの話が主体で終盤近くにバトンタッチ、と言う感じでしたが、こっちは逆に息子バーフバリの話が主体で後半パパバーフバリについて少し語って聞かせるような内容になっております。
例の「えっ、そこがピークちゃうのん!?」と思われた後編オープニングで語られる「前作のあらすじ」の部分が今作のエンディングにつながっている感じで、(具体的には書きませんが)“それ”が物語全体の山場なんですね、やっぱり。なぜそうなったのか、という。
これを観ると確かにその経緯は気になるところだし、いい感じに「続く」と終わっていくのでいやらしいぜインドめ、とニヤリとしてしまうことウケアイです。
当然ながら主要メンバーも前後編で共通していて、シヴァガミもカッタッパもバラーラデーヴァも出てきます。バラーラ先輩を演じたラーナー・ダッグバーティは3年前だったか日本のコミコンにも来ていただきまして、楽しんでくれたのか気にかかるところではありますが相変わらずマッチョでめっちゃ強そうでした。当たり前です。
内容的には最初に書いた通り、後編ほど「嘘でしょwwwww」と笑っちゃうようなシーンは少なく、また前編のためか割と全体の流れを見せるような内容が主体に感じられ、「バーフバリマジすげぇ」みたいな感慨には浸りにくい内容。と言うか「バーフバリ」という固有名詞自体終盤になって出てくる程度なので、そう言う意味では本当にまだまだ序の口の物語と感じられます。
人々に強く畏敬の念を抱かれる“バーフバリ”とは何者なのか、その一端が語られつつも本番はまだこの後(続編)だよ、と言ったところでしょうか。気になるぅ!(鑑賞済)
これがそこまでハマらなくても後編もぜひ
もはやこれだけ話題になったシリーズなので、今さら「気になる人は観てね」なんて話ではないと思いますが、ただ僕としては今作が思いの外「普通に真面目な大河」っぽかったので、バーフバリの熱狂的な噂を聞きつけた人が観てみてどうなのかと言うと結構微妙なんじゃないかな、と若干の不安もあります。
要所要所で(良い意味で)おかしい部分は出てくるものの、それも後編と比べると数にしても勢いにしてもそこまでではないので、もしかしたら「言うほどじゃなくない?」で後編を観るのをやめてしまう人がいるんじゃないかな…と思うんですが、そういう人たちにこそ続編も観て欲しいとここで声を大にして言っておきます。
やっぱりなんだかんだ「前編」で、お楽しみはこれからなんですよ。間違いなく。基本的にはパパバーフバリすげぇ、って話なんですけどね。
当然ながら“大河”故に壮大な物語でもあるし、最近あんまりこういうスペクタクル映画って観ない気もするので、そう言う意味でも一度観ておくと良いかもしれません。気軽に観るには少々長いですが、それもまたインド映画なのでやむなし、と。
このシーンがイイ!
これはもう序盤で登場する「枝でビヨーン」のシーンでしょう。爆笑しました。「これこれ!!」って。でもこれ以外にここまでバーフバリ感を感じさせるシーンは他に無かったかも。
ココが○
少々邪な「面白さ」を求めるか否かは置いといたとしても、やっぱりかなり気合いが入ってお金のかかった映画だと思うんですよね。単純にスケールがデカい。
上に書いた通りこの手の映画は最近あまり流行っていないこともあって古い映画の方が揃っている印象なので、今の時代に改めてスペクタクル映画を観るのにこのシリーズはファーストチョイス足り得るのではないかと思います。
ココが×
どうしても長めなので少々飽きてくる面はありました。
実は観るタイミングが悪くて一回寝てしまい、再開しようとしたら最初からになったので「なんでだよ!」といきり立ってJAIHOに問い合わせたら「最初に戻るのは仕様」だそうで…これは直して欲しいなぁ。
MVA
後編同様にどの方もしっかり素晴らしいわけですが、今回はこちらの方に。
タマンナー(アヴァンティカ役)
シヴドゥ(息子バーフバリ)が惚れた女性。
後編にも出ているんですがまったく印象になく、今作ではヒロインらしく非常に綺麗でまさにタマンナーと言う話。ダジャレです。
最近インド映画の頻度が高いんですが、どれも女優さんが綺麗なんですよね…。インド女優が今熱い…!